2023年5月10日(水)

 政権発足から1年経っても尹大統領の支持率は上昇せず!意外にも金建希大統領夫人も低い評価!

尹錫悦大統領と金建希夫人(大統領室から)


 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が就任(2022年5月10日)してからまる1年が経過した。

 尹政権発足1年を機に韓国の幾つかのメディアがそれぞれ別個の世論調査会社に委託し、全国成人男女約1千人を対象に世論調査を実施していた。どれもこれも似たような結果が出た。

 尹大統領の支持率は政権発足時には52%もあった。しかし、1年経った今、大手保守紙「中央日報」の調査(「韓国ギャラップ」が5月7〜8日に実施)では尹大統領を「評価している」は38.5%、「評価していない」が57.6%となっていた。

 「評価する」のトップは外交面で、特に尹大統領が力を入れた日米韓安保協力に関しては72.2%が「同意する」と回答していた(「同意しない」は23.4%)

 テレビ媒体では「KBS」(「韓国リサーチ」が6〜8日に実施)と「MBC」(「コリア・リサーチセンター」7〜8日に実施)の2社が行っていた。

 「KBS」の調査では「よくやっている」が39.1%、「よくやっていない」は55.5%という結果が出た。

 また、「MBC」の調査では「評価する」が36.1%、「評価しない」が59.5%と、「評価しない」が倍以上もあった。年代別では29歳までの若い世代での評価が19%と最低を記録していた。

 この調査でも最も高い評価を受けたのは「周辺国との外交・安保政策」で、特に訪米については「評価する」が50.4%、「評価しない」が46.4%と、逆転していた。

 一方、尹政権の対日政策、特に元徴用工問題を巡る「第3者弁済解決方式」については「関係改善のための不可避な措置」として「共感する」が36.4%なのに対して「あまりにも譲歩し過ぎた」として「共感しない」が60.6%もあった。

 また、日韓シャトル外交以後の日韓関係の展望については「変わらないだろう」が53.1%と、過半数を超えていた。 

 「MBC」は日米では評判の良かった金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人に関する調査も同時に行っていたが、ファーストレディーとして「よくやっている」が36.8%、「よくやっていない」が55%と、尹大統領同様にこれまた韓国人の評価は低かった。

 さらに、通信会社「聯合ニュース」の調査(「メトリックス」が6〜7日に実施)でも「評価する」は37.5%、「評価しない」は60%と、「MBC」とほぼ同様の結果が出た。

 世代別では60代以上の高齢者では63.4%が評価している反面、30代から40代の「不支持」は75%前後に達していた。

 大統領選挙では対立候補の「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と45.5%対47.8%と得票率が拮抗していた18歳から29歳の若い層でも66%が尹大統領を「評価していない」ことがわかった。

 ちなみに「韓国ギャラップ」の年間調査によると、尹政権の支持率は政権発足から2週間後の6月初めの53%が過去最高で、この時は与党「国民の力」が全国地方自治体選挙で圧勝した頃だった。反面、過去最低は昨年8月初めの24%。この時は与党「国民の力」の権力抗争が表面化していた。

 なお、「韓国ギャラップ」と並ぶもう一つの大手世論調査会社「リアルメータ」が政権発足直前(2022年5月2―6日)にかけて実施した尹大統領への期待に関する調査では「よくやると思う」が51.4%、「ダメだと思う」が44.6%と、「期待」のほうが上回っていた。