2021年3月22日(月)

 大統領も与党もソウル・釜山市長選と次期大統領選与党候補も支持率浮上せず! 文在寅政権最大のピンチ!

文在寅大統領(青瓦台HPから)


 文在寅大統領の支持率も政権与党「共に民主党」の支持率も過去最低となった。

 世論調査会社の「リアルメータ―」がニュース放送チャンネル「YTN」の委託を受け、3月15日から19日にかけて全国有権者約2500人を対象に行った調査によると、文大統領の支持率は前週よりも3.6%減の34.1%と、2017年5月に政権を発足して以来、最低を記録した。また、与党の「共に民主党」の支持率も枕を並べて過去最低となった。

 同調査によると、文大統領の評価は「非常に良くやっている」(18.4%)、と「良くやっているほうだ」(15.7%)を合わせて34.1%。これまでの最低記録は今年初めの34.2%(1月1−2日調査)。今回これよりもさらに0.1ポイント下げた。

 一方、文大統領を「評価しない」は前週よりも4.8%増の62.2%を記録し、大統領就任以来、最高値となった。これまた今年1月の61.7%を上回った。

 文在寅政権の支持率低下の原因は韓国土地住宅公社(LH)職員らの投機疑獄と自殺した前ソウル市長(与党)のセクシャルハラスメントの被害者が17日に記者会見を開き、政権与党を批判したことが影響したとみられている。年代別でみると、与党支持層の30代で5.8%、40代で4.4%、50代で5.7%も支持率が下がっていた。

 文大統領の支持率は昨年7月の第1週に49.8%と、50%台を割ってから一度も50%台を回復できず、12月に30%台に陥ってからは低迷が続いている。

(参考資料:文大統領の支持率急落はレイムダックの予兆? 遂に30%台へ!)

 大統領の支持率は40%を割れば「黄色信号」が、30%前半にまで落ち込めば「赤信号」が灯り、20%台で「死に体」(レイムダック)となるが、文大統領の現状はレイムダックに向かって危険水域に入ったと言っても過言ではない。ちなみに2017年3月に下野した前任者の朴槿恵前大統領は辞任する前の年の2016年5月の調査では支持率は文大統領と同じ34%だったが、それでも不支持は文大統領よりも低い58.%だった。

 支持率の急落は文大統領に限ったことではない。大統領を支える与党「共に民主党」も等しく下落しており、同党の支持率は前週(30.1%)よりもさらに2.0ポイント下げ、28.1%と、30%を切ってしまった。これに対して野党第1党の「国民の力」は逆に3.1%ポイントアップし、35.5%を記録。与野党の支持率は12月第1週の調査時点ですでに逆転していたが、その差は開く一方だ。

 来年の大統領選挙の前哨戦と称されている注目のソウル市長選挙は「国民の力」の呉世勲候補であれ、野党第2党の「国民の党」の安哲秀候補であれ、どちらが野党統一候補になっても与党候補の朴映宣・前中小ベンチャー企業長官に圧勝するとの調査結果が出ている。

 KBS、MBC、SBSの地上波放送3社が共同で世論調査会社3社(韓国リサーチ、コリアリサーチ、イプソス)に依頼し、20日から21日間にかけて行った調査では、呉世勲候補で一本化した場合、47.0%対30.4%、安哲秀候補になっても45.9%対29.9%と、朴映宣候補を大きく引き離している。

 韓国第2の都市・釜山の市長選挙でも「国民の力」の候補が38.5%と「共に民主党」の候補(26.7%)に11.8ポイントの差を付けている。釜山は盧武鉉元大統領と文在寅大統領の地盤である。

 一方、韓国社会世論研究所が韓国「TBS」放送の委託を受け、3月19日から20日にかけて約1千人の有権者を対象に実施した次期大統領に相応しい候補に関する世論調査によると、支持率トップは保守陣営の「希望の星」でもある尹錫悦前検察総長で39.1%。前回(15日の調査)よりもさらに1.9%上昇している。2位は与党系の李在明京畿道知事で21.7%。3位は同じく与党の李洛淵「共に民主党」前代表で11.9%。李知事も李前代表も共に前回よりも支持率をそれぞれ2.5%、1.4%下げている。

 一時は本命と見られていた李前代表は尹前検察総長と李知事に大差を付けられ、3位に低迷しているが、現在選挙対策委員長としてソウルと釜山のダブル市長選挙を陣頭指揮しているだけに仮に落とすようだと大統領候補レースから落馬するかもしれない。

(参考資料:支持率急落の日韓首脳 どちらが先にV字回復できるか!)