2020年3月6日(金)

 イタリアはOK! 韓国はNO! 日本の入国規制措置に韓国が反発!

 日本政府は3月9日から中国、韓国、イランからの入国を規制する措置を講じる。

 新型コロナウイルスの発症地で、世界で最も多い8万409人(5日午後5時現在)の感染者を出している中国、2番目に多い韓国(6088人)、そして4番目に多いイラン(2922人)に対して入国規制措置を取るのは止むを得ないことである。

 韓国は感染者の数は5日午後5時基準で6088人に達した。日本(1056人)よりも約6倍も多い。クルーズ感染者(696人)を除く、国内感染者だけだと、韓国は日本の17倍も多い。日本が韓国からの感染流入を警戒するのは致し方のないことだ。

 日本の規制措置発表が唐突であったことから韓国政府内で不満の声が上がっているが、すでに国連加盟国の半数以上にあたる98か国が何らかの形で韓国に対して入国禁止や2週間の隔離、検閲強化などの措置取っていることを勘案すると、総力を挙げて感染拡大防止に努めている日本がそれに右習いするのは時間の問題であったと言えなくもない。しかし、解せないのは感染者が3番目に多いイタリアが除外されていることだ。

 昨年のイタリア人の訪日数は16万2800人で、韓国の558万4600人に比べれば、断トツに少ない。今年1月に限って言えば、6900人で、韓国の91万1680に比べれば、130分の1に満たない。

 訪日客の数においては統計上、イタリアは韓国の比ではないことは一目瞭然だが、イランの訪日客数はイタリアよりもはるかに少ない現実を考えると、イランを対象にし、イタリアを対象外にする理由が今ひとつわからない。イタリアの感染者が3月5日の時点では3858人と、イランの2922人よりも1千人近くも多い現実を考えると、なおさら理解に苦しむ。

 イタリアの保健当局が現地時間5日午後6時に発表したデーターによれば、イタリアの感染者は前日よりも769人も増えていた。感染者の数ではイランの591人を上回り、主要感染国では一番多かった。ちなみに韓国の増加は438人に留まった。

 イタリアの死亡者数も41人増え、148人。韓国(40人)の3倍強である。イタリアは中国(3012人)に続いて死亡者の数では2番目に多い。

 地域的にみても、感染の拠点となっているロンバルディア州が2251人、エミリア=ロマーニャ州が698人、ヴェネト州が407など東部3州全体で3356人、全体の87%を占めている。

 この他にマルケ州で124人、ピエモンテ州で108人、トスカーナ州で61人、カンパニア州で45人、ラツィオ州で44人、リグーリア州で28人、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州で21人、シチリア州で18人, プッリャ州で14人も感染者が出ている。

 スイス及びフランスとの国境都市のヴァッレ・ダオスタ州でも昨日、ついに感染者が出てことでイタリアの20州全域で感染が拡大していることになる。2月21日にロンバルディア州で初の感染者が出てから2週間もしない間に全土に拡大したことになる。

 イタリア政府は大学を含めすべての学校を15日まで閉鎖し、プロサッカーのセリエAなど全ての試合を無観客で行う措置を取っている。

 日本が中国、韓国、イランとは異なりイタリアを入国規制対象国から除外したのはイタリアを含めるとEU諸国の反発を買い、対抗措置を取られるようなことになれば、五輪開催に悪影響を及ぼしかねないとの政治判断が優先したのではとの穿った見方が韓国内では広がっている。