2020年3月18日(水)

 韓国が日本より感染者が10倍も多いのは集団感染の数と規模が原因

ドライブスルーの次はPCR検査用感染安全診療ブース(出所:ソウルのヤンジ病院)


 新型コロナウイルスの感染者は日本では昨日、44人増え、17日12時時点で国内感染者だけで873人となった。クルーズ船の感染者を含めると、その数は1585人に上る。また、死亡者も1人出た。これでクルーズ船の死亡者を含めると、死亡者は36人となる。

 韓国も、今朝の中央防疫対策本部の発表では、前日よりも93人増え、8413人となった。日本の約10倍である。死亡者も3人増え、84人に上った。

  (参考資料:感染者もPCR検査も韓国は日本の17倍!韓国の感染者急増はPCR検査数の差? )    

 韓国では新規感染者は15日76人、16日74人と減少を辿っていたが、17日84人、そして今朝93人と、再び上昇の気配をみせている。原因は集団感染が散発的に発生していることにある。

 実際に集団感染を引き起こし、2月29日には一日で741人もの感染者を出した大邱市は15日に41人、16日に35人、そして17日は32人の増加に留まっていたが、今朝の防疫対策本部の発表では前日よりも46人も増えていた。

 日本も、韓国も今後、感染拡大を早期に終息させるにはクラスターが次のクラスターを生み出すことを防止することが極めて重要である。

 日本の場合、同一の場においてクラスターが発生している地域は3月17日12時現在、北海道、新潟、千葉、神奈川、東京、愛知、大阪、兵庫の8都道府県で、延べ13か所。5人以上発生したところが7か所、10人以上が6か所となっている。当初、リストに入っていた和歌山県の医療機関と大分県の飲食店及び千葉県の福祉施設は除外され、含まれていない。

 都道府県の感染者数をみると、3月17日時点で北海道が最も多く152人、続いて愛知123人、大阪109人、東京96人、兵庫81人、神奈川県54人、千葉31人となっている。いずれもクラスター発生によるところが大きい。

 厚生省が公表したデーターには同じ場所で感染した5人以上のケースが対象とされており、家族や同僚、友人への二次感染は除外されている。

 13か所の内訳は北海道がドライブバーと展示会の2か所、新潟県が卓球スクールの1か所、千葉県がスポーツジムの1か所、神奈川県が医療機関や福祉施設の2か所、東京都が屋形船の1か所、愛知県がスポーツジムと福祉施設の2か所、大阪府がライブハウスの1か所、兵庫県のライブハウス3か所となっている。

 クラスターが発生している場所は、ライブハウスが4か所、スポーツジムが2か所、副施設が2か所、医療機関、卓球スクール、ドライブバー、展示会、屋形船がそれぞれ1か所となっている。

 では、韓国はどうか?何よりも、集団感染の数とその感染規模が違いすぎる。

 首都ソウル、第二の都市・釜山市、第三の都市・大邱市を中心に慶尚南・北道、忠清南道など20か所以上の地域で集団感染が発生している。モグラたたきのようで叩いても、叩いても出てきている。

 ソウル市がコールセンター、教会、病院、アパートの4か所と、最も多い。コールセンターでは134人の感染者を出している。続いて、首都圏の京畿道で、教会(47人)と病院(26人)の2か所。

 また、その規模だが、大邱市の新天地教会での感染者は4363人に上る。慶尚北道・清道の病院でも122人と三桁の感染者を出している。

 ちなみに、3月17日の時点で感染者が一番多いのが大邱市(6098人)。以下、慶尚北道(1169人)、ソウル市(265人)、京畿道(262人)、忠清南道(115人)、釜山市(107人)、慶尚南道(86人)の順となっている。

 一番多い発生場所は日本と異なり、教会で、6か所に至る。釜山市も教会で34人が感染している。次に病院で、3箇所。ケアハウスでも2か所で集団感染が発生している。

 この他に世宗市の海洋水産部で28人が集団感染している。また、忠清南道のスポーツジムでは104人の感染者を出している。ソウルでは日本ではまだ1件もないネットカフェで集団感染が発生している。

 韓国の感染者総数は3月17日時点で8320人に達しているが、集団感染者は全体の80.6%にあたる6705人に及んでいる。このうち新天地教会信者が5016人(大邱市の信者4363人、慶尚北道の信者517人)を占めている。

  (参考資料:韓国の「新型コロナ感染」は日本よりも先に終息する? )