2009年7月1日(水)

李明博大統領の東京五輪開催支持発言

 韓国の李明博大統領が先週日曜来日し、麻生総理と首脳会談を行い、日帰りで帰国した。日本では5か国協議が注目されていたが、韓国では、李大統領の思わぬ一言が波紋を呼んでいる。

 その一言とは、麻生総理から2016年の夏季五輪の東京誘致に協力を要請された際に思わず「協力する」と発したことだ。

 韓国は現在、冬季五輪と、夏季五輪の誘致に乗り出している。冬季五輪は2018年、夏季五輪は2020年に、江原道の平昌と慶尚南道の釜山がそれぞれ名乗り出ている。2014年冬季五輪をロシアのソチに逆転負けし、後一歩のところで逃した平昌にとっては連続3度目の挑戦で、雪辱に燃えている。釜山は初の誘致である。

 そこで仮に、2016年の夏季五輪が東京に決まれば、夏季も冬季もその瞬間、韓国の可能性は自動的になくなる。五輪の2期連続のアジア開催などあり得ないからだ。

 李大統領は「近い国の東京で開催されることは韓国にとっても良いことだ」と軽い気持ちで応じたそうだが、自分の国での開催の動きは全く頭になかったようだ。

 野党の民主党から「一体、どこの国の大統領なのだ」と揶揄される始末で、人気急落に拍車をかける結果となってしまった。

 大統領選の際の公約であった漢江と洛東江を連結する「大運河構想」もあっさり撤回してしまった。なにかにつけて、「問題発言」の多い大統領だ。