2013年8月20日(火)

金剛山観光客射殺事件後の経緯

2008年
7月11日
  韓国人女性観光客が金剛山で北朝鮮の警備兵に射殺される。
韓国政府は事件の真相が明らかになるまで金剛山観光の暫定中断を決定。 また。北朝鮮側に真相究明のための韓国調査団の受け入れを要求。
7月12日
  北朝鮮(名勝地総合開発指導局)は事件について「遺憾の意」を示しながらも、 「事故の責任は韓国にあり、韓国はふさわしい責任を取るべきだ」として韓国に謝罪と再発防止策要求。 また、「一方的に金剛山観光の暫定中断を決めたことは北朝鮮に対する挑戦だ」と韓国側の調査は許容できないと主張した。 「韓国が今回の事件をきちんと謝罪し、再発防止策を整えるまでは韓国側観光客を受け入れない」と通告。
7月16日
  李大統領 国務会議で事件について「真相究明のための合同調査と再発防止対策、 確実な観光客身辺安全のための保障措置がなされなければ金剛山観光は再開できない」と言及。
7月18日
  韓国政府は事件の真相究明まで@金剛山観光の中断A軍通信線改善のための装備や資材(31億ウォン)、 金剛山離散家族面会所内部装備や部品の提供(総額41億ウォン)の中断A世界食糧計画(WFP)を 通じた食糧支援の中C最悪の場合、開城観光の中断などの方針を決定。
8月3日
  金剛山地区軍部隊代弁人が「金剛山韓国地区在留の必要な韓国人員の全員追放」を発表。
8月10日
  金剛山観光地区在留の不必要な韓国側要員を追放。
12月1日
  北朝鮮が海上観光中断と京義線陸路通行制限。

2009年
3月30日
  現代峨山会社員が北朝鮮体制批判発言で身柄拘束。
8月10日
  現代財閥会長訪朝。
8月13日
拘束者が解放される。
8月16日
   現代財閥会長が金正日総書紀と会談。(1)南北間の陸路通行制限の解除(2)金剛山観光を早期に再開、 北朝鮮は安全などを保障(3)開城観光を直ちに再開、開城工業団地事業を活性化(4)白頭山観光の推進 (5)今年10月の秋夕(中秋)に南北離散家族再会を実施−の5項目で合意。
8月20日
   北朝鮮が、昨年12月1日から施行してきた韓国側人員に対する陸路通行・滞在関連の制限措置を 21日付で解除すると、韓国に通知。
8月21日
  金大中元大統領の死去を受け、北朝鮮の金己男・朝鮮労働党書記や金養建・党統一戦線部長兼 アジア太平洋平和委員会委員長ら北朝鮮の弔問団6人が訪韓。
8月23日
  北朝鮮弔問団が李明博大統領と会談。
8月26日
  北朝鮮と韓国の赤十字社は26日、離散家族の再会に向け、2年ぶりに協議を再開。 韓国側の離散家族100人は、9月26日から28日にかけて金剛山を訪問し、 北朝鮮に住む家族や親類らと再会する。次いで同月29日から10月1日には、 北朝鮮側100人が同じく金剛山で韓国在住の家族に再会。
9月1日
   北朝鮮が昨年12月から一方的に行っていた北朝鮮の開城工業団地や金剛山と韓国側との南北間陸路通行この日から正常化。
9月17日
  韓国と北朝鮮は板門店連絡官を通じ、秋夕(旧盆)に行われる南北離散家族再会行事の参加者名簿を交換。
11月10日
  韓国西方の黄海上で北朝鮮海軍警備艇と韓国海軍高速艇との間で交戦。北朝鮮側8人死亡。 北朝鮮人民軍最高司令部は銃撃戦について韓国当局に謝罪を要求。

2010年
3月26日
  韓国哨戒艦沈没事件発生。
4月23日
   北朝鮮が政府と韓国観光公社が所有する金剛山の不動産に「没収」の紙を張る。現代峨山など韓国企業の観光施設も凍結。
5月24日
  韓国が北朝鮮に交易と交流の中断を含む経済制裁措置を発動。
11月23日
  延坪島砲撃事件発生。

2011年
4月8日
   朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官は韓国の現代グループに与えている金剛山観光事業の 独占経営権を取り消すとの談話を発表。
8月22日
  北朝鮮は韓国の金剛山の財産権(4,841億ウォン)を法的処分。
9月19日
   ハンナラ党のカン・スンギュ議員が「韓国政府及び公共機関の資金が1,200億ウォン、 現代峨山などの民間投資が3,600億ウォンなど全部合わせて4,800億ウォンの資産が 金剛山開発に投資された。2052年までの独占権確保のため投資した9億4,200万ドルを 合算すると、金剛山地域への韓国の財産権は合計で1兆5千億ウォンを超える。」との資料を配布。

2012年
3月13日
   北朝鮮が「金剛山特区」開発計画を確定し、大規模投資と観光客の誘致に乗り出す。 総額で86億ドルを誘致し、5年かけて金剛山地域にホテルと国際免税区域、国際リゾートセンター、 国際金融センター、国際フードセンター、ゴルフ場などを建設する計画。
6月13日
   韓国の柳佑益統一部長官は「北朝鮮が観光客の身辺の安全を確実に保障する措置を取るなら、 再開を前向きに検討する」と発言。
6月18日
   北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会が運営するウェブサイト「わが民族同士」は 金剛山観光について、「国際観光特区法を制定して金剛山に不動産を置いている韓国企業らが 新しい観光事業に参加できる道を大きく開いている」と主張。
7月11日
   韓国現代経済研究所が「国民の67.8%が金剛山観光再会を希望している」との世論調査結果を公表。
7月31日
   身辺安全を保障すれば金剛山観光の再開も可能だとする趣旨の韓国統一部長官の発言に対し、 北朝鮮は「金剛山観光事業を完全に駄目にした責任を逃れるためのもの」と非難。北「わが民族同士」は この日の論評で、「(韓国の)現政権が観光客射殺事件を機に観光を一方的に中断させた。 責任は全て南朝鮮(韓国)の保守当局にある」と主張。
8月3日
   現代グループの故鄭夢憲元会長の9周忌に合わせた追悼行事を北朝鮮の金剛山で行うため、現代峨山の役員14人が訪朝。
8月6日
   南北協力による観光事業が行われていた北朝鮮・金剛山地区にある韓国側所有のレストランや免税店を使い、 北朝鮮が観光事業をしていたことが確認。

2013年
2月22日
   シンガポールのクルーザー「皇盛号」が北朝鮮北東部に位置する咸鏡北道の羅津港で進水式。 羅先特別市と南東部の金剛山の観光促進及び、羅先経済貿易特区の発展のため「皇盛号」は 中国人観光客を誘致し、羅津港と金剛山を往復する。
3月17日
   金剛山観光特区事業に課税法規を制定。課税対象については、「特区内で経済取引をしたり、 所得を得る企業および個人」とした上で、「外国人や韓国人、海外同胞が投資した企業」と明記。 現代峨山は非課税が認められており、観光客1人当たり50ドル(4760円)を支払いのみだった。
4月11日
   東亜日報は、北朝鮮が稼働を中断した南北経済協力事業の開城工業団地の事業権を、第三国に委任することを 慎重に検討していると報じる。
5月21日
   シンガポールの観光船「皇星号」を利用した金剛山の外国人向け観光ツアーが始まる。 船は18日に北朝鮮北東部の経済特区、羅先の羅津港を出発。20日に金剛山近くの江原道・高城港に到着した。 中国人ツアーは「九竜の滝」など金剛山周辺の名所旧跡を観光。
8月22日
  北朝鮮が金剛山観光事業再開のための実務協議を提案