2008年6月23日(月)

北京五輪でブッシュ・金正日会談?あり得ない!

 週刊文春に「北朝鮮特集」が載っていた。「小泉元総理変節!『国交正常化なくして拉致解決なし』という見出しの記事と、「独占スクープ 金正日とブッシュ『北京五輪極秘会談』という記事が目を引いた。

 「ポスト胡錦濤」の最有力候補の習近平国家副主席の訪朝の目的の一つが、北京五輪の開会式に金正日総書記を招き、米国のブッシュ大統領と会談させることにあると書いてあった。習副主席が北京五輪の総責任者の立場にあることからこのような「推理」が成り立ったのだろう。

 仮にそうだとすると、これはスクープだが、三つの理由からあり得ない。

 一つは、北京五輪開会式に出席するのは、金英南最高常任委員会委員長である。北朝鮮はすでに中国に通告済みである。そのことは、平壌で行なわれた聖火リレー式典に金英南委員長が出席したことからも明らかだ。

 二つ目は、平壌やワシントンでの米朝首脳会談はあっても、中国など第3国ではやらないということだ。

 三つ目は、ブッシュ大統領に今はその気がないということ。案の定、習副主席は金総書記と面会したものの北京五輪はおろか中国訪問すら要請せずに19日に帰国している。