2002年8月10日(土)

「冷戦」から一転「和解」へ

 北朝鮮が突然、韓国に対話再開を呼びかけた。毎年8月15日が近づくと、提案合戦や和解のジェスチャ−が示されていたわけですから今回も決して驚きにはあたらないのだが、何しろ6月下旬の「西海交戦」で沈没した韓国警備艇の引き揚げをめぐってにらみ合いが続いていただけに北朝鮮からの「遺憾の意」と、それに続く閣僚会議再開の呼びかけ、さらには釜山アジア大会への参加表明には「参った」という感じだ。

 強気の姿勢から一転して譲歩を示したことについて朝鮮中央通信は「善意と雅量」を示したものであり、危機の表れでも、弱みがあるからでもないと強弁している。いかなる理由にせよ北朝鮮の決定を歓迎する。

 韓国人にとってはワ−ルドカップが終わり、楽しみがなくなったところに9月8日にはソウルで南北サッカ−試合が、続いて9月29日からは釜山でアジア大会が開かれるわけですから二重、三重の喜びだと思う。W杯で叫ばれた「大韓民国」コ−ルが再現されるのか、それとも「南北統一」がコ−ルされるのか、韓国の国旗「太国旗」と、シドニ−五輪時の「統一旗」のどちらがスタンドに翻るのか、韓国の国歌と、南北首脳会談で歌われた「我等の願いは統一」のどちらが合唱されるのか興味津々だ。