2024年10月1日(火)
韓国国軍の日に北朝鮮が「戦略的対抗措置」を予告!「米本土の安全に重大な憂慮感を増す新たな方式」とは?
北朝鮮のICBM「火星17」(労働新聞から)
今日、10月1日は韓国国軍の日である。韓国軍は昨年同様に軍事パレードを行う。
軍事パレードでは昨年お披露目した弾頭ミサイル「玄武―4」に続いて今年はその2倍の破壊力を持つ弾道ミサイル「玄武―5」を登場させる。
「玄武―5」の弾頭は4.5トン級の超大型常用弾頭を装着した北朝鮮の新型戦術弾道ミサイル「火星砲―11タ―4.5」よりも2倍近い破壊力を持つ弾道ミサイルである。韓国軍が20〜30個あれば平壌を焦土化できると豪語している弾道ミサイル、それもバンカーバスターなので地下にある北朝鮮の最高司令部を壊滅することができる。
また、軍事パレードでは930km離れた場所から北朝鮮の核心施設を精密打撃が可能で、地下施設を貫通する空対地巡航ミサイル24基などが搭載されている米軍の「B―1b」戦略爆撃機もデモンストレーション飛行を行うことになっている。「B―1b」はこの日に合わせた韓国軍戦略司令部の創設を祝うためグアムから飛来してくる。
「B―1b」が朝鮮半島に出現するのは6月5日以来である。この時は2017年以来、7年ぶりに韓国内の射撃場に精密誘導爆弾(JDAM)の投下訓練を行っていた。
再び「B-1b」が朝鮮半島上空で展開することへの北朝鮮の反応を注目していたが、今朝、国防省のキム・ガンイル副相(次官)が、「米国の無分別な軍事的虚勢と情勢激化策動は必ず自国本土の安保不安だけを増大させるであろう」と、警告する談話を発表していた。
金次官は「予告のない戦略資産展開が治癒不能の悪習と固着した以上、それ相応の予測できない戦略的性格の行動措置を講じることも必須不可欠の主権国家の合法的権利になるべきであろうし、米本土の安全に重大な憂慮感を増す新たな方式が当然、出現すべきであろう」と述べ、「エスカレートに拡大されている敵対勢力の軍事的挑発行為を絶対に座視せず、徹底的に相応の行動を取るであろう」と北朝鮮の対抗措置を示唆していた。
金次官は談話の中で6月に米軍が「B-1b」の飛来に続き、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」を釜山港に入港させたことを取り上げていたが、この時の北朝鮮の対抗措置は同時に複数の目標を攻撃できる初の多弾頭ミサイルの試射で、ミサイル総局が米原子力空母入港から2日後の6月26日に発射を行ってみせていた。
今回も対抗措置を取るのは必至だが、金次官が言及した「それ相応の予測できない戦略的性格の行動措置」あるいは「米本土の安全に重大な憂慮感を増す新たな方式」が最大の注目点である。もしかすると、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を太平洋に向けて発射することもあり得るかもしれない。
北朝鮮は昨年、米本土に届くICBMを5回発射してみせた。すべてロフテッド(高角度)による発射だった。直近の3回はすべて固形燃料を使用する「火星18」で、最後に発射した昨年12月18日の「火星18」は日本の防衛相の発表では「約73分飛翔し、飛翔距離1000km、最高高度6000km」もあった。
正常角度(30〜45度)で発射すれば15000kmあり、米本土に十分届くと言われている。しかし、これまでまだ一度も正常角度で発射していない。このため北朝鮮は大気圏再突入の技術をまだ保有していないものとみられている。
大気圏再突入を疑問視されていることに金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は一昨年12月に「高角発射だけで立証できないと言うならば実際の角度で発射すればわかることだ。(正常角度の発射を)やれば直ぐにわかることだ」と反発していた。
太平洋に向けての正常角度の発射は米国のレッドラインを越すことになりかねないだけに実際に踏み切るかどうか見ものだが、中国軍が先月25日に模擬弾頭搭載のICBMを太平洋の公海上に着弾させているだけにタガが外れ、北朝鮮がこれに続くことも十分に考えられる。