2019年10月12日(土)

 ノーベル賞「27個の日本」と「1個の韓国」の差はどこから来る?


 スマートフォンなどに広く使われるリチウムイオン電池を開発したことで旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞した。ノーベル賞全体で日本人としては27人目だ。

 内訳は化学が8人、物理学が11人、生理・医学が5人、文学が2人、平和賞が1人。2014年以後は毎年受賞者を出しているから凄い。

 知的レベルの結晶こそが技術力である。考えてみると、乾電池を発明したのは日本人だった。明治時代の屋井先蔵という人が寒冷地でも使用可能な電子として発明したのが乾電池の原型である。

 ノーベル賞とは関係ないが、CDも、光ファイバー、カーナビも日本から生まれ、世界に広がった発明品である。ちなみにインスタントラーメンも、レトルト食品も、カラオケも日本発である。カラオケの発明者は米国の「タイム」誌で「20世紀で最も影響力のあったアジアの20人」にも選ばれていた。

 サムソンの携帯電話を分解すると、多くの日本製部品が使われていることがわかる。例えば、偏光板用保護フィルムから高精細パネル向けガラス、ジャイロセンサー、電子コンパスなど多くの日本製部品が使われている。

 発明、開発には地道の研究が必須だ。簡単な話、強靭な忍耐力を必要とする。ということは、総じて日本人は我慢強いということなのかもしれない。

 確か、今から約40年前、日本で「おしん」というテレビドラマが一世を風靡したことがあった。貧しさから奉公に出された少女がいじめ、姑との確執、戦争など度重なる不運に見舞われながら成長していく物語で、最高視聴率62.9%、平均視聴率52.6%をたたき出した桁外れの「お化け番組」だった。視聴者は幾多の苦難にもめげず、問題を乗り越えていくおしんの我慢強さ、前向きな姿勢に胸を打たれのだろう。

 海外でも放映され、中国をはじめ、台湾、ベトナムなどアジア各国、さらにはエジプト、イラン、ジャマイカでも大人気を博した、おそらく世界で最も知られた日本のテレビドラマだったような気がする。

 「おしん」だけではない。昔は毎年暮れになると、定番の「忠臣蔵」が放映されていた。殿の仇を取るため世間から何を言われても、耐えに耐え、最後は本懐を遂げる大石内蔵助ら赤穂家臣らの生きざまに相通じるところがあったのだろう。

 当時、韓国は日本の文化の輸入を禁じていたので、「おしん」も「中心蔵」も放映されることはなかったが、仮に放映されていたならば、どのような反応を示しただろうか?何事の性急な、早く結果を出さなければ気が済まない韓国人に果たして受け入れられただろうか?

 日本ではテレビのグルメ番組で「行列のできる店」がしばしば放映されるが、日本人は美味しい店、評判の店と聞くと、長蛇の列をなしてでも順番を待つ。韓国人はいくら美味しくても、並んでまで食べたいと思う人がどれだけいるだろうか?お目当ての店に行列ができていれば、おそらく躊躇うことなく、別の店に行くのではないだろうか?

 寿司職人にかかわらず、日本では10年から15年やってようやく一人前という職が数多い。

 かつてソウルで日本料理屋を開いていた知人が約15年滞在中に「60人以上の韓国人を採用した」と言っていたのを思い出した。一人前の板前に育てようとしたが、一人として長続きせず、聞けば60人のうち1年間堪えたのは2〜3しかいなかったそうだ。

 「初めは仕入れで日本に行く時、勉強になると思って日本に連れて行ったりしたが、日本に研修に行って、少し経って辞めるケースが多い。少し修行すると、一人前のつもりになって店を出したりするわけです」

 韓国は今年も受賞者が出なかった。これまでに韓国が取ったのは2000年に金大中大統領が受賞した「平和賞」1個だけだ。

 ノーベル賞受賞者の選定を控え、韓国研究財団は今年、独自に十数人の候補の名を挙げていたことで韓国民の中には「今年こそ」との期待もあったようだが、全滅だった。いつになったら、「当選者」が出るのだろうか?