2022年3月16日(水)

 最悪の韓国の「コロナ感染状況」 一日の感染者が40万人を突破し、50万人に迫る!

全羅南道・光州市のワクチン接種センター(光州市保健省提供)


 日本はコロナ感染状況が全国的に改善される方向にあることから岸田政権はコロナ第6波の出口を模索しているようだが、韓国の感染状況は最悪で、苦戦を強いられている。

 韓国(人口5134万人)の昨日(15日)の新型コロナウイルス新規感染者は前日の過去最多の36万2329人よりもさらに3万8412人増え、40万741人となった。このままの趨勢だと、50万人台も時間の問題とみられている。

 韓国の一日の感染者は昨年までは12月14日の7850人が過去最多だった。ところが、今年は感染力の強い変異株「オミクロン株」が感染の主流となり、1月25日に1万310人と1万人台に乗ると、2月9日5万4122人、17日10万9822人、3月1日22万9567人と倍増し、3月8日には30万人台に上っていた。

 直近の1週間は34万2433人(8日)→32万7532人(9日)→28万2978人(10日)→38万3659人(11日)→35万185人(12日)→30万9784人(13日)→36万2338人(14日)と推移し、一日平均33万6987人となっていた。

 感染者の急増により、全国の感染者は累計で762万9275人となり、1か月前(155万2875人)の約5倍となった。

 但し、昨日の死亡者は164人と、前日(293人)よりも129人少なく、死亡者の累計は1万1052人。2月24日まで二桁台だった死亡者は3月9日からは連日200人台が続いていた。

 なお、一昨日の死亡者(293人)は80歳以上が189人と最も多かったが、10歳以下も2人含まれていた。昨年11月28日に初めて確認された10歳未満の死亡は累計で8人。このうち3人に基礎疾患があった。

 感染者急増の原因としてはソーシャルディスタンスを段階的に緩和してきたことによる影響や「ステルスオミクロン」と言われている伝播力の高い新型のオミクロン株「BA.2」の拡散が指摘されている。「BA.2」株の国内感染力が先週は26.3%まで増加した。

 また、与野有力候補4人を含め12人が出馬した大統領選挙が2月16日に公示され、本格的な選挙運動に突入し、投票日(3月9日)の一週間前から一騎打ちとなった与党「共に民主党」候補と最大野党「国民の力」の候補による支持者を動員した街頭演説がヒートアップしたことの因果関係も取り沙汰されている。

 重症者は前日よりも48人増え、1244人。重症者は3月7日まで三桁をキープしていたが、8日に四桁(1007人)になって以来、連日最多を記録している。

 全国の重症病床稼働率は64.2%で、自宅治療者は前日よりも16万2995人増え、161万3186人に達した。重症病床稼働率は1か月前(20.1%)の3倍となっている。

 首都・ソウル(人口約991万人)の一日の新規感染者は前日よりも1万5382人増え、8万1395人と、これまた過去最多を記録した。累計で185万6578人と、1か月前(41万6091人)よりも4.4倍も増えている。

 ソウルの感染者も2月8日に初めて1万人を超えてから2月17日2万人台、22日4万人台、3月3日に5万人台と万単位で増え続け、3月11日には8万437人台と過去最多を記録していた。

 ワクチン接種率は3月15日現在、1回目が87.1%、2回目が86.6%である。3回目は62.7%と、全人口の6割以上が終えているが、およそ1か月前に比べると、5.9%しか増えていない。

 韓国は今月20日まで「私的な会合、会食は6人まで、営業時間は夜11時まで」とする「ソーシャルディスタンス(社会的距離の確保)」を取っているが、経済活動や日常生活回復のため緩和の方向にあったこの防疫措置を見直すかどうか、18日に結論を出すことにしている。

  (参考資料:どうにも止まらない韓国の「コロナ感染者」 5日連続で「過去最多」を更新)