2022年6月2日(木)

 尹錫悦政権の与党が全国自治体選挙で圧勝!大敗した4年前とは逆転現象!

全国自治体選挙で圧勝した与党「国民の力」執行部(「国民の力」HPから)


 先の大統領選挙(3月9日)で尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補を当選させ、政権交代を実現した保守与党「国民の力」が昨日(6月1日)行われた全国自治体選挙でも圧勝した。大統領選挙に続き2連勝である。

 全国17ある広域自治体(市・道)首長選で「国民の力」はソウルと釜山の2大都市を含め12の選挙区で勝利を納め、慶尚北道・南道及び大邱市の3か所しか取れず、大敗を喫した前回の選挙の雪辱を果たした。

 与党は与野党の勢力が伯仲していた忠清北道、忠清南道、世宗市、大田市の忠清圏4カ所をすべて制したほか、保守の地盤である大邱市、慶尚北道、釜山市、蔚山市、慶尚南道、江原道でも勝利した。

 前回の選挙で圧勝した革新系野党の「共に民主党」は5か所しか死守できず、12の首長のポストを「国民の力」に明け渡すことになった。

 「共に民主党」が押さえた地域は革新が伝統的に強い全羅南・北道と光州市、それに済州道と京畿道の5か所のみである。

 人口がソウルよりも200万人多い京畿道は最大の激戦地として注目されたが、大接戦の末、野党の候補が0.1%(8900票)の僅差で与党の女性候補に競り勝ち、当選を果たした。ちなみに京畿道の前知事は大統領選に出馬し、尹錫悦大統領に0.7%の差で惜敗した李在明(イ・ジェミョン)氏である。

 今回の選挙結果、広域自治体首長選での与野党の勢力は3対14から12対5に逆転したが、その他の市長選挙(226人)でも与党は145人対63人と、野党に圧勝した。(無所属18人)

 ソウル市長選と同時に行われたソウルの区長選挙(25区)では市長選で現職の呉世勲(オ・セフン)与党候補が「共に民主党」の代表だった孫永吉(ソン・ヨンギル)候補に59.0%対39.2%と、約20ポイントの差を付けて圧勝した勢いをそのままに与党が17区で区長の椅子を奪還し、ソウルの地図をシンボルマークの赤で塗り替えることに成功した。

 尹錫悦政権になって大統領官邸(大統領執務室)が青瓦台から竜山区に移転したが、竜山区長も「国民の力」の女性候補が当選した。竜山区初の女性区長の当選である。「国民の力」は前回の区長選挙では束草区の1カ所しか取れなかった。

 さらにソウル区議会議員選挙(101議席)でも与党は3分の2以上の70議席を確保し、野党の31議席を大きく上回った。「国民の力」がソウル議会で多数を占めたのは12年ぶりで、前回の選挙では6人しか当選させることができなかった。

 また、与党は京畿道知事選は落としたものの道内市長選挙では31ある市のうち22の市で勝利した。前回の選挙では2か所しか取れなかった。

 自治体選挙と同時に国会議員補欠選挙(7か所)も行われたが、与党候補は京畿道の選挙区から出馬した安哲秀(アン・チョルス)氏を含め5人が当選。野党では李在明氏が仁川市から出馬し、初当選を果たしたが、選挙序盤では世論調査で与党の新人候補にリードされ、苦戦を強いられていた。

 李氏の予想外の苦戦が「共に民主党」の地盤低下をそのまま物語っているが、選挙結果を受け、総括選挙対策委員長を務めた李氏を含め党執行部は総辞職を表明した。

 なお、国会議員補欠選挙の結果、国会議席数は「国民の力」が114議席、「共に民主党」が169議席となっている。

(参考資料:韓国大統領選挙 野党候補「尹錫悦」当選の5つの勝因)