2008年5月23日(金)

人気急落で李明博大統領が謝罪

 李明博大統領が米国産牛肉輸入問題の不始末で国民に謝罪をした。牛肉問題等で「政府が国民に十分な理解を求め、意見をまとめる努力が不足していた」と国民に謝罪したのだ。大統領就任時にあった72.9%の支持率が25.4%まで急落したわけだから謝罪も止む得ないだろう。

 就任当時拍手喝采だった公約の7%の経済成長率は早くも6%に書き換えられ、深刻な若者の失業問題解消のための300万人の雇用創出は今年は20万人と大幅に修正され、大統領選の勝因となった格差の是正や高齢者の3大苦痛(疾病、困窮、孤独)の解決、さらには不動産投機の抑制も閣僚の多くがソウルの一等地、江南に不動産を所有している「金持ち内閣」(上級公職者の一人当たり平均資産が22億8千万ウォン)の内実が明るみに出ると、さすがに色褪せてしまう。

 大看板の「朝鮮半島大運河構想」(洛東江―漢江)も大統領選挙が終わった途端、与党ハンナラ党から「ノー」を突きつけられる始末だ。ソウル市長時代に東西を走るドブ川の清渓川を市民の憩いのオアシスに復元させたことから大いなる期待がもたれたが、全長7kmの川と、その約65倍にあたる450kmの運河を通すのでは訳が違うというのが慎重論の理由となったようだ。

 李大統領は一週間前に「少し高慢であった。大統領である私自身がすべてをまず変えていく。人に変われと言うのではなく、自分自身がまず変わるようにする」と珍しく謙虚なことを言っていた。

 「ノ・ムヒョウン(前大統領)がやったこと以外ならなんでもOK」と言うことでこれまではすべてが許されてきたが、今後、後任者から同じことを言われないよう李大統領は肝に銘じなければならない。