2019年7月29日(月)

 韓国の「反安倍ろうそくデモ」は「朴槿恵弾劾ろうそくデモ」の規模まで拡大するか!?


 世界第3位の経済大国・日本に対してWTO(世界貿易機関)提訴以外に対抗すべき術のない韓国人の反発と苛立ちは日本製品ボイコット運動からついにデモに発展した。

  (参考資料:経済では韓国は日本に太刀打ちできない! )  

 一昨日の土曜日、ソウル中心部の光化門広場で日本を糾弾する「ろうそく集会」が開かれた。この日集まった集会参加者は主催者発表で5千人。警察発表がないので正確な数は不明だが、映像で見る限り、2割程度水増ししている感も否めない。聞けば、主催者には596の市民団体が結集しているとのことだが、仮に5千人だとすると、一団体からの参加者9人という勘定になる。一般市民の集会というよりも文在寅政権を支持する団体活動家らの集会と言っても過言ではない。

 また、「歴史歪曲、経済侵略、平和威嚇の安倍糾弾2次ろうそく文化祭」という看板を掲げていることや「親日積弊清算しよう」とか「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)廃棄しよう」などの政治スローガンが叫ばれているところを見ても、自然発生的に沸き起こった一般市民の集会、デモという感じはしない。

 しかし、主催者が何であれ、過去に慰安婦問題や元徴用工問題で日本大使館や釜山領事館前で開かれた集会やデモでは数十人程度、最大でも100人程度しか集まらなかったことを思うと、明らかに過去の「反日デモ」よりも質もスケールも違うことがわかる。また、規模は不明だが、忠清道の大田や春川、慶尚道の釜山、蔚山などでも同様の集会が開かれたようだ。

 ソウルでの集会では参加者らは片手にろうそく、片手に「NO安倍!」「強制労働謝罪せよ」などと書かれたプラカードを持ち、「安倍を糾弾する」などのスローガンを叫んだそうだ。今から3年前の朴槿恵大統領弾劾の引き金となったろうそくデモの再現である。片手に「NO朴槿恵」「慰安婦合意を謝罪せよ」などのプラカードを持ち、「朴槿恵弾劾」を叫んだスタイルと酷似している。

 主催者によると、今後、毎週土曜日この種の集会を続け、8月15日の光復節(日本の植民地支配から解放された日)には大規模集会を開く予定とのことだが、朴槿恵前大統領に抗議し、退陣を求めた3年前の土曜ろうそくデモは、主催者発表で1回目が2万人(警察発表9千人)規模だった。

 韓国では通常、警察発表と主催者発表を足して2で割った数が正確と言われるが、その計算で行くと、1回目の参加者はおよそ1万4500人程度と見積もられる。今回の「反日ろうそく集会」はその約3分の1程度でスタートしたことになる。

 「朴槿恵弾劾ろうそくデモ」は2回目が20万人(警察発表4万5千人)、そして3回目が100万人(26万人)と膨れ上がったが、回を重ねる度に万単位から数十万、さらに百万単位まで膨張した最大の理由はデモを傍観していた野党3党がそろって参加を決めたこと、これに一部与党議員も加わり、労働者、農民、大学教授、芸術家、音楽家、映画界、文化人、大学生、高校生、さらには若い主婦までもがベビーカーを引いて参加したことにある。老若男女の一般市民が石を投げ、鉄パイプを振るうなど過激な行動に走ることなく「平和デモ」に徹したことが共感を呼び、最後は100万人を超える集会、デモにまで発展した。

 韓国の近代史は李承晩政権を倒した学生デモ(1960年)、全斗煥軍事政権を退陣に追い込んだ民主化デモ(1987年)に象徴されるように国民大衆のデモによって時代を変えてきた。

 民主化の実現によって学生を中心とした民衆デモは著しく減少したが、それでも2008年には米国からの狂牛病輸入(米国産牛肉輸入)問題をめぐっては1ヶ月以上にわたって連日デモが行なわれ、最大で70万人に膨れ上がったこともあった。

 国民生活に直結する問題、即ち食の問題でこれほど長期間にわたって、それも70万人まで膨れ上がったことを考えると、日本の対韓輸出規制が一般庶民の生活に影響を及ぼすことになれば、11年前の再現もないとは断言できない。

 今後、日本の輸出規制に反対する「反安倍デモ」がどれだけの規模となるかは予測が付かないが、次の土曜集会が韓国をホワイト国から外す閣議決定の翌日にあたることから集会・デモ参加者が一気に増えることが予想される。そのことは「日本のものは買わない」「日本には行かない」を合言葉にした日本製品不買運動が野党を中心に一部で自制を求める声も上がっているが、40%台から50%台、そして60%台(最新世論調査では6.58%)と一週ごとに跳ねあがっていることからも窺い知ることができる。

  (参考資料:「線香花火」で終わりそうにない韓国の日本製品不買運動 「若者層」が圧倒的に支持 )