2012年1月4日(火)
似たり寄ったりの南北の新年決意
韓国の李明博大統領の新年辞と北朝鮮の労働新聞の恒例の年頭社説は似たり寄ったりの内容となっていた。やはり南北は一卵性双生児だ。
「強盛大国に向け転換の年にする」ことを謳った北朝鮮は人民生活の向上と人民軍の戦闘力の強化に力を入れていた。「労働新聞」から二日遅れで新年メッセージを出した李明博大統領が強調したのも更なる経済成長と安保の強化だった。
北朝鮮は人民軍の戦闘的威力の強化として「戦闘訓練を実戦化する」ことを上げていた。また「我が空と領土、領海を少しでも侵せば、容赦しない」と韓国に警告を発していた。
韓国も国防改革に拍車をかけ「北朝鮮に我々の領土に手を出させないようにする。挑発があれば断固強力に懲罰する」と決意表明していた。
北朝鮮は李明博政権を「戦争下手人」「反統一対決狂信者」「親米好戦分子」と決め付け、韓国もまた「延坪島砲撃事件」を「9.11テロ」と同列し、「朝鮮半島の平和を望む我が民族と世界の熱望に冷水を浴びせた」と金正日政権を激しく批判していた。
しかし、罵倒、非難しながらもその一方で、南北とも相手に対して条件つきながら、関係修復のための秋波も送っていた。
北朝鮮は韓国に対して「対決状態を早期に解消する」ことを呼びかけた。そしてそのためには金大中政権、盧武鉉政権下で交わした「6.15宣言」や「10.4宣言」を尊重し、履行するよう李明博政権に促した。
韓国もまた、「対話の門を閉ざさない」として北朝鮮に対して「核と軍事冒険主義を放棄し、言葉ではなく、行動で平和と協力のため努力しなければならない」と、金正日政権に決断を迫っていた。
今の南北には緊張を緩和し、平和を維持するための自主能力が欠けているため、米中など関係諸国が双方に暴発しないよう積極的に関与する必要がある。
今日から米国のボズワース朝鮮半島問題特別代表がソン・キム6か国協議首席代表を伴って韓国を訪問する、5日には中国、そして6日には日本を相次いで訪問する。
とりあえずは対話に向かってスタートを切ったようだ。