2002年2月18日(月)

ブッシュ政権の対北原則

 ブッシュ大統領の「悪の枢軸」発言で朝鮮半島に緊張が走っている。金大中大統領はブッシュ大統領の訪韓(2月19日)を機に北朝鮮との対話による問題解決を呼びかけることにしているが、9.11同時多発テロ事件以後、自国の国益、安全保障を最優先させているブッシュ大統領が金大統領のアドバイスに耳を貸すかどうか。

 ブッシュ大統領は、対北朝鮮政策ではクリントン政権の「互恵主義」政策は取らず、「相互主義」(ギブアンドテ−ク政策)を取る方針だと伝えられている。即ち、米国が納得しうる肯定的政策を取れば、それを検証した後にそれに見合った融和政策を取るというもの。簡単に言えば、北朝鮮がミサイル、核、生物・化学兵器、テロ、前線部隊の後方配備問題などで先に行動することを条件としている。

 ブッシュ大統領が前線に配備された北朝鮮の通常兵力の後方移動を対話条件としたその日に金正日総書記がまるで挑発するかのように前線部隊の視察を開始したことをみてもわかるように北朝鮮が米国の「条件付き対話提案」に乗るとは考えにくい。

 米朝関係は金大中大統領の仲裁にもかかわらず今後ますます険悪化しそうな雲行きだ。米国防総省は、近い将来米国が介入する大規模の局地戦争が発生する可能性が最も高い地域として朝鮮半島を上げていた。