2002年8月14日(水)

「よど号」犯らの引き渡し問題

 「よど号」ハイジャック犯らが日本への帰国の意思を表明し、早ければ年内に戻ってくるかもしれない。どうやら「無罪帰国」は諦めたようだ。代わりに今度は「合意帰国」という言葉を使っている。政治亡命をしたのだから、一般の刑事犯としてではなく、「政治犯」扱いにして欲しいとの言い分のようだ。

 彼らの要求が通るとは思えないが、もし通らない場合は、そのまま北朝鮮に居すわり続けるつもりなのだろうか。北朝鮮外務省は彼らと北朝鮮とは何の関係もない、彼らの帰国問題は自らの意思で決める問題だと言っているが、犯罪人をこれ以上庇護せず、日本に引き渡すべきだ。

 いずれにせよ、彼らの帰国は、北朝鮮からの了解なくして無理」である。北朝鮮が彼らをこれ以上北朝鮮にとどめておくことは何のプラスにもならないと考えているなら、また、北朝鮮がテロ支援国のリストから外れには彼らを退去させるほかない。

 ハイジャック犯らをこれ以上、庇うことは北朝鮮の国益とはならない。第一に、朝鮮総聨ら在日朝鮮人の多くが予てから「よど号」犯らの強制追放を望んでいる。米国からの経済制裁解除のためにはテロ支援国のリストから外れることが必要だ。そしてその前提が日本への引渡しならば、決断べきだ。飢えに喘ぐ2千2百万の国民と4人の「よど号」犯らを天秤にかければ自答えは自明だ。