2020年8月19日(水)

 防戦一方の「コロナ感染対策」! 韓国は事実上「緊急事態宣言」状態!

マスクをする文在寅大統領(青瓦台HPから筆者キャプチャー)


 新型コロナウイルスが首都圏を中心に再び感染拡大したことから韓国政府はソウル、京畿道、仁川で本日(19日)からソーシャルディスタンス(社会的距離の確保)を第1段階から第2段階に引き上げた。これにより室内は50人以上、室外は100人以上が集まる会合、集会、行事はすべて今月30日まで禁止される。

 博物館、図書館、美術館など公共施設、社会福祉施設や児童館などは休館。学校は登校人数を制限して授業を行う。遠隔授業も並行させる。会社はテレワークにシフトし、出社の場合は時差通勤を徹底させる。

 展示会、コンサート、結婚式、同窓会、祝賀会、パーティ、講演、採用試験や資格試験なども禁止される。野球、サッカーも再び無観客試合となる。先月26日に観客を入れたばかりの野球は僅か20日で無観客試合に舞い戻る。教会はオンライン礼拝のみ認められる。

 ソーシャルディスタンスの第2段階はすでに16日から引き上げられていたが、営業は許可されていた。しかし、感染経路不明者が増大し、感染者が200人台に急増したこともあって営業も禁止されることとなった。クラブ、ルームサロンなど遊興施設、カラオケ店、居酒屋、ジム、ダンス教室、ビュッフェ、インターネットカフェなどが規制対象となる。

 一般の飲食店、映画館、銭湯、サウナ、室内の体育施設、葬祭場などは運営できるが、「室内50人以下、室外100人以下」を遵守し、出入者の名簿作成などの防疫規則を遵守しなければならない。

 「集合・会合禁止」命令を違反すれば、感染病予防法に基づき300万ウォン(日本円で約27万円)の罰金が科せられるだけでなく、仮に感染者が発生した場合、入院費、治療費、防疫費用を請求されることになる。

 仮に第2段階で制御できなければ、第3段階に移行するが、第3段階では10人以上の行事や会合が禁止される。すべての公共施設は運営を中止し、民間施設も感染リスクが高いと指定された業種だけでなく、銭湯や学習塾など中程度のリスクと指定された施設も運営中止を余儀なくされる。レストランなども夜間営業を中止しなければならない。学校は休校または遠隔授業となる。当然、国民生活と庶民経済への衝撃は避けられない。

  (参考資料:「コロナ」で膨らむ韓国の借金 負債は71兆円に増大 国民一人当たり138万円の借金

 第3段階への移行基準は▲2週間の感染者数が一日平均100人から200人以上▲新規感染者数が前日より2倍に増加するケースが1週間に2回あった場合に医療体制、社会・経済的コスト、地域の特性などの要素を考慮して防疫当局が実施を決定される。

 韓国中央防疫対策本部によると、昨日(18日)の韓国の新規感染者は前日から297人増えた。このうち250人が首都圏。内訳はソウル151人、京畿度99人となっている。

 韓国の感染者は8月初旬までは平均20人台から40人台で推移していたが、直近の1週間は56人(12日)、103人(13日)、166人(14日)、279人(15日)、197人(16日)、246人(17日)、297(18日)と6日連続で三桁台となっている。一週間合計で1344人。韓国の累計の感染者数は1万6058人なので約11分の1にあたる。

 ちなみに15日(279人)は3月8日(366人)以来、最多だったが、昨日の感染者数(297人)はそれをさらに上回ってしまった。

  (参考資料:「コロナ」がぶり返し、再び「厳戒態勢」に入ったソウル