2019年10月5日(土)

 「北朝鮮の非核化」に韓国民の半数が懐疑的!「金正恩釜山訪問」は約7割が賛成!


 北朝鮮の非核化をめぐる米朝実務協議がスウエーデンのストックホルムで始まった。米朝首脳会談の年内開催に繋がるかどうか、日米韓のみならず国際社会も熱い視線を送っている。米国は一括方式であれ、段階的であれ、究極的には完全で、検証可能で、不可逆的な北朝鮮の非核化を目指しているが、予断を許さない。

 北朝鮮は米国が敵視政策を放棄し、北朝鮮の体制、安全を保障すれば、非核化を履行すると公言しているが、38度線で北朝鮮と対峙している韓国はどうみているのか?

 韓国の「京郷新聞」と韓国世論調査機関の「韓国リサーチ」が9月29日〜31日まで行った世論調査によると、回答者の47.4%が「北朝鮮は非核化しないだろう」と回答。「非核化する」の回答は1割の10%に過ぎなかった。但し、40.6%が「米国の対応にかかっている」と、北朝鮮の非核化は米国の対応次第とみていた。

 文在寅政権が期待を寄せている金正恩委員長の「韓国・ASEAN首脳会議」(11月末に釜山で開催)への出席については68.3%が「賛成」、25.7%が「反対」。昨年の世論調査では金委員長のソウル訪問に国民の86.6%が「賛成」していた。

 なお、インターネットメディアの「デイリアン」が約半年前の3月に行った調査結果(3月13日)でも国民の10人のうち6人は「北朝鮮の非核化は信用できない」と回答。「信用できる」と回答したのは38.7%。

 北朝鮮の「非核化」関連では1年前(2019年8月〜9月)に現代リサーチ研究所が韓国国防部傘下国防大学(国立大)の依頼を受け、成人男女1200人と安全保障問題の専門家60人を対象に世論調査を実施していたが、南北首脳会談やシンガポールでの米朝首脳会談後ということもあって北朝鮮の非核化への意志については一般国民では48.8%が、専門家では51.7%が「本気」と受け止めていた。

 但し、非核化の時期については51.8が「10年後」、25.8%が「10年以後も不可能」と回答していた。

 国民の半数以上は北朝鮮の早期核廃棄について悲観的であるが、専門家では「5年から10年内に可能」との楽観的な意見が30%もあった。

 また、朝鮮半島の統一展望については約3分の1の27.9%が「30年後以後」と答えていたが、専門家では35%が「20年内に可能」と回答していた。

 さらに、駐韓米軍については「韓国の安全保障にとって重要である」との回答は一般国民では77.8%、専門家では95%が米軍の駐屯を評価、肯定していた。米軍が削減された場合、「対北抑止能力が低下する」と思っている国民は54.3%、専門家は65%。「米軍が撤収すれば、北東アジアは不安定になる」とみなしている人もそれぞれ、53.2%、85%に達していた。

 駐韓米軍については40.3%の国民が「統一するまで駐留すべき」と答え、また、専門家の48.3%に至っては「統一後も駐屯すべき」と回答していた。

 トランプ政権が北朝鮮の非核化を誘導するカードとして米韓合同軍事演習の中止や縮小を提示していることについては国民、専門家それぞれ70%以上が「演習は必要」と、反対していることがわかった。