2013年4月6日(土)

円安に北朝鮮リスク…韓国株価が今年の最安値

 北朝鮮情勢の緊迫化を受け外国人投資家の韓国株・債券売りが加速している。

 ウォンは一時昨年9月20日以来の安値となる1ドル=1123.5ウォンを付けた。0449GMT(日本時間午後2時49分)時点では1119.3ウォンで推移している。

 韓国金融市場が2日連続で大きく揺れた。株価と韓国ウォンがともに下落した。日本銀行(日銀)の攻撃的な金融緩和と北朝鮮の挑発に対する懸念が重なっているからだ。一方、日本株式市場は連日、活気を帯びている。

 5日のKOSPI(韓国総合株価)は前日比32.22p(1.64%)安の1927.23で取引を終えた。これは2月の今年の最安値(1931.77)より低い。一時は1910台をつけた。

 外国人はこの日も韓国株を大量に売った。売越額は6717億ウォン(約570億円)で、2011年9月(6879億ウォン)以来の最高水準。今月の外国人の累積売越額は1兆3800億ウォンを超えた。

 韓国車の大規模リコールの影響も続いた。現代車株が4.35%、起亜車株と現代モービス株も4%以上値下がりした。サムスン電子が期待を上回る1−3月期の実績を発表したが、流れを変えることはできなかった。サムスン電子株は.07%安の150万500ウォン。

 米ドルに対して日本円が大きく値下がりし、韓国輸出株に悪影響を及ぼすという懸念も強まっている。この日のドル・円レートは1ドル=96円34銭。一時は97円台をつけた。韓国ウォンも対ドルで値下がりした。韓国ウォンは前日比8ウォン安の1ドル=1131.8ウォンとなった。昨年9月以来7カ月ぶりのウォン安ドル高水準。北朝鮮の追加挑発懸念と株価の急落も、ウォン安につながった。

 韓国企画財政省のChoo Kyung-ho次官は5日、北朝鮮との緊張関係が金融市場に与える影響について、長期化する可能性があると警告し、安定化のため必要なら迅速かつ強力な措置を講じる方針を示した。