2017年10月22日(日)

 韓国でまたまた米国人の疎開訓練!ハワイでは核攻撃に備えた退避訓練!

昨年11月の駐韓米軍家族の日本への脱出訓練



 駐韓米軍が明日(23日)から27日までの5日間、韓国在留の米民間人の疎開訓練を開始する。

 米軍機関誌「スターズ&ストライプス」(星条旗)などによれば、訓練期間中に米軍家族や大使館職員ら非戦闘員は集結場に集合し、有事の際の行動マニュアルや退避手続きに関する説明を受けることになっている。

 今回の参加人数、規模は明かにされてないが、米軍家族や駐韓米大使館職員及びその家族らが参加するものとみられている。疎開命令は国務省が出すが、実行するのは国防省(軍)である。

 駐韓米大使館では「米軍基地のあるところでは世界のどこでも行っている定期訓練の一環で、特定の安保状況とは無関係である」とのコメントを出しているが、トランプ大統領が今の朝鮮半島の状況を「嵐の前の静けさ」と表現し、最近ではCIAのポンペオ長官が「北朝鮮は数か月後には米国を攻撃できる核ミサイルを完成させる。時間は残されてない。北朝鮮が目標に達成する前に行動しなければならない」(19日)と不気味な発言を行っていることから疎開訓練は対北先制攻撃の前触れではないかとの情報や噂が駆け巡っている。

 米国は軍事攻撃を開始する前には自国民の被害を最小限にするため前もって紛争地域から疎開させるからであす。実際にクリントン政権下の1994年6月に北朝鮮への核施設への先制攻撃を決断した際も米政府は駐韓米大使を通じて米国人の国外避難指示を出していた。

 駐韓米軍は昨年から本格的に韓国在住の米市民を安全な地域に輸送する「非戦闘員救出作戦(NEO)訓練」を行っている。有事の際、旅券など書類を持ってソウルの龍山基地など韓国全土に散在している集結場所や退避統制所に集まる非戦闘員(米軍兵士の家族など民間人)らを航空機や鉄道、船舶で安全に退避させることが訓練の目的である。

 昨年10月から11月にかけて行われた訓練ではソウル市龍山区にある米軍基地で身元確認の腕輪を渡され、保安検査の手続きが行われた後、一部は輸送ヘリで南方の京畿度・平澤に移動した後、大邱にある米軍基地で一泊し、翌日C―130輸送機で釜山にある金海空軍基地から日本の沖縄基地に運ばれていた。

 今年6月(5〜9日)に行われた訓練では1万7千人以上が参加したが、韓国に居住している米国人が約20万人だとすると、およそ十数人のうち一人が参加した計算となる。

(参考資料:朝鮮半島有事に備えた在韓米国人の国外脱出訓練が始まった!!

 各集結所では有事時の行動マニュアルや行政手続きの説明が行われた。退避は荷造り、登録、ソウルから南方への移動、そして国境越えと段階的に行われた。避難の際の各自の所持品は最大で27kgに制限されていた。この時の訓練では約100人以上が実際に輸送機に搭乗して、日本に疎開する訓練を受けていた。

 韓国だけでなく、北朝鮮のICBM「火星14号」の標的となっているハワイ(人口140万人)でも「米国の声」(VOA)が20日に放送したところでは、来月(12月)から月1回、全域で約15分間、避難訓練が実施される。それも、現地の「ハワイニュースナウ」(21日)によれば、15キロトンの核爆弾がホノルル上空300メートルで炸裂した場合に備えた避難訓練である。

(参考資料:シミュレーションされた北朝鮮の核使用による日韓の被害状況

 米国が冷戦後、敵国の核攻撃に備えた非常訓練を行うのは今回が初めてである。ハワイではこの種の訓練を1990年代前半まで毎月やっていたが、ソ連崩壊により冷戦が終結したことで中断していた。

 ハワイ州当局は「北朝鮮が核ミサイルを事前予告なく発射することもあり得る。米太平洋司令部は北朝鮮のミサイルを探知できるが、迎撃に失敗するかもしれない」として先月(9月)ハワイ州国防省傘下非常計画局(Hawaii Emergency Management Agency)がA4サイズ40枚に上る「北朝鮮核ミサイル退避住民指針書」を作成していた。 指針では各自が持参する生存リュックサックに14日分の食事と水、無線機、呼ぶ笛、防水布、毛布、少額の現金などを入れるようにしておくことなどが指示されている。

 ハワイ州はすでに今年7月に北の核攻撃に対処する「攻撃警報システム」をつくっている。警報が鳴れば、コンクリート造りの退避所に逃げ、14日間籠城するのが主な内容となっている。ハワイとグアム、マリアナ諸島は北朝鮮問題で共同対応することにしているが、ハワイで取られる措置はグアムでも取られる。

 北朝鮮から7500kmの距離にあるハワイ州は北のミサイルが発射されて、到達するまで約20分かかる。北のミサイルがハワイに向かっていることを米太平洋司令部が住民に知らせるまで5分かかっても、2〜3分しかない日本と違い、ハワイ住民は避難するまで15分前後の時間的余裕がある。

 北朝鮮は米国が先制攻撃すれば、最終兵器である核の使用も辞さないと再三にわたって公言していることからトランプ政権が核戦争への対応もしているのは公然たる事実である。

 米国の外交安保専門誌「フォーリンポリシー」によれば、合同地域情報センター(JRIC)は9月に関連機関に「核攻撃対応考慮事項」(Nuclear Attack Response Considerations)という題の秘密文書を配布している。

 JRICはロサンゼルス地域の連邦、州、地域政府の関連機関がテロ、安保、災害関連情報を交換し、対策を話し合う機関である。

 文書は米ランド研究所(RAND)の報告書を引用し、「ロングビーチ(ロス南側の湾岸都市)に核爆発が起きた場合、1兆ドルの人命、財産、施設の被害が発生する」とのシミュレーションのほか、「地面に伏せて、手を体の下に置く。熱と衝撃が過ぎ去るまでは動かないこと」など核攻撃時の生存要領も知らせている。

(参考資料:トランプ大統領は米議会の同意なく北朝鮮を攻撃できるか