2021年9月26日(日)

 逆転した日韓の「コロナ感染状況」 韓国、ソウルの一日の感染者は日本、東京よりも多い!

韓国の中央災難安全対策本部(中央災難安全対策本部HPから)


 日本では新型コロナウイルス感染者が減少してきたことから緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除が検討されているが、隣の国・韓国は新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、逆に急増し、深刻な事態となっている。

 韓国の24日の感染者は過去最多の3273人。国内で初めてコロナ感染者が確認された昨年1月20日以降初めて3千人台を突破した。昨日(25日)の感染者も2771人と、過去2番目に多かった。

 韓国は今年1月3日に初めて1020人と4桁になったのを最後に7月5日まで半年間三桁台で推移していた。しかし、翌6日に過去最多の1212人を確認してから今日まで4桁台が続いている。

 ちなみに日本の24日の全国感染者は2093人。韓国のほうが1180人も多い。日本の人口(約1億2536万人)が韓国の人口(約5134万人)よりも約2.4倍も多いことを勘案すると、韓国の事態がいかに深刻であるかがわかる。

 昨日(25日)は2771人と、前日よりも502人減少したが、それでも日本(2674人)を下回らなかった。韓国の感染者が日本よりも多いのは昨年6月22日(韓国46人、日本43人)以来、約1年3か月ぶりのことである。

 韓国の24日の感染者のうちソウル1222人、京畿道1102人、仁川201人と、首都圏だけで2525人と、全体の77.4%を占めている。首都圏が2千人台を超えたのも初めてである。特に首都・ソウルはこれまで4桁に達したことは一度もなかった。

 ソウルの一日の感染者も現在は、東京よりも多い。ソウルは昨年6月17日(ソウル25人、東京16人)以来、一度も東京を上回ったことはなかった。今月19までは約1年3か月にわたって東京よりも下回っていた。

 しかし、19日の583人vs565人を境に20日676vs302人、21日644人vs253人、22日645人vs537人、23日906人vs531人、24日1222人vs235人、25日928人vs382人と、直近の1週間のソウルの一日の感染者数は東京のそれを上回る状況が続いている。ソウルの人口(約991万人)は東京の人口(約1396万人)よりも約400万人も少ない事実を考慮すると、ソウル市当局の危機感が半端ではないことが窺い知れる。

 韓国の感染再拡大は全国民の70%が1回目のワクチン接種が終わる10月から感染者が減少すると見込み、感染症対策「社会的距離(ソーシャルディスタンス)確保」のレベル(1〜4段階)を緩和させたことが影響したと韓国当局は分析している。韓国のメディアでは「韓国がシンガポールの道を辿っているのでは」との指摘も出ている。

 人口500万人のシンガポールではワクチン2回接種率が80%を超えているのに直近の3日間は連続で1千人を超えている。24日の一日感染者は1650人と過去最多を記録したようだ。

 「ゼロコロナ」ではなく感染者の数よりも重症患者を管理することに重点を置く「ウイズコロナ」を選択し、行動規制を緩和したが、急速なデルタ株の拡散もあって再び感染者が急増したようだ。このためシンガポール政府は明日(27日)から10月24日まで再び行動制限を強化することにしている。

 韓国のワクチンの接種は9月26日時点で1回目接種者は全人口の73.5%(日本は68%)、2回目接種者(完了者)は44.8%(日本56.1%)である。

 韓国の全国感染者数は25日現在、30万1172人と、日本の169万2853人よりも遥かに少ない。死亡者も2450人、日本の1万7465人の約7分の1程度に留まっているが、秋夕(中秋節9月21日)を挟む5連休(18―22日)の「民族大移動」の余波で今後、全国的にさらに拡散されることが予想され、来月初頃からの新型コロナウイルス防疫体系の「ウイズコロナ」へのシフトも再検討されているようだ。

(参考資料:韓国では国民の半数以上が「ゼロコロナ」よりも「ウィズコロナ」を選択 世論調査で判明)