2002年12月20日(金)

盧武鉉大統領誕生

 韓国の大統領選挙は盧武鉉候補に軍配が上がった。一時は泡沫候補と揶揄された盧次期大統領は金大中大統領と違って決して「準備された大統領」ではない。「アホの坂田」よろしく「バカのノ」との愛称されるほどで風格も威厳も、貫祿もまったくない並の政治家だ。

 歴代大統領の中では最も「軽い大統領」だ。しかし、曲がったことが嫌いな正義感の強い、筋を通すタイプで、芯の強い政治家のようだ。日本の知韓派の中には金大中大統領の後継者であることから盧政権下になっても対日政策はさほど変わらないだろうとの楽観論があるが、誤っている。

 盧氏は韓国の政治家の中では生粋の民族派で、日本に対する視点も厳しいものがある。金大中大統領が前任者の金泳三氏よりも親日派であったことから日韓関係は対日文化開放にみられるように前進したが、若手民族派、それも人権弁護士出身の盧政権に変われば歴史認識問題など諸懸案をめぐって日韓関係は再び「未来志向」から逆戻りするかもしれない。