2025年4月24日(木)

 米軍はもはや用心棒にあらず 駐韓米軍の負担増額に「NO!」の韓国

米韓合同軍事演習で握手する米韓軍首脳(韓国国防省配信)

 トランプ政権の一方的な関税引き上げは世界中に波紋を引き起こし、各国はその対応に追われているが、韓国も今日からワシントンで両国の財務・通商担当相が参加する「2プラス2」の通商協議を開く。

 韓国は日本よりも1パーセント高い25%の関税を掛けられているが、可能ならば適用対象外に、無理ならば、少しでも引き下げてもらう方針だが、米国は在韓米軍の駐留経費負担問題を含む「ワンストップ・ショッピング(一括取引)」の交渉を求めており、通商と安全保障を分離する「ツートラック」の韓国と立場を異にしている。

 韓国からすれば、在韓米軍の駐留経費負担問題はバイデン前政権下で2026〜30年までの韓国側の負担金が定められており、すでに2026年の負担額については2025年比で8.3%引き上げ、1兆5192億ウォン(約1525億円)で合意している。

 しかし、第1次政権の時に50億ドルの支出を要求していたトランプ大統領は、今回はその2倍、2026年の負担額のおよそ9倍にあたる100億ドルをふっかけていることから在韓米軍の駐留経費問題が米韓の火種になっている。

 米軍の駐留経費はいざとなった場合の助っ人、即ち用心棒だから負担するわけで、それ以上でもそれ以下でもない。米軍が「世界の憲兵」でも、頼もしい用心棒でもなければ、拠出する必然性はない。

 そうした折、極東問題専門家である米ウェスタン・ケンタッキー大学のティモシー・リッチー教授が興味深い世論調査を行っていた。

 リッチー教授は米国人(552人対象)と韓国人(1000人対象)を対象に朝鮮半島有事の際の意識調査を実施し、その結果を今年2月に米国の北朝鮮専門媒体「38ノース」で発表したが、北朝鮮が韓国に侵攻した場合「韓国を守る」と回答した米国人は37%で、「なにもしない」が24.3%もあった。米国人の約4人のうち1人が無関心を示していた。

 これに対して同じ質問に韓国人の41%は「米軍は守ってくれる」と回答し、「守らないだろう」と予測した人は一桁以下の7%しかいなかった。(但し、「武器等の援助をする」は米国では49.4%、韓国では62.9%あった)

 トランプ第1次政権時の2017年6月に米シンクタンク「シカゴ国際問題協議会」(CCGA)が米国人約2千人を対象に実施した世論調査では米国人の62%が「朝鮮戦争勃発時には韓国防御を支持する」と回答していた。また、2019年の調査では「守ってくれると確信している」韓国人は78%にも達していた。

 それが、トランプ第2次政権下では約半減したことになる。

 米韓の間には米韓相互防衛条約があり、また韓国には約2万8千人の米軍が駐屯し、家族を含めると20万人以上の米国人が居住していることから米国の参戦は当然というのが韓国人の認識だが、韓国人がそう信じれば信じるほどトランプ政権は防衛負担額を釣り上げて来るだけに韓国としてはいつまでも「神様、仏様、米国様」というわけにはいかないようだ。

 トランプ第1次政権の時、米国の防衛費負担増額要求については圧倒的多数の94%が米国の要求に不満を表していた。このうち26%が「増額を拒否すべき」と回答し、68%が「米国の要求額を下回る金額」で交渉すべきとしていた。さらに、韓国人の半数以上の54%が駐韓米軍負担額を巡る交渉が決裂した場合には「駐韓米軍を削減しても良い」と回答していた。

 また、韓国の世論調査会社「コリア・リサーチ」が放送会社「MBC」の委託を受け、2019年11月に全国の有権者約1千人を対象に行った調査では、駐韓米軍の削減については「削減しても良い」が55.2%もあった。

 韓国の国内で急速に高まっている核武装、核保有論も「来るべき日」に備えたものなのかもしれない。