2021年1月21日(木)

 「コロナ感染者」減少で文大統領の支持率が上昇 菅総理を逆転!

菅義偉首相と文在寅大統領(筆者キャプチャー)


 枕を並べて支持率が急落していた日韓首脳だが、昨年までは菅義偉総理の支持率が文在寅大統領のそれよりも上回っていた。それが、直近の調査では両首脳の支持率が逆転した。

 日韓メディアの直近の世論調査によると、菅総理の支持率はANNの調査では34.8%、NNN(読売新聞との共同)の調査では39%、NHKの調査でも40%だった。

 菅総理の支持率は下がる一方だが、菅総理同様に急落の一途を辿っていた文在寅大統領の支持率はここに来て、やや回復の兆しを見せている。

 世論調査会社「リアルメータ―」がニュース放送チャンネル「YTN」の委託を受けて今月18日から20日にかけて全国有権者約1500人を対象に行った世論調査によると、文大統領の支持率は前回(1月第2週の調査)よりも5.7ポイント増の43.6%。NHKの調査と比較しても、文大統領の支持率は菅総理のそれよりもましだ。昨年12月末の時点では菅義偉総理の支持率はNNNでは45%、ANNでも38.4%あり、いずれも年末の文大統領の支持率(36.7%)を上回っていた。

 文大統領を「支持しない」は52.6%と、前週よりも5ポイント下がったが、「不支持」が依然として多いことには変わりはない。昨年7月の第1週に49.8%と、50%台を割ってから50%台を回復できないでいる。

 年末には大統領就任(2017年5月)以来、過去最低の36.7%まで急落していた文在寅大統領の支持率は年が変わっても歯止めがかからず、1月第1週の調査ではさらに下がり、30%台前半の34.2%にまで下降していた。また、「不支持」も初めて60%を超え、61.7%に達していた。

 韓国の大統領の支持率は40%を割れば「黄色信号」が、30%前半にまで落ち込めば「赤信号」が灯り、20%台で「死に体」(レイムダック)となるが、文大統領の支持率はレイムダックに向かって危険水域に入っていた。どうやら今回の調査で持ち直し、一旦「黄色」から「青色」に変わったようだ。支持率回復の理由は新型コロナ感染者の減少と無縁ではない。

 全国の一日の感染者は先月12日から1千人を突破し、クリスマスイブには過去最多の1241人の感染者が確認されていたが、今月10日からは500人台に急減し、直近の4日間は389人、386人、404人、401人と、400人前後にまで減っていた。

 政党支持率でも与党「共に民主党」の支持率は大統領の支持率と並行して上昇し、2%増の32.9%。一方、野党第1党の「国民の力」は3.1%減の28.8%。与党が4.1ポイント上回っている。

 但し、首都ソウルでは「国民の力」が35.1%と、26.6%の「共に民主党」に8.5ポイントの差を付けている。首都ソウルでは4月に来年の大統領選挙の前哨戦となる市長選挙が行われる。