2023年3月10日(金)

 韓国政府の「元徴用工解決策」に賛否狭まる! 韓国世論調査結果第2弾判明!

尹錫悦政権の「元徴用工解決策」に批判の声を上げる市民団体(JPユースから)


 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の第3者弁済方式による元徴用工問題「解決策」に関する時事誌「時事ジャーナル」の世論調査に続いて、昨日はKBSテレビが夜9時のニュースで世論調査会社「韓国リサーチ」に委託して全国の成人男女約1千人を対象に7日から8日にかけて行った世論調査の結果が発表された。

 それによると、政府機関の行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」(2014年設立)が元徴用工らに代理弁済する政府の解決策については「賛成」が39.8%、「反対」が53.1%という結果となった。前出の「時事ジャーナル」の調査では「賛成」が37.8%、「反対」が59.5%なので、それよりも「賛成」が2ポイント増え、「反対」は6.4ポイントも減っていた。

(韓国政府の徴用工解決策に「賛成」37.8%対「反対」59.5% 韓国世論調査結果第1弾判明!)

 年齢別でみると、若い世代の20代と高齢者の60代が評価している反面、30代から50代までは「間違った決定」であるとの批判的な回答が多かった。

 解決策に大法院(最高裁)で敗訴した日本企業の参与と謝罪が含まれていないことから一部では「片肺解決策」との見方もされているが、これについては72.1%が「同意する」と答え、「同意しない」の24.7%を大きく上回っていた。

 さらに、韓国側が補償金を代理弁済した後に「求償権」を日本企業に請求する案については「賛成」が72.5%で、「反対」は22.7%にとどまっていた。日本は韓国に「求償権」の放棄を求めている。

 KBSの世論調査は最後に「元徴用工問題の解決策で最も重要な点は何か」と質問していたが、回答者の10人のうち6人にあたる61.4%が「日本政府の誠実な謝罪」と回答していた。次に多いのが「韓日関係の正常化」で17.6%。以下、「どのような方式でも早期の補償金の支払い」(9.7%)、「戦犯企業の賠償参与」(7.7%)の順となっていた。

 なお、政府の解決策が今後の日韓関係になるかとの問いについては「プラスになる」が過半数を上回る51.5%に達し、「プラスにはならない」(46.1%)を上回った。

 「KBS」の他にも「毎日経済」と経済新聞「ニューストマト」が相次いで世論調査の結果を発表していた。

 「毎日経済」が8日に大手世論調査会社「リアルメータ」を通じて全国の成人男女約1千人を対象に実施した調査結果では、政府の解決策について37.9%が「良い決定である」と回答し、59.9%が「間違った決定である」と回答していた。

 尹錫悦政権の決定が韓米日協力関係に及ぼす影響や経済効果については「肯定的な影響を及ぼす」が50.1%、「否定的な影響を及ぼす」が41.0%と、過半数が好意的に見ていることがわかった。しかし、その一方で「今回の解決策で韓日関係が改善されると思うか」との質問には「改善される」が42.3%、「改善されない」が55.3%と、悲観的な見方のほうが多かった。

 また、経済新聞「ニューストマト」が世論調査専門機関「メディアトマト」に委託して6日から8日までの3日間、18歳以上の成人男女約1千人を対象に実施した世論調査では、政府の解決策の評価については「過去から目を逸らした屈辱的措置」が51.1%、「過去を克服し、未来に向けての措置」が41.9%と、評価が拮抗していた。

 現状では尹政権の元徴用工解決策については否定的な見方が15〜20ポイントほど上回っているが、16日からの尹大統領の訪日と日韓首脳会談を機に友好ムードが高まれば、現状の賛否がさらに狭まり、逆転する可能性もある。