2016年6月12日(日)

 依然として危険水位の朴槿恵大統領の支持率

朴槿恵大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)


与党「セヌリ党」が大敗した総選挙(4月13日)から2カ月目にして開かれる第20回国会(6月13日)で朴槿恵大統領は久しぶりに演説する。

総選挙で与野党の議席数が逆転した今国会からは多数を制した野党の協力なくしては、朴槿恵政権の法案は一本も通らない。まさに、レイムダック寸前の状態に置かれている。そんな中、韓国の世論調査専門機関である「韓国ギャラップ」は6月7日から9日にかけて全国成人男女(約1千名)を対象に世論調査を実施し、10日にその結果を発表したが、朴槿恵大統領の支持率は31%で、「不支持」が54%。依然として「不支持」が「支持」を大幅に上回っている。

ちなみに安倍政権の支持率は共同通信の調査(6月2−6日まで実施、7日発表)では52.1%、「不支持」は47.9%。安倍政権と比較すると、「不支持率」は6ポイントぐらいの差だが、「支持率」に限っては、20ポイントも開きがある。

朴大統領への「支持」は前週(5月31日から6月2日にかけて実施し、3日に発表)の調査では34%あった。従って、この一週間で3%も減したことになる。「不支持」は前回の54%と変わらない。

朴大統領の「支持率」は総選挙(4月13日)前までは43%もあった。しかし、与党「セヌリ党」が大敗した影響もあって、選挙直後には30%を割り、29%まで下落した。しかし、その後、持ち直し、直近の過去2回の調査ではイランやアフリカ歴訪など外交手腕が評価され僅かながら上昇傾向にあった。それでも、「不支持」は2月の45%から3月に49%と上昇し、4月及び5月には一時58%を記録したこともあった。

支持率が30%台前半ということは、依然としてレイムダック一歩手前の危険なレベルにあることを意味する。まさに「黄色信号」が灯っている。

各政党の支持率では「セヌリ党」が前回と同じ29%。野党・第一党の「共に民主党」は24%で、前回に続いて再び3ポイントの下落。「共に民主党」から袂を分かれた第二野党の「国民の党」は前回の調査では4%アップの21%と、再び20%台を回復していたが、今回の調査では再び4ポイント減らし、17%と落ち込んだ。

一方、注目の次期大統領有力候補に関する調査も同時に実施されたが、トップは潘基文国連事務総長(72歳)で26%、続いて二番手が前回の大統領選挙に出馬し、落選した「共に民主党」の文在寅前代表(63歳)で16%。文前代表は前回の調査よりも2ポイント下落。注目の「国民の党」の安哲秀代表(54歳)は10%で、前回の調査よりも10%の大幅減。ちなみに潘基文国連総長が調査対象になるまでの先月の調査では安代表はトップの座にあった。

この他に朴元淳ソウル市長(61歳)、呉世勲前ソウル市長(55歳)、「共に民主党」の孫鶴圭前常任顧問(69歳)、「セヌリ党」の金武星前代表(65歳)らも候補対象となっているが、6%〜2%といずれも支持は低い。

潘事務総長への支持はセヌリ党の支持者が最も多く46%。また無党派でも26%が潘国連総長を支持し、野党候補に対する支持は10%にとどまっている。潘氏の出馬については、保守政党のセヌリ党を中心に待望論が強いことがわかる。

「韓国ギャラップ」とは別の世論調査会社である「リアルメーター」が調査を行い、6月2日に発表した調査結果では、初めて調査対象に含まれた潘事務総長が25.3%を得て1位となっていた。

潘事務総長は先月末の韓国訪問時に、大統領選に前向きな発言を行い、政界の注目を浴びたが、米ニューヨークの国連本部での記者会見(6月9日)では来年末の韓国大統領選に出馬するかを問われ際には「事務総長の任期遂行中は(ほかに)注意を奪われない」と直接的な言及を控えていた。

潘基文事務総長は犬猿の仲の慶尚道や全羅道出身ではなく、忠清道の大田出身で、ソウル大、ハーバード大を卒。盧泰愚政権下の1990年に外交部北米局長、金泳三政権下の1996年大統領安全担当補佐官を経て、金大中政権下の2001年に外交副大臣、国連大使を歴任。また盧武鉉政権下の2004年には外務大臣を務めた。2006年12月に国連事務総長に当選し、2007年1月から就任。5年任期で今年12月に任期切れとなる。