2020年2月1日(土)

 韓国の次期大統領候補に尹錫悦検察総長が急浮上! 最新世論調査で判明!

次期大統領候補NO.2の尹錫悦検察総長(韓国検察庁のホームページから)


 韓国の世論調査会社「リサーチ&リサーチ」が日刊紙「世界日報」の委託により先月末に行った世論調査の結果、次期大統領に相応しい候補として尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が野党陣営の最有力候補だった野党第1党「自由韓国党」の黄教安(ファン・ギョアン)代表を抜いて2位に躍り出た。

 4位は第2野党「明るい未来党」を脱党して「新しい保守党(新保守党)」を結成した劉承眠(ユ・スンミン)院内代表で、尹検察総長の半分以下の4.4%。「明るい未来党」の設立者でもあり、現在新党結成を模索している米国帰りの安哲秀(アン・チョルス)氏は5位の4.3%。

 「リサーチ&リサーチ」の調査は先月(1月)26日から28日まで全国有権者約1千人を対象に行われたが、1位は依然として与党「共に民主党」所属の李洛淵(イ・ナギョン)前総理で32.2%。保守地盤の慶尚北道・大邱以外の全地域でトップを占めていた。

 2位が尹検察総長で、10.8%。10.1%の黄代表を0.7%上回った。無党派層支持では15.8%と最も多く、また中道層でも黄教安代表よりも5.6ポイントも多い、11.9%。

 「新しい保守党」の支持層からも28.9%の支持を得ており、同党の柳院内代表(29.2%)とほとんど差がなかった。「自由韓国党」の支持層でも20%に近い19.6%の支持を得ていた。

 尹検察総長の急浮上には政権に忖度することなく、また圧力にも屈せず、「生きた権力」に果敢に立ち向かって調査を続ける姿勢への評価と既存の野党の不甲斐なさが背景にあるようだ。文在寅政権の打倒を目指す保守勢力からすれば、尹検察総長は文政権への抵抗勢力の象徴であるばかりか、中道層、無党派を取り込めることのできる、唯一「勝てる候補」に映っているようだ。

 かつては進歩派陣営に属していた韓国・東洋大学のチン・ジュングォン教授は秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官に向かって自身のフェイスクブックで「尹検察総長が出馬して大統領になれば、与党は全員死ぬだろう。だから、彼が総長にいる時におとなしく調査を受け、処罰され、終えたほうが良いのでは」と皮肉っていた。

 尹錫悦検察総長の任期は来年5月までで、仮に退任、退職しても、李洛淵・与党候補への対抗馬としての支持率をキープできれば、再来年(2022年)春の大統領選挙に保守勢力の大統領候補として担がれる可能性もある。

 一方、「韓国ギャラップ」が1月28日〜30日まで行ったが調査では、与党の支持率は34.8%と、文政権発足(2017年5月)以来最低を記録した。2週間前に比べて5ポイントも下落した。但し、野党の「自由韓国党」も1%下げ、21%。逆に「どの政党も支持しない」無党派層は過去最高の33%に上昇した。

 肝心の文在寅大統領の支持率もこれまた4%ダウンの41%。「支持しない」は過半数の50%に達し、9ポイントも差が開いていた。

 「支持しない」理由として挙げられたのは「経済、民生部門での解決能力のなさ」が最も多く24%。以下「全般的に不満」「人事問題」「親北傾向」がそれぞれ7%となっているが、不支持の理由として「検察への圧力」も5%あった。

 なお、「韓国ギャラップ」と並ぶ2大世論調査会社の「リアルメーター」もほぼ同時期(28−29日)にかけて世論調査を実施していたが、文大統領の支持率は3カ月ぶりに45%を割り、44.9%。「不支持」は「韓国ギャラップ」同様に50%を上回り、50.4%に達していた。

 政党支持率では「共に民主党」も「自由韓国党」も同時に下落しており、「共に民主党」は38.2%、「自由韓国党」は29.8%となっていた。「韓国ギャラップ」とは異なり、その差は一桁だった。

  (参考資料:保守野党が新党を結成しても与党に勝てない!? 韓国の最新政党支持率! )