2025年12月26日(金)
尹錫悦前大統領の公務執行妨害裁判の求刑は10年以上か、以下か?
尹錫悦前大統領(出典:「JPニュース」)
昨年12月3日に非常戒厳令を発令したことが原因で国会で弾劾され、憲法裁判所で罷免された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領は内乱罪など4つの裁判を受けているが、そのうちの一つ、特殊公務執行妨害(逮捕執行妨害)に関する裁判の結審公判が本日、ソウル中央地裁刑事合意35部(パク・テヒョン部長判事)で行われる。
午前10時15分から始まる結審公判では午前中に当時閣僚だった李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官と崔相穆(チェ・サンモク)副総理(企画財政部長官)の証人尋問が行われた後、特別検察官(「特検」)が尹被告人に求刑する。
尹前大統領の裁判では初の求刑となるが、「特検」はすでに厳罰に処することを公言しているので少なくとも求刑は懲役10年以上になるものと予想される。
「特検」は1審宣告は控訴から6か月以内に下されることを原則としている内乱特検法を盾に来年1月16日までの判決を主張しているのに対して弁護側は尹前大統領自らが肝心要の内乱容疑の判決が出る前の判決は「不当であり、不意打ちだ」と反論し、結審も1審判決も遅らせるよう求めていた。しかし、受け入れられず、裁判所は予定通り、本日結審を終了し、来月16日には1審判決を下す。
尹前大統領及び弁護側が来月16日の判決に抵抗したのは2日後の18日には拘置期限が切れ、保釈されるからである。保釈されれば、最高裁で判決が出るまでは在宅が許され、束縛されることもない。従って、その前に特殊公務執行妨害で有罪判決が下されれば、収監されたままの状態に置かれてしまう。
内乱容疑の裁判はソウル中央地裁刑事合意25部(チ・ギヨン部長判事)で行われており、1月9日に結審(最終弁論)が予定されている。現状では2月初旬には1審判決が下される予定である。有罪ならば、宣告は最高刑は死刑もしくは無期懲役しかない。
尹前大統領を筆頭に1月は「12.3非常戒厳令」に連座し、逮捕、起訴された容疑者らに対して芋ずる式に判決が下される。
1月9日は内乱を共謀した金龍顯(キム・リョンヒョン)元国防長官、加担した呂寅兄(ヨ・インヒョン)前国軍防諜司令官と趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長(警察庁長官)の結審も同時に行われる。さらに12日には非常戒厳令当時、国家を封鎖するため断電と断水を指示した李祥敏(イ・サンミン)前行政安全部長官の結審も予定されている。
容疑者の中で最も早く判決が下されるのは内乱幇助容疑で起訴された韓悳洙(ハン・ドクス)前国務総理で「特検」は11月26日の結審公判で15年の刑を求刑しているが、1審判決は1月21日に予定されている。
尹前大統領に対しては非常戒厳令発令の名目のために紛争を誘発しようとして北朝鮮に無人機を送った「一般利敵罪」の追加裁判も始まるが、裁判所の棄却により拘留が免れていた朴成宰(パク・ソンジェ)前法務部長官、党所属議員の戒厳令解除要求決議採決を妨害容疑で起訴された秋慶鎬(チュ・ギョンホ)「国民の力」前院内総務(幹事長)、それに非常戒厳情報を認知しながら国会に報告せず、証拠隠滅を図った趙太庸(チョ・テヨン)前国家情報院長らの裁判も枕を並べて始まる。
なお、統一教会から高価な貴金属を受け取るなどの斡旋収賄容疑や輸入自動車販売会社の株価を操作し、不当な利益を得た容疑などで起訴され、収監されている尹前大統領の夫人、金建希(キム・ゴンヒ)氏の1審判決も1月26日に予定されている。「特検」は12月3日に懲役15年と罰金20億ウォンン(約2億1千万円)を求刑していた。