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2017年11月19日(日)

中国特使、金正恩委員長との面会が実現するか!?

北朝鮮の実質NO.2の崔龍海氏(中央)に面会した宋濤対外連絡部長(左から2番目)


 習近平中国共産党総書記の特使として宋涛共産党対外連絡部長が17日から平壌を訪問しているが、金正恩委員長が宋涛部長に会うかどうかに国際的な関心が集まっている。

 北朝鮮は中国共産党幹部らの訪問の際には必ず最高指導者が面談している。特使の場合は、ほぼ例外なく接見している。

 例えば、2012年7月30日に前任者の王家瑞対外連絡部長が訪朝しているが、この時は胡錦涛主席の特使としての訪朝ではなかったものの金委員長は8月2日に王部長と接見していた。 

 政治局員の姜錫柱副総理(国際担当)のほか金養建党国際担当書記、金正男党副部長(中国担当)の3人が同席し、対外連絡部代表団からの贈り物も直接伝達されていた。

 金委員長は一行のため晩餐会を開いたが、晩さん会には当時軍総政治局長だった崔龍海政治局常務委員や処刑された金委員長の叔父である張成沢政治局員らも出席し、盛大に行われていた。

 この年の11月には当時中国共産党序列15位の李建國政治局員(全人代常務副委員長)も訪朝している。

 王家瑞対外連絡部長も同行していたこの訪朝団とも金委員長は一行の帰国日(30日)に金基南政治局員や金養建党国際担当書記らを伴って接見していた。この場で中国共産党代表団の贈物が渡されていた。

 この時は、金委員長主催の晩餐会はなく、宴会は党主催によるものだった。北朝鮮側からは会談相手の金基南政治局員のほか金永日国際担当書記と金成男党副部長らが出席していた。驚いたことに、北朝鮮は一行が帰国した翌日(12月1日)に人工衛星と称する「テポドン」の打ち上げを発表し、12日に予告通り発射してみせた。

 翌2013年7月には当時中国共産党序列16位の李源潮政治局員(国家副主席)が訪朝しているが、この時は、金正恩委員長は一行が到着したその日(25日)に接見している。外務省の金桂寛第一次官が同席していた。

 李源潮政治局員は「血で結ばれた中朝両国、両軍隊及び両人民の戦闘的な親善を代継いで固守し、光り輝かす使命を持って訪朝した」と語り、「中朝両国は親善的な隣邦であり、伝統的な中朝親善協調関係を絶えまく強固発展させるのは中国党と政府の確固不動な方針である」との習主席の口頭メッセージを伝えていた。贈り物も渡された。

 この時も金委員長主催の晩餐会はなく、到着した日に最高人民会議が宴会を催していた。序列11位の楊亨變政治局員(最高人民会議副委員長)や金英日党国際部長、朴義春外相らが出席し、帰国を見送ったのは楊亨變政治局員であった。

 直近では2015年10月に中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員が訪朝しているが、金正恩委員長はこの時も一行が到着した10月9日、その日に接見している。劉雲山政治局常務委員は金委員長宛の贈物をその場で伝達していた。

 劉政治局常務委員は「血で結ばれた中朝両国の党と政府、人民間の戦闘的親善を代継いで、固守し、光り輝かせ、政治、経済、軍事、文化などすべての分野の親善協調関係を新たな段階に発展させる使命を持って朝鮮を訪問した」と述べ、「栄光なる伝統を持つ戦略的な中朝関係を変わらず強固発展させることが中国の党と政府の確固不動で、揺るぎない方針である」と発言し、金委員長を喜ばせた。また、劉氏から手渡された習近平総書記の親書には「新しい情勢の下、我々は中朝関係の大局と両国の大計から出発し、朝鮮と交流を密接にし、協力を深めたい」などと記されてあった。

 しかし、金委員長は劉氏に対して「伝統的な朝中親善を一層強固に発展させることが労働党と人民の意志である」と述べたうえで「伝統は歴史本や教科書に記録することで終わるのではなく、実践で継承し、光り輝くようにすべきである」とある種の注文を付けていた。

 金委員長主催の晩餐会や宴会はなく、党主催の宴会が開かれ、会談相手である当日序列5位の崔龍海政治局常務委員や李昌根党副部長や李吉成外務次官らが出席した。帰国(12日)の際には金基南政治局員と李昌根党副部長が一行を見送った。

 この劉政治局常務委員の訪朝を機に関係改善の兆しが芽生えたかに見えたが、2か月後のモランボン楽団の中国親善公演(12月12日)が寸前でドタキャンになるや3日後の15日、金委員長は翌年(2016年)1月6日に核実験を実施することを決心し、命令文にサインしていた。

 テポドン発射の動きが表面化した昨年2月は中国の武大衛朝鮮半島特別代表(6か国首席代表)が2日から4日まで訪朝し、金桂寛外務第一次官らと会談したが、北朝鮮は帰国から3日後の7日にテポドンを発射した。

 武大衛特別代表は後に「当時、厳重な口調で核を放棄するようにメッセージを伝達したが、北朝鮮は片方の耳で聞いて片方の耳から聞き流していた」と舞台裏を明かしていた。

 今回、17日に平壌に入った中国の宋涛対外連絡部長はその日のうちに現在党序列3位の崔龍海政治局常務委員に面会し、崔政治局常務委員に金委員長宛の贈物を伝達している。

 翌18日には党序列10位の外交トップの李スヨン政治局員(政務局副委員長=国際担当)と会談し、その日のうちに李政治局員と李昌根党副部長(中国担当)らが出席して歓迎宴が開かれている。

 金委員長宛の贈物も伝達され、両党の会談も行われ、そして宴会もすでに終わっている。後は帰国を前に金委員長への表敬訪問(接見)のみとなったが、実現するかどうか、間もなくわかるだろう。



2017年11月9日(木)

韓国国会での「トランプ発言」に北朝鮮はどう出る!

究極のチキンレースを展開するトランプ大統領と金正恩委員長


 トランプ大統領の昨日(8日)の韓国国会での演説は33分のうち24分は北朝鮮に費やしていた。それも金正恩委員長への痛烈な批判に終始していた。

 金委員長を「残酷な独裁者」「腐敗した指導者」「残忍な暴君」と呼び、北朝鮮を「悪漢体制」「悪党体制」と切り捨て、飢餓、貧困から収容所、脱北、拉致問題などの人権問題に踏み込み「腐敗した指導者が圧政とファシズム、弾圧の下で国民を牢獄に入れている」と扱き下ろしていた。

 注目の核・ミサイル問題でも「軍事力の行使」という直接的な表現こそ使わなかったものの以下のように米国の強い決意を北朝鮮に見せつけていた。

(参考資料:トランプ大統領は米議会の同意なく北朝鮮を攻撃できるか

 「我々の政権はこれまでの政権とは違う。我々を過小評価する!我々を試そうとするな!歴史はから見捨てられた体制は多い。それらの体制は愚かにも米国の決意を試した体制だ。米国の力、米国の決意を疑うものは我々の過去を振り返ってこれ以上、疑ってはならない」

 「我々は(北朝鮮が)米国と同盟国を脅迫し、攻撃するのを許さない。我々は米国の都市が破壊の脅しを受けるのを許さない。我々には脅迫は通じない。世界は悪党体制の脅しに寛容ではない。核惨禍で世界を脅かす体制の脅威に寛容ではない。我々は残忍な暴君の野心から国民を守る準備ができている」

 「責任ある国家は力を合わせるべきだ。北の残酷な体制を孤立させなければならない。(北朝鮮への)いかなる支援、供給、容認を断ち切るべきだ!」

 トランプ大統領は北朝鮮を圧迫する一方で文在政権への配慮から一応対話も呼びかけていたものの北朝鮮の全面降伏を前提としたものであった。

 そのことは「お前が持っている核兵器はお前を守るのではなく、お前の体制を深刻な脅威に陥れている。暗い道に向かう一歩一歩はお前が直面する脅威を増加させるだろう。北朝鮮はお前の祖父が描いていた天国ではなく、誰も行ってはならない地獄である」と核開発を批判したうえで「お前が神や人類に対して犯した罪にもかかわらず我々には良い未来のための機会を提供する準備ができている。その出発は攻撃を終息させ、弾道ミサイル開発を中止し、完全かつ検証可能な形で非核化することだ」と言っていることからも明らかだ。北朝鮮が核実験やミサイル発射などの挑発を止め、核を放棄しなければ、対話には応じないとの姿勢を鮮明にしていた。

 今のところ、北朝鮮からの反応はまだない。トランプ大統領が9月19日に国連総会の場で北朝鮮を批判した際には2日後に金委員長自らがTV前に登場して、反論の声明を読み上げていた。 

 国連総会での演説ではトランプ大統領は41分のうち北朝鮮問題に5分間時間を割き、北朝鮮を「不良国家」「犯罪者集団」「完全破壊」「堕落した政権」などの用語で露骨に非難し、金委員長を「ロケットマン」と呼び「ロケットマンは自分と自身の政権にとって、自殺行為となる任務を遂行している」と皮肉り、「我々は米国と同盟国を防御すべき状況になれば、選択の余地はなく北朝鮮を完全に破壊するだろう」と言ってのけた。

 この発言に対して金委員長はトランプ大統領を「火遊び好きな放火魔」「チンビラ」「臆病な犬」「老いぼれた狂人」と罵倒したうえで次のように敵意を露わにした。

 「一つの主権国家を完全に壊滅するとふざけたことを言う大統領の精神病的狂態は正常な人間ですら知り分別と落ち着きを失ってしまう。臆病な犬ほどうるさく吠えるものだ」

 「トランプに警告しておくが、世に向かってものをいう場合は、該当する言葉を慎重に選び、相手をみてからものを言え!トランプの発言は私を驚かすことも、止めることはできないどころか、私が選んだ道が正しく、最後まで行くべき道であることを確認させてくれた」

 「トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、冒涜し、我が共和国を消してしまうと歴代で最も暴悪な宣戦布告をしてきた以上、我々もそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」

 「私は我が国家と人民の尊厳と名誉、そして私自身の全てを賭けて、我が共和国の絶滅を騒いだ米国の統帥権者(トランプ大統領)の暴言に対して必ずその代価を払わす。トランプが何を考えていたとしても、(彼は)それ以上の結果を目にすることになるだろう。米国の老いぼれた狂人を必ず、必ず火でしずめるだろう」

 トランプ大統領の「北朝鮮を破壊する」発言を「宣戦布告」とみなし、「我々もそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」との金委員長の発言は大きな波紋を呼んだことは周知のとおりだ。

 この「史上最高の超強硬対応措置」について北朝鮮の李容浩外相が国連総会での演説を前に個人的な感想として「おそらく歴代最大級の水素爆弾の地上実験を太平洋上でやるのでは」と述べたことから「太平洋上の水爆実験」の可能性が取り沙汰されていた。

(参考資料:北朝鮮は本当に「太平洋上の水爆実験」をやる気なのか?

 しかし、北朝鮮は史上初の最高指導者の名による声明で「国家と人民の尊厳と名誉、そして自身の全てを賭け、言葉ではなく、行動で示し、トランプに必ずそのツケを払わす」と大見得を切ったものの今もって行動には出てない。

 一度ならず、二度も罵倒されたことで金委員長が切れて、行動に出るのか、それとも事態を静観するのか、北朝鮮の反応が注目されるところだが、ICBMの発射にせよ、核実験にせよ、次に行動を起こせば、トランプ政権の軍事オプションは確実に作動することになるだろう。従って、北朝鮮はよほどの覚悟がなければ、原子力空母3隻が朝鮮半島近海で展開している状況下でのミサイル発射はできないだろ。裏を返せば、北朝鮮の覚悟次第では一気に開戦という事態も想定される。

 「嵐の前の静けさ」はいつまで続くのだろうか。

(参考資料:北朝鮮の「史上最高の超強硬対応措置」で米朝軍事衝突は不可避!



2017年11月7日(火)

文大統領はトランプ大統領の対北軍事攻撃を止められるか!

米国での米韓首脳会談の際のツーショット


 訪日を終えたトランプ大統領は次の訪問地、韓国に飛び立った。今日の昼には烏山基地に到着する。

 注目の文在寅大統領との首脳会談は午後に行われる。単独会談も含めて、二度行われる予定である。

 最大の注目点は、北朝鮮が太平洋に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、核ミサイルを完成させた場合の対応だ。特に、外交的解決手段としての制裁と圧力が功を奏しないと判断した場合の対応、即ち米国が検討している軍事オプションに関する協議にある。  

 文大統領は8月15日の解放記念日での祝辞で「朝鮮半島での軍事行動は韓国だけが決定できるし、誰も韓国の同意なく、軍事行動を決定することはできない」と発言していた。  

  国民の多くは文大統領の言葉を信じているようだが、では、米国は韓国の同意がなければ、北朝鮮に対して軍事行動を起こせないのだろうか?換言すれば、文大統領は軍事オプションに傾斜するトランプ大統領を説得することができるのだろうか?

  文大統領は韓国軍を統率する最高司令官である。米韓相互防衛条約2条には北朝鮮からの武力攻撃を阻止する手段について「協議と合意によって取る」と定められている。また、韓国の領土、領空、領海、即ち韓国作戦地域内での軍事行動は「韓国政府の同意が必要」とされている。

  但し、韓国の作戦地区ではなく、朝鮮半島外の国際空域では韓国政府の同意を必要としない。簡単な話が、朝鮮半島の外、即ち韓国の領土、領海外からの攻撃、具体的にはグアムや在日米軍に基地のある戦略爆撃機や空母からの攻撃の場合は、韓国政府の同意を必要としない。

  しかしこの場合、北朝鮮が在韓米軍基地に反撃を加えるのは必至だ。武力衝突が局地戦、全面戦争に発展すれば韓国の被害は甚大だ。そのため米国は韓国の了承なく、独自に行動することはできないとの見方もあるが、在韓米軍司令官は国際法的には国連司令官である。

  韓国の宋永武国防長官は先月、国会国防委員会の国政監査の場で「米国は韓国の同意なく単独で戦争ができるのか」との無所属議員の質問に対して「米国は韓国を排除して単独では戦争をしないだろう」と答えていた。

  また、米国のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も11月2日、トランプ大統領の訪韓を前にこのほど韓国のYTNテレビと行ったインタビューで「米韓両国は完全な合同軍事指揮体系を持っており、情報を毎日共有している」として、「(朝鮮半島での)米国の単独軍事行動は想像できない」と述べていた。

  朝鮮半島有事の際の作戦統帥権は国連軍司令官が握っている。朝鮮半島有事が現実となれば、在韓米軍同様に韓国軍も国連軍司令官の指揮下に入る。韓国軍を抜きにした朝鮮半島での戦争はあり得ない。米朝軍事衝突に韓国軍は自動的に参戦することになっている。トランプ大統領と文大統領との間では軍事オプションに関して温度差はあっても、米韓両軍の関係は強固で、緊密な関係にある。

  ロシアのラブロフ外務長官は10月31日、ロシアと事業する欧州企業人との会合で「米国は韓国との事前協議なく北朝鮮攻撃を決断するだろう」と発言していた。

 その理由についてラブロフ外相は「ダンフォード米統合参謀議長は『大統領から攻撃の命令が下されれば、議会の承認を得ずに命令を実行する可能性を排除しない』と発言していることからして非常に危険だ」としたうえで「韓国の大統領は我々に韓国との協議なく米国が武力を使用することはないと言っているが、私はそれとは違った発言を聞いている」と語っている。

(参考資料:トランプ大統領は米議会の同意なく北朝鮮を攻撃できるか

  クリントン政権下の1994年の第一次核危機の時、クリントン大統領は当時、金泳三大統領の同意なく、対北攻撃を決断し、実行に移そうとしていた。そのことは、当時金泳三政権下で大統領秘書室長の職にあった朴寛用氏の証言からも明らかだ。 朴氏は3年後の1997年に当時の切迫した状況を次のように語っていた。

  「当時、鄭鍾旭青瓦台(大統領府)外交安保首席補佐官がどこからか『駐韓米大使館が数日以内に米軍家族らに退去命令を出す準備をしている』との情報を聞き出してきた。確か1994年6月のことと記憶している」

  「駐韓米大使を呼び、事実関係を確認した後、金泳三大統領はクリントン大統領に電話をして『戦争は絶対にダメだ』と強く抗議した。クリントン大統領が国家安全保障会議を招集し、戦争に備えた兵力増強を論議していることを我々は全く知らされてなかった」

  「軍事行動直前にはおそらく米国は通報してくるだろうと思っていた。韓国軍と米軍が一緒に行動しなければならないわけだから。当時米国は韓国への通告や武力展開、駐在員の避難などの事前措置は北朝鮮に先制攻撃の口実を与えかねないと判断し、現状のままで直ちに攻撃する考えだった。私はもう驚きを飛び越え、我が国の運命がこのように決定していたのかと、虚脱感みたいなものを感じた」

 「戦争はやってはならないと駆けまわる以外に我々に手だてがなかった。実際、金泳三大統領がそうだった。朝鮮半島の軍事情報は全部米国が握っていた。米軍が我々に言わないのは我々に対する圧迫手段となる。『北朝鮮の核開発状況がここまで来ているのにそれでもお前らはいいのか』と迫られれば、我々に選択の余地はない」

 歴史は繰り返されるか、それとも、今度は止めることができるのか、文大統領の手腕が問われる。

(参考資料:「ソウルを重大な脅威に陥れない」米国の軍事オプションとは何か?



2017年11月2日(木)

北朝鮮はソウル五輪同様に平昌五輪もボイコットか!―その三つの理由

スタートした韓国国内での平昌五輪聖火リレー


 平昌(ピョンチャン)冬季五輪開催(2018年2月9日〜25日)まで100日となる11月1日、聖火リレーが韓国国内でスタートした。

 北朝鮮の核問題を巡り朝鮮半島で米朝軍事衝突の危険性が取り沙汰されている最中、ドイツやオーストリア、フランスなど欧州の一部の国から参加を不安視する声が上がっているが、平昌五輪が成功裏に行われるかは偏に北朝鮮の参加にかかっているようだ。

(参考資料:韓国でまたまた米国人の疎開訓練!ハワイでは核攻撃に備えた退避訓練!

 南北関係改善を公約に掲げて発足した韓国の文在寅政権は平昌五輪を南北融和の場にするためスキーなど一部競技の北朝鮮での分散開催から南北統一チームの結成、さらに共同入場行進など様々なプランを検討したもののどれもこれも実現不可能とわかり断念。今は、北朝鮮が自発的に参加するのを待つのみだ。仮に北朝鮮が不参加を決定すれば、平昌五輪に暗雲が漂うことになる。

 このため韓国は文大統領が自ら北朝鮮に向かって参加を呼び掛ける一方、今日(11月2日)からプラハで開かれる各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会に金日国体育相率いる北朝鮮代表団が参加するのを機に国際オリンピック委員会(IOC)と共に平昌五輪への参加を促すことにしている。IOCもまた、北朝鮮が平昌五輪に参加する場合、費用を全額負担する意向を明らかにするなど北朝鮮への働き掛けを行うようだ。

 韓国の五輪組織委員会は北朝鮮がドイツ国際大会に選手らを送り、フィギュアスケートペアで出場枠を手にしたことや、IOCが国際競技連盟と協議し、ショートトラックやノルディックスキーなどの種目で北朝鮮選手にワイルドカードを与えることも検討していることから北朝鮮の参加に期待を寄せているが、成否のカギを握る北朝鮮は参加可否についてまだ態度を明らかにしてない。再三にわたる韓国側の呼び掛けにも無反応のままだ。

 一部では、フィギュアスケートペアで平昌五輪の出場枠を獲得したことから出場権を行使するとの意向を国際スケート連盟に通知したとの報道もあるが、確認は取れてない。韓国統一部の白泰鉉報道官も北朝鮮側から参加可否の連絡はないかとの記者らの質問に「具体的な動向はまだ把握されていない」と答えていた。

 過去のケースからすると、不参加の可能性の方が高いと言える。その理由は大きく分けて3つある。

 一つは、朝鮮半島での軍事・政治的対立が解消されてないことにある。

 IOC委員でもある北朝鮮の張雄(チャン・ウン)国際テコンドー連盟(ITF)名誉総裁は9月にペルーのリマで開かれたIOC総会に出席した際に「スポーツと政治は別だ。平昌五輪に何らかの問題が生じるとは思わない」と韓国の記者らに語っていたが、これはIOC委員としての建前を語ったものであり、次の「平昌五輪が選手にとって安全な場所となるか」との質問への「スポーツマンとしてはそれを期待しているが、誰もわからない」との回答が本音ではないだろうか。

 北朝鮮はそもそもスポーツと政治は別物とは捉えてない。何よりも政治優先のお国柄である。その典型的なケースが古くは、1988年にソウルで開催された夏季五輪である。

 名古屋と競って勝ち取ったソウル五輪は「分断国家での開催は朝鮮半島の平和及び南北統一に寄与する」というのが韓国の招致、開催のキャッチフレーズであった。しかし、北朝鮮は提唱していた南北共同開催案が霧散すると、ソウル開催を阻止する目的で大韓航空機爆破事件を引き起こした。結果として、ソウル五輪は南北融和・平和どころから、対立が一層深まってしまった。

 また、2000年の史上初の南北首脳会談(5月)の結果、その年の9月に開催されたシドニー五輪で初めて実現し、04年のアテネ五輪にも引き継がれた南北共同入場行進も北京五輪(2008年)で途切れてしまったこともその一例である。

 原因はこの年の2月に発足した李明博政権が金大中―盧武鉉政権下での約束・合意事項を再考すると言ったことに北朝鮮が猛反発し、韓国との政府間対話、交流を一切拒否してしまったことにある。

 李明博−朴槿恵政権下で断絶した南北関係は文在寅政権下にあっても好転する兆しはない。「文在寅も朴槿恵と何ら変わらない」として軍事会談も赤十字会談も拒絶した金正恩政権が態度を軟化させ、南北スポーツ会談に応じて、平昌五輪への出場を決めるとは考えにくい。何よりも、トランプ大統領に同調して北朝鮮に対して制裁と圧力を強めている文在寅大統領に金正恩委員長が花を持たせる理由が見当たらない。北朝鮮にとっては金委員長が文大統領の露払いをするのはその逆はあっても、あり得ないのではないだろうか。

 二つ目の理由は、平昌五輪終了(2月25日)後に恒例の米韓合同軍事演習が予定されていることだ。

 毎年演習は早ければ2月末から遅くとも3月初旬にはスタートする。

 周知のように米韓合同軍事演習は昨年から北朝鮮への先制攻撃のための作戦や金委員長を除去する斬首作戦などが取り入れられている。演習を中止するなら、核実験を止めても良いと言うほど猛反発している合同軍事演習をそのまましての直前の平昌五輪への参加はあり得そうにもない。まして、「平昌五輪終了後に米国の軍事攻撃があるかもしれない」との噂が飛び交っているならなおさらのことである。

(参考資料:秘密裏に行われていた米特殊部隊による「斬首作戦」訓練!

 三つ目は、参加してもメダルの獲得が望めないことだ。

 北朝鮮にとってスポーツは参加することに意義があるのではなく、一にも、二にもメダルを取ることにある。「たかがスポーツではなく、されどスポーツ」で、選手やコーチらには優勝すること、メダルを獲得すること、世界一になること、チャンピオンになることが常に求められている。それもこれも国威発揚に繋がるからである。

 出場枠を手にしたフィギュアスケートペアを含めて仮に幾つかの種目でワイルドカードを与えられて、何人かが出場できたとしてもメダル獲得の可能性はゼロに近い。前回、友好国のロシアで開催されたソチ五輪にも参加しなかったことからも明らかなようにメダルが見込めない大会には選手を派遣しないのではないだろうか。

 主催国の韓国がメダル獲得数でおそらく上位5位に入ることを考えると、南北の格差を曝け出すような大会に費用を全額負担してもらっても出るほど金正恩政権は寛容ではないし、その余裕もないだろう。

 ここ1〜2ヶ月の間に朝鮮半島の一触即発の現状が緩和されない限り、南北の対立が解消され、関係が改善されない限り、また、米韓合同軍事演習が中止されない限り、現状では北朝鮮が平昌五輪に参加する可能性は極めて低い。



2017年10月31日(火)

「暗殺された金正男」の息子への北朝鮮の「暗殺計画」の真偽

現在裁判中の二人の実行犯(ベトナム女性とインドネシア女性)


 韓国の大手紙「中央日報」は昨日(10月30日付)に中国公安当局が今年2月にマレーシア・クアラルンプールの空港で暗殺された金正男氏の長男、ハンソル君の殺害を北朝鮮が企てていたとして朝鮮人民軍偵察局所属工作員2人を逮捕していたと伝えていた。

 「北朝鮮モノ」を得意とする「朝鮮日報」を含め韓国のメディアは一斉に中央日報の「スクープ」を横並び報道している。

 北朝鮮は金正恩委員長の異母兄である正男氏の殺害を否定しているが、マレーシア当局は北朝鮮による組織ぐるみの犯行と断定している。下手人として逮捕された二人の東南アジア女性を除く暗殺団が全員北朝鮮に帰国してしまったため正男氏殺害の理由、目的は不明のままだが、マレーシア当局の見立て通り、北朝鮮暗殺団による犯行ならば、父親以上に「問題発言」をしている息子のハンソル君が次のターゲットにされるのではと早くから懸念されていた。

 ハンソル君が2012年にフィンランドのテレビ局とのインタビューで「叔父がどのようにして独裁者になったのか知らない」と叔父の正恩委員長を「独裁者」呼ばりしたことや亡命政府を画策する海外の脱北団体がハンソル君を父親の代わりに旗頭にしようとする動きを金正恩体制が警戒しているならば、暗殺計画があったとしても不思議ではない。

 それまで滞在していたマカオから母(キム・ヘギョン)と妹(ソルヒ)と共に身を隠し、「天里馬民防衛」なる支援団体の手を借りて出国し、台湾を経由して第三国に移ったのも命を狙われる危険性があったからで、そのことは脱出後、ハンソル君自身が米国・中国・オランダの各政府の支援に対し感謝の意を伝えていたことからも明らかである。

 一連の報道を整理すると▲暗殺団は人民軍偵察局に所属する特殊工作員▲人数は支援組、行動組、遮断組から成る7人▲7人のうち2人が中国国家安全部に逮捕され、現在は北京郊外の特殊施設で極秘に取り調べられている▲逮捕の時期は中国共産党大会(10月18-24日)期間中というのが現在までの「全容」だ。

 暗殺計画が事実だとすると、ハンソル君は巷間言われているようにオランダや、フランス、従妹のいる米国ではなく、中国に滞在していた可能性が浮上する。

 一旦脱出した後、中国に再び戻って来たのか、あるいは第三国への脱出は偽造で、単にマカオから北京に移り、身を隠していたのかは定かではない。仮に北京にいたならば、中国当局の保護下に置かれていたのだろう。中国が保護している人物への殺害の企てがあったからこそ、摘発し、逮捕したということになる。

 今回の事件は中国公安当局が公式発表したものではない。韓国メディアデが「北朝鮮消息筋の話」として公にしたものである。ということは中国公安当局が「北京郊外の特殊施設で極秘に取り調べている」情報を韓国側に流した可能性が大だ。

 中国公安当局が極秘情報を北朝鮮と敵対関係にある韓国に流せば、当然公になる。広まれば、さらなる北朝鮮のイメージダウンに繋がる。それを承知の上で、あるいはそこに狙いがあるとすれば、核実験やミサイル発射を止めようとしない、中国の説得に応じない北朝鮮への懲罰、見せしめとして流したのかもしれない。

 最後に、中国の主権をないがしろにして北朝鮮が目に余る不法活動を継続していることへの中国側の反発と、これまで目をつぶるか、あるいは摘発しても内々に処理してきた慣例を無視し、逮捕し、さらには韓国側にそのことを漏らしたことへの北朝鮮側の不満が交錯すれば、中朝関係はさらに悪化の一途を辿ることになるだろう。

 ただ、この報道には幾つか不自然な点があるのも否めない。

 ▲二人の工作員の名前が特定されてないこと▲逮捕された日付も不明なこと▲逮捕された工作員が簡単に口を割ったこと▲実行犯である二人の東南アジア女性らの裁判中に「事件」が明るみになったこと▲「金正男暗殺団」が8人で、その息子の暗殺団が7人と少々出来すぎであることなどだ。また、韓国のメディアが北朝鮮関連ではこの種の作文を得意としているのも気になる点だ。

 真偽を断定するのは韓国当局(情報機関)の正式発表を待ってからでも遅くはないようだ。



2017年10月30日(月)

「米軍基地から本土、そして核攻撃」へと過激化する北朝鮮の対日非難

党中央軍事委員会を主宰する金正恩委員長


 北朝鮮の対日非難が年々エスカレートし、エキセントリックかつヒステリックになっている。

 北朝鮮の対米・対日窓口機関でもある朝鮮アジア太平洋平和委員会は一昨日(10月28日)、報道官談話を発表し、安倍政権に対して「米国の手先となって軽率に振る舞えば日本列島がまるごと海中に葬られかねない」などと恫喝していた。この団体は先月(9月14日)も「日本は制裁を主導する米国の言いなりになっている」と憤慨した挙句、「日本列島の4つの島は、核爆弾によって海に沈むべきだ」と威嚇していた。

(参考資料:北朝鮮の対日核攻撃はあり得るか!?

 対日批判のオクターブが高まる理由は、安倍政権が経済制裁、外交圧力、軍事プレッシャーの3本の矢で北朝鮮に核放棄を迫るトランプ政権に同調し、側面支援していること、それが功を奏しない場合の選択肢である軍事オプションにも理解、支持を表明していることへの苛立ちであることは言うまでもない。

 日本政府が国連安保理で米国と共に制裁決議を主導し、北朝鮮と国交のある160余国に対して外交関係や経済関係を断つよう働きかける一方で、朝鮮半島有事が現実になった場合、北朝鮮攻撃の先陣を切るB−1B戦略爆撃機や原子力空母と自衛隊が共同訓練を行い、日米安保協調体制を強めていることは公の事実で、秘密でも何でもない。

 先月の国連総会での演説で北朝鮮を「犯罪集団」、金正恩委員長を「ロケットマン」と扱き下ろし、「米国と同盟を防御すべき状況になれば、北朝鮮を完全に破壊する」と発言したトランプ大統領に連帯し、安倍晋三総理が金正恩委員長を「史上最も確信的な破壊者」「独裁者」と規定し、「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする米国の立場への全面的な支持を表明していたことも周知の事実である。北朝鮮のミサイルが立て続けに日本の上空を飛び越えてきたことへの怒りと同時に不動の日米関係を内外にアピールするために強硬に対応せざるを得なかったと言える。

 本来ならば、日本が北朝鮮と一戦交えなければならない必然性はない。日本と北朝鮮はパレスチナとイスラエルのような不倶戴天の関係にもない。日中、日露、日韓のような領土、資源紛争もない。韓国と異なり北朝鮮を併合、統合する意思もない。侵略する意思も、能力もない。国交はないものの主権国家として尊重している。小泉政権下での「日朝平壌宣言」(2002年)も安倍政権下の「日朝ストックホルム合意」(2014年)がその証左でもある。

 さらに、北朝鮮とは国際法的には「撃ち方、止め」の休戦状態にある米韓両国と違い、日本と北朝鮮は交戦国同士ではない。従って、北朝鮮からミサイルで狙われる理由はどこにも見当たらない。ただ唯一例外があるとすれば、米韓両国が北朝鮮と交戦状態となり、日本が米韓に協力した場合のみ「北の脅威」は現実のものとなる。

 在韓米軍が駐屯する朝鮮半島で戦争が勃発すれば、在日米軍は援軍として出陣する。沖縄から海兵隊が朝鮮半島に上陸し、横須賀から空母が出動し、そして三沢など在日米軍基地から戦闘爆撃機が発進する。日米安保条約の第6条に日本の安全と、極東における国際平和と安全を維持するため米軍が日本の施設と区域を使用することが許されているからだ。日本が韓国に武器弾薬、燃料など軍需救援物資を運ぶための米軍の補給基地、兵站基地、あるいは後方基地と化すのは既成事実である。

 自衛隊が戦闘に直接加わらない後方支援であったとしても、朝鮮半島有事が現実となれば、湾岸戦争で米軍に協力したことでイラクからミサイルを撃ち込まれたサウジアラビアと同じ立場に立たされるだろう。北朝鮮が自衛隊の非軍事分野での協力も非戦闘行為も「準軍事行動」とみなすのは必至だからだ。そのことは韓国に亡命し、2010年に死去した黄ジャンヨプ元労働党書記が生前「朝鮮人民軍は戦争が起きれば、日本などに駐屯している米軍の基地を攻撃し、これらを無力化してこそ戦争に勝てると考えている」と証言していたことからも明白だ。

 朝鮮半島有事の際にはF−22ステルス戦闘機やF−15戦闘機、E−3早期警報機などが数時間内に出動できる沖縄の嘉手納基地、F−35Bステルス垂直離着陸戦闘機が配備されている山口の岩国基地、4万トン級の大型上陸艦など上陸に不可欠な艦艇が配備され、数百万トンの戦時用弾薬も備蓄されている長崎の佐世保海軍基地、原子力空母など第7艦隊の母港である横須賀海軍基地のほか、Xバンドレーダのある車力に近い青森の三沢空軍基地や横田空軍基地などが攻撃のターゲットとされている。というのも、北朝鮮は昨年2月23日の最高司令部の重大声明で朝鮮半島有事の際の第二次攻撃対象に「アジア太平洋地域の基地」、即ちグアムと在日米軍基地も含まれていることを公言していたからだ。

 北朝鮮が核爆弾の軽量化、小型化に成功し、ミサイルに搭載可能ならば、朝鮮半島有事が現実となった場合、日本の安全保障にとって死活的な脅威となる。北朝鮮はすでに日本攻撃用の「ノドン」に加えて「スカッドER」、潜水艦弾道ミサイル「北極星1」そしてその地上型の「北極星2」の4種類のミサイルを完成させ、配備してある。

 新型の中距離弾道ミサイル「スカッドER」は今年3月に4発発射され、そのうち3発が日本の排他的経済水域に落下したが、その際、北朝鮮は初めて在日米軍基地を攻撃するミサイル部隊の存在を明らかにしていた。また、人民軍総参謀部は太陽節(4月15日)の前日に発表した談話で「日本本土や沖縄の米軍基地も照準内にある」と、攻撃対象が在日米軍基地にとどまらず、日本の本土に及ぶことも初めて公言していた。

 今年5月にも、北朝鮮外務省は「これまで日本にある米国の侵略的軍事対象(軍事基地)だけが我々の戦略軍の照準内にあったが、日本が現実を正しく直視せず、米国に追従し、我々に敵対的に出るなら、我々の標的は変わらざるを得ない」と攻撃対象を米軍基地から本土にまで拡大させていた。そして、今では核攻撃を公然と言い出し始めている。

(参考資料有事の際の米韓連合軍の「地上から平壌を完全に消す作戦」

 「悪魔の爆弾」に手を掛けた瞬間、北朝鮮も金委員長も地球上から消えることを百も承知しているならば、軍事衝突での核の使用はあり得ないとは思われるが、米国家情報局(DNI)のブレーア初代局長や二代目のクラッパ―局長、あるいはスカパロッティ前駐韓米軍司令官らが証言しているように絶体絶命になれば、あるいは敗戦寸前になれば金委員長が使う恐れもあるだけに用心に越したことはない。

(参考資料:シミュレーションされた北朝鮮の核使用による日韓の被害状況



2017年10月26日(木)

北朝鮮は本当に「太平洋上の水爆実験」をやる気なのか?

米国のネバタ核実験


 米CNNは昨日(25日、現地時間)、北朝鮮外務省の外郭機関「米国研究所」の李容弼副所長との平壌でのインタビュー内容を伝えたが、李副所長は金正恩委員長が公言した「史上最高の超強硬対応措置」について李容浩外相が国連総会出席の際に個人的な感想として「おそらく歴代最大級の水素爆弾の地上実験を太平洋上でやるのでは」と発言していたことについて「世界はその言葉を文字通り受け取るべきだ」と答えていた。

 CNNは「李副所長の表情は怒っていて、全世界に向け深刻な警告をしていた」とこの言葉を発した時の彼の印象を伝えていた。

 CNNによると、李副所長は李外相について「最高尊厳(金正恩委員長)の意を良く知っている」として「だからこそ、李外相の言葉を文字通り受け取るべきだ」と伝えていた。

 李副所長は北朝鮮が超強硬措置を検討している理由について「米国は軍事オプションを示唆し、実際に軍事行動を実行しており、また制裁を加えながら全方位で我々を圧迫している。これが外交に帰結すると考えるのは大いなる錯覚である」として、制裁と圧力を強化することで北朝鮮に核武装路線を転換させ、対話の席に着かせるとのトランプ政権に屈しない姿勢を示した。

 さらに、CNNはティラーソン国務長官が先月(9月)30日に「北朝鮮とは直接対話できるチャンネルが幾つかある。ブロックアウトという暗澹な状況ではない」と北朝鮮との対話による解決策を模索している趣旨の発言をしていたが、李副局長の発言は「米朝間に外交チャネルが存在してないことを暗示していた」と伝えていた。

 金正恩委員長の「史上最高の超強硬対応措置」の発言は国連総会でのトランプ大統領の「北朝鮮を破壊する」発言への反発、対抗上のもので金委員長自身が太平洋上の水爆実験を言及したわけではない。金委員長は太平洋上で水爆実験を行うとは一言も言ってない。

 太平洋上の水爆実験はこれまでの北朝鮮国内での核実験や公海に落としていた弾道ミサイルの発射実験とは異なり全世界を敵に回すことになる。冷戦時代の1950〜63年までの米露は空中爆発実験を行っていたが、1963年に米露英3か国の間で部分的核実験禁止条約が署名され、大気圏及び宇宙空間、水中での核実験が禁止された。大気圏の核実験は1980年の中国を最後に実施されてない。それを強行すれば、北朝鮮はまさに「人類共通の敵」として指弾されるだろう。

 太平洋上の大気圏(100km)内もしくは水中で核実験をやった場合、環境汚染による物的、人的被害は甚大だ。太平洋上で核実験をやる場合は、放射能被害を最小限度に抑えるため大気圏外(宇宙空間で)で爆発させなければならない。従って、数百km上空で威力の弱い核兵器を爆発させる可能性は考えられなくもない。しかし、それでも核爆弾が炸裂した際に発生する電磁波によって広範囲の地域で被害が発生する。ロシア(旧ソ連)が1961年に水爆実験をやった際にアラスカの早期警報レーダーと半径4000km内の長距離高周波通信が1日以上も断絶される被害にあった。

(参考資料:北朝鮮はEMP(電磁パルス)弾を開発していた!

 北朝鮮が今年9月3日に行った6回目の核実験(水爆)の爆発規模は150〜200キロトンだ。この規模の水爆実験を空中でやれば、アラスカやハワイなどで電磁波被害が発生する。旅客機の墜落もあり得る。当然、懲罰として米国の軍事攻撃を覚悟しなければならないだろう。

 しかし、それでも仮に金委員長が本気で太平洋上の水爆実験を計画しているならば、核戦力(核ミサイル)完成のフィナーレとして行うことになるだろう。

 李容浩外相は10月に訪朝したタス通信代表団とのインタビュー(11日)で▲米国との力の均衡を維持する最終目標はゴール寸前にある▲核武力完成の歴史的課業を成功裏に終わらせると発言していることや北朝鮮が再三にわたって「世界は我々がどのように米国を罰するかを、しっかりと目の当たりにすることになる」(外務省声明)と公言し、党機関紙「労働新聞」(10月12日付)も「制裁と封鎖、軍事圧力の策動を水の泡にし、国家核武力の完成目標を我々がどう完成させるか(米国は)自分の目で見ることになるだろう」と予告していることから太平洋上の水爆実験が決してないとは言い切れない。

 昨日、アジア太平洋地域の諸問題を扱うオンライン誌「ディプロマット」は北朝鮮が今月中旬、固体燃料を使ったエンジン燃焼実験を実施したと報じていた。

 実験が日本海に面した東部・咸興で行われたことや、この夏に同じく東部の新浦造船所で潜水艦弾道ミサイル(SLBM)の射出実験が数回行われていたことから新たに開発されたSLBM「北極星3」用のエンジンを試した可能性があると伝えられているが、SLBMによる水爆発射は水爆のミサイル弾頭装着能力が検証されてないため実現性は乏しい。

 むしろ、まだ一度も発射テストされない三段式の大陸間弾道ミサイル「火星13」が液体燃料の「火星12」や「火星14」とは異なり固体燃料を使用すること、また水爆が「火星13号」搭載用であることが8月に金正恩委員長が国防科学院化学材料研究所を訪れた際に確認されていることから「火星13」を使う可能性が考えられる。

 「想像すらできない強力な対抗措置」(外務省声明)を示唆する北朝鮮が「最終手段も辞さない」との決意を固めているならば「太平上の水爆実験」を単なる脅し、ホラと片づけるわけにはいかないかもしれない。

(参考資料:北朝鮮の「史上最高の超強硬対応措置」で米朝軍事衝突は不可避!



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