2025年4月8日(火)
大統領の椅子に最も近い野党の李在明代表は「支持率」も「非好感度」「嘘つき」も1位
最大野党「共に民主党」の李在明代表(「JPニュース」から)
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の罷免による次期大統領選挙が6月3日に実施されることが決定した。これにより、与野党一斉に選挙モードに突入した。
政権維持を狙う与党「国民の力」では5〜6人の大統領選出馬が取り沙汰されており、与党候補の中では支持率トップを走る金文洙(キム・ムンス)労働部長官が今日にも辞表を提出し、出馬宣言を行うものとみられている。
一方、政権奪還を目指す野党第1党「共に民主党」の最有力候補、李在明(イ・ジェミョン)代表も明日(9日)代表を辞任し、大統領選への準備に取り掛かる。
与党からは金文洙長官の他に前回の大統領予備選で尹錫悦大統領と争った洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長、安哲秀(アン・チョルス)国会議員、反主流派の劉承民(ユ・スンミン)前議員に加え、尹大統領の弾劾に賛成した韓東勲(ハン・ドンフン)前代表や反対した呉世勲(オ・セフン)ソウル市長らも出馬の意向を固めている。
「共に民主党」からも非主流派の金斗官(キム・ドゥグァン)前議員がすでに出馬を表明しており、今後、金東?(キム・ドンヨン)京畿道知事、金富謙(キム・ブギョン)元総理、文在寅(ムンジェイン)前大統領の秘蔵っ子と言われている金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事らが手を上げるものとみられているが、「李在明大勢」は揺るがず、李代表が予備選で圧勝し、大統領候補に選出されるものと予想される。
また、第3野党である「改革新党」李俊錫(イ・ジュンソク)元代表もすでに出馬を表明している。与党代表だった前回の大統領選挙では尹大統領を当選させた最大の功労者である。その後、追放され、「改革新党」を立ち上げ、昨年の国会議員選挙では3議席獲得している。御年40歳で候補者の中では一番若い。
昨年の国会議員選挙で12議席を獲得し、野党第2党に躍進した「祖国革新党」は党の創設者である「タマネキ男」こど国(チョ・グク)前代表が収監されていることもあって候補者を擁立せず、李代表を野党統一候補として支援するものとみられている。
「政権継続か、交代か」に関する直近の世論調査をみると、世論調査会社「リアルメーター」の調査(4月2〜4日に実施)では「政権を交代すべき」が56.9%、「政権を延長すべき」が37.0%だった。また、世論調査会社「韓国ギャラップ」の政党支持率に関する調査(4月6−7日実施)では「民主党支持」が43%、「国の力支持」が31%と、二桁の差で民主党がリードしていた。
さらに「韓国ギャラップが「ソウル経済新聞」の委託を受け、4日〜5日にかけて行った各候補の支持率調査では李在明代表が40%、金文洙長官が一桁の7%、続いて韓東勲前代表と洪準杓市長が共に4%、呉世勲ソウル市長が3%、李俊錫議員が2%となっていた。
仮に与党候補が1番人気の金文洙長官となった場合の李在明代表との対決では李代表が53%、金長官が35%と、李在明代表が18ポイントも優位に立っている。
また、韓国テレビ「JTBC」は李俊錫候補を加えた三つ巴となった場合の調査結果も今朝、発表していたが、「李在明45%vs洪準杓24%vs李俊錫7%」と、李在明代表と洪準杓市長の差は21ポイントも開いている。与党候補が呉ソウル市長の場合は23ポイント、金長官になった場合は24ポイント、韓前代表の場合は29ポイントとさらに開いている。
一方、各候補の好感度調査では李代表については「好感を持てる」が33%、「好感を持てない」が36%と、非好感度のほうが多かった。
ちなみに3月中旬に世論調査「公正」が行った「政治家の中で誰が一番嘘つきか」の調査では42.7%が李在明代表の名前を挙げていた。対立候補では洪大邱市長が10.4%、呉ソウル市長が21.3%だったことをみると、有罪となる可能性が高い裁判を3つも、4つも抱えている李在明代表が絶対有利とは言い難い。
与党が党内からではなく、院外から魅力的な候補を擁立した場合には40%の無党派層の動向次第では大統領になれないかもしれない。