2009年11月13日(金)

北の50発に韓国は4,950発で応戦

 黄海上で10日に起きた南北艦船による銃撃戦に関してその後、幾つかの事実が明らかになった。

 一つは、北朝鮮の警備艇一隻に対して韓国側の応戦した高速艇は当初伝えられていた3隻ではなく、4隻が出動し、対峙したことだ。

 次に、南北双方が発射した砲弾は北朝鮮警備艇の50発に対して韓国側は4隻合わせて約100倍の4,950発。南北の火力は、韓国側が圧倒的に優勢だったことが判明した。

 北朝鮮の警備艇から発射された50発のうち15発が韓国の高速艇に被弾したものの、いずれも14.5mmの小口径だったために韓国側の死傷者はゼロで、破損もなかった。これに比べて、韓国側の40mm砲250発と20mmの機関砲4千7百発により北朝鮮側に4人以上の死傷者が出て、自力で出航した基地に帰還できないほど警備艇は大破したと韓国側はみている。

 韓国国防部は韓国の高速艇が当初発射した砲弾数を200発と発表、その後1千発と修正したが、韓国第二野党・自由党の李会讃総裁が「1千発も撃ちながら、沈没させることができなかったとはなにごとか」と批判したことに韓国軍当局は「撃沈も可能だったが、事態を悪化させないためあえて自制した」と釈明していた。しかし、約4千発も発射していたことが明らかになったことで、最初から撃沈を目指していたのではとの見方が広まっている。

 北朝鮮は昨日付けの労働党機関紙・労働新聞と政府機関紙・民主朝鮮の論評を通じて銃撃戦について、韓国軍の「計画的な挑発行為」と決め付け、韓国側に対し「高い対価を払うことになる」と警告したが、この「高い代価」が「報復」を指すのか、それともいつもの言葉上の単なる「脅し」に過ぎないのか、韓国側は神経を尖らせているようだ。

 現在、韓国は駆逐艦1隻を黄海に展開しているが、昨日新たに4,800トン級の駆逐艦を1隻増派した。これで韓国が保有している6隻の駆逐艦のうち2隻が黄海に急派されたことになる。駆逐艦には艦対艦ミサイルと対空ミサイル、それに127mm艦砲が装着されている。艦対艦ミサイルは150km以内に展開している敵艦を制圧できるそうだ。