2017年2月13日(月)

 「北極星2型」の発射はICBM発射の前触れか!

北朝鮮のミサイル発射で緊急会見する安倍総理とトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)


北朝鮮が日曜の早朝にミサイルを発射した。朝起きたら、北朝鮮からミサイルが発射されていたといういつものパターンだ。

ミサイル発射の兆候はあった。金正恩委員長が新年辞で「大陸間弾道ロケット(ミサイル)の発射が最終段階に入った」と言明し、予告していたからだ。

(参考資料:北のICBMを迎撃する?しない?できない?

しかし、今回発射されたのは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではなかった。高度が550キロキロメートルで、飛距離が500キロメートルあったことから韓国は当初は「ノドン」の改良型と発表した。ところが、しばらくすると「ムスダン」の改良型と軌道修正した。ところが、北朝鮮は今朝になって金正恩委員長立会いの下、昨年開発に成功させた潜水艦弾道ミサイル(SLBM)を地上型に改良した中長距離弾道ミサイルの発射実験を行ったとして、このミサイルを「北極星2型」と公表した。

改良型であれ、なんであれ、米本土に届くICBMでなければ、標的にされていた米国にとっては一安心かもしれないが、過去、3年間の北朝鮮のミサイル発射のデーターに基づけば、北朝鮮のミサイル発射実験は一発で終わったためしがない。

北朝鮮は2014年には2月21日に射程190キロメートルの短距離ミサイル「KN−09」4発を発射したのをゴーサインに約一週間後の2月27日には射程距離200km以上の弾道ミサイル4発、3月3日にも弾道ミサイル2発を発射している。2発とも500キロ以上飛行したことから韓国軍情報当局は「スカッドC」と推定していた。翌3月26日にも北方の平安南道・粛川付近から日本海に向けて中距離弾道ミサイル「ノドン」2発を発射していた。

また、6月に入ってもミサイルの発射実験は続き、26日に「KN−09」を3発発射した後、3日後の29日に射程500キロメートルの「スカッドC」を2発発射していた。さらに7月に入っても止めることなく、9日と13日に射程500キロメートルの「スカッドC」をそれぞれ2発発射し、朝鮮戦争休戦協定日の27日にも同じ射程のスカッドを1発発射していた。

一昨年の2015年は2月6日からミサイルの発射が開始され、3月2日に弾道ミサイル「スカッドC」2発、そして5月9日には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験を成功させている。SLBM発射成功を北朝鮮の国防委員会は「軍事力強化で最絶頂を迎えた一大壮挙」と自画自賛していた。

昨年2016年は2月7日に人工衛星と称して長距離弾道ミサイル「テポドン」を3年2か月ぶりに発射したのをはじめ3月10日に「スカッドC」を2発、3月18日に「ノドン」を2発発射している。また4月から「ムスダン」の発射実験に取り組み6月22日、6度目の実験で成功させている。

北朝鮮は昨年1年間だけで弾道ミサイルを20数発発射しているが、このうち「ノドン」は4回にわたって計9発、同じく中距離弾道ミサイル「ムスダン」も合計で8発も発射していた。

(参考資料:ICBM発射はイラクへの武力行使に繋がった7度目の国連制裁決議を招く

ジョンズ・ホプキンス大学のジョセフ・バミューズ米韓研究所研究員は北朝鮮専門ウエブサイト「38North」に日本海に面した元山のカルマ空港に関する現場の衛星写真を分析した結果として「ICBM発射の兆候がある」との記事を載せていた。

しかし、今回のミサイルの発射場は元山のカルマ飛行場付近ではなく、中国寄りの平安北道の亀城市のパンヒョン飛行場付近からであったと韓国は発表している。

仮にデモンストレーションしていたICBMが元山のカルマ飛行場近くの格納庫に納られているならば、再び持ち出して発射する可能性が高い。今回の亀城市のパンヒョン飛行場付近でのSLBMの発射成功は、元山のカルマ飛行場からのICBM発射の前座と言えなくもない。

(参考資料:日米共同開発の新型迎撃ミサイルで北朝鮮のICBMを迎撃?