2013年7月21日(日)

素早いFTA(自由貿易協定)戦略

 韓国のETA発効済国:EU シンガポール、チリ、ASEAn,インド、
 韓国のETA署名国:米国、,ペルー
 現在交渉国:中国、日本、ロシアなど。
 ※EUとは韓国がアジアで最初。07年5月に交渉開始。2年2か月で合意。
 EUの経済規模は米国の2倍で、中国に次ぎ第二の経済市場。 EUは米国に比べて工業製品の輸入は総じて高い。薄型TVは14%。自動車は10%。
 鉄鋼業品と農産物にかかっている双方の関税の大半を5年内に撤廃する。
 自動車については、当面自動車車部品にかかっている2.7〜19%の関税が発効と同時に撤廃。排気量1500ccを超える自動車の10%の関税は5年に撤廃する。
 FTAの発効で、工業製品の9割の関税が撤廃。さらに、EUは5年以内に、韓国は7年以内に輸入関税を全廃することになっている。
 経済効果としてGDP{国内総生産}を3%引き上げることができる。
 ※日本はTPPでGDPが2.7兆円(0.5%)増える。
 韓国がEU,米国、中国とETAが発効された場合、輸出が412億ドル増える。逆に日本のこの地域の輸出は112億ドル減少する。
 ※中国とFTAが締結した場合、韓国の高級製品と中間財、部品輸出が増え、貿易黒字は増加する。国内総生産(GDP)が2.3%増加する。その一方で、安価の完成品、農水産物の輸入が増え、韓国の農水産業の打撃を受ける。
 米国とはFTAが2010年12月合意。2012年1月発行(米議会が11年10月法案を可決。韓国も10月中の可決を目指すが、野党は反対。農畜産物が打撃を受けるとして牛肉など農畜産物の関税撤廃の見直しを求める。開城公団の製品を韓国製品として取り扱う問題も残っている)
 工業製品や消費財の95%以上の関税が、5年以内に撤廃。主な合意内容は、以下の通りだ。乗用車は4年後に関税を相互に撤廃。(米国は、韓国車に対する輸入関税2.5%を4年間維持した後に撤廃。韓国は、発効日に米国車に対する8%の輸入関税を4%に引き下げ、これを4年間維持した後に撤廃)
 電気自動車は、韓国(4%)と米国(2.5%)が4年にわたり関税を均等に撤廃。トラックは、米国が7年経過後に関税(25%)を均等に撤廃。豚肉は、韓国が米国産豚肉の輸入関税を2年後に撤廃する。TVは5%。
 韓国の政府系シンクタンク11社の共同分析によると、対米輸出が年平均14億ドル増加し、韓国GDP(国内総生産)は長期的に6%増加すると見込まれている。当初は米韓FTAが成立すれば、718億ドル(06年)→1,100億ドルになると予想されていた。
 ちなみに自動車や家電などの対米輸出(2009年)は、韓国総輸出の10%を占めている。一方、米国は、オバマ大統領の発表文によると、対韓輸出が年間最大110億ドル、雇用が最低7万件増えると予測されている。また、韓国の金融サービス市場(5600億ドル)への参入機会が広がると読んでいる。
 韓米FTA発効が日本に与える影響は、経済産業省よると、日本は2020年までに自動車・家電・機械など対米輸出の機会が1兆5000億円分、関連の国内生産の機会が3兆7000億円分奪われると試算している。特に自動車産業への影響が大きい。韓国がASEAN(東南アジア諸国連合)とインドに続き、EU(欧州連合)、米国とのFTAも発効すれば、世界自動車市場の半分に相当する3000万台の市場で競争不利になる。
 (日本自動車工業会によると、韓国とのFTAやEPAが発効・合意した国の自動車市場の規模は3510万台。日本の570万台を大きく上回る。
 経済産業省(昨年出したTPPの試算)では、日本がTPPも、EU、中国とのFTAも結べず、韓国が米国、EU,中国とFTAを結んだ最悪のシナリオの場合、日本の実質国内総生産(GDP)は10.5兆円減り、81万人の雇用を失う) ※778%、バター360%、牛肉38.5%、TPP加入すれば、食糧自給率は39%から13%に減少する。
 現在現代自動車は2位に躍り出た