2020年12月18日(金)

 北朝鮮 党大会の開催は元旦?それとも誕生日の1月8日?

金正日総書記の命日(17日)に錦?山宮殿を参拝した金正恩委員長(労働新聞から)


 今年も残り2週間だ。一部では元旦開催まで取り沙汰されている第8回労働党大会の日取りがまだ決まっていない。「コロナ収束」の目途が立たず苦慮しているのかもしれない。

 北朝鮮は4か月前(8月19日)に党中央委員会第7期第6回全体会議を開き、「来年1月に第8回党大会を開催する」ことを決定していた。開かれれば、2016年(5月6−9日)の第7回大会以来、4年8か月ぶりとなる。

 第7回大会の開催が決定したのは前年の2015年10月30日。約7か月前だった。 そして、日取りが発表されたのは開催9日前の4月27日だった。 党政治局の名で「5月6日に開催する」と朝鮮中央通信を通じて伝えられた。

 北朝鮮が日程を公式発表するまで韓国では5月7日が有力視されていた。韓国の情報機関「国家情報院」が4月2日に開かれた国会情報委員会で「5月7日の土曜日に開催される」と報告したからだ。

 しかし、党大会が土曜日に開催された前例がないこと、また過去3回(3回、4回、5回大会)が月曜日に開かれていたことから同時に「5月2日」説も流れていた。特に第6回大会が「100日戦闘」の最終日に開催されていたことから「70日間戦闘」の終了日の5月2日を有力視する声が多かった。しかし、蓋を明けてみると、2日の月曜日でも、7日の土曜日でもなく、6日の金曜日だった。

 昨年12月末(28―31日)の党中央委員会第7期5次全員会議は 朝鮮中央通信が12月4日に党中央委員会政治局常務委員会の決定(12月3日)に基づき「重大な問題を討議決定するため12月下旬に開催する」と 予告してから3週間後には開催されていた。

 金正恩委員長は政権を発足させた2012年から毎年肉声による新年辞を発表していたが、今年の新年辞はこの党中央委員会第7期5次全員会議の最終日(31日)に行った金正恩委員長の結びの言葉(演説)に取って代わられた。こうした前例からして 党大会を仮に元旦(金曜日)に開催すれば、党大会の演説が新年辞代わりとなる。 ちなみに労働党創建日の10月10日から展開中の「200日間戦闘」は12月30日に終了する。

 通常、党大会開催の20日前に道・直轄市の代表者会があって、党大会一週間前までに召集公示が出ることになっている。道・直轄市代表者会→招集公告→代表ら平壌到着という手順だ。

 北朝鮮はすでに1月下旬に最高人民会議の開催を決定している。党大会はその前に開催されるのが通例である。

 仮に元旦もしくは、初旬に党大会を開催するならば、前例からして平壌市を含む支部党大会を開いてなければならない。というのも、第7回大会の時は平壌市代表者会が17日前の4月19日(〜20日)に開かれ、党大会に送る代表らの選挙が行われていたからだ。

 今回は新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため支部大会を開かず、代表者を選ぶことも考えられなくもないが、通常ならば、党支部大会が遅れれば遅れるほど党大会の開催もそれに合わせて伸びることになる。支部大会が開けない理由が「コロナ感染」にあるならば、「1月開催」は難しいかもしれない。

 しかし、予定どおり「1月開催」ならば、周知のように 北朝鮮にとってのラッキーナンバーは「9」である。まさかとは思うが、数字を足して「9」となる金委員長の誕生日にあたる1月8日(金曜日)の開催の可能性はないだろうか?

 前回大会もわざわざ1年ずらして「2016年」に「36年」ぶり開催されていることから今回も縁起を担いだとしても不思議ではない。

 どちらにしても、党大会を1月に予定どおり開催するならばもうそろ動きがあっても良さそうなものだ。