2025年12月9日(火)

 「共に民主党 お前もか!」 統一教会に金で抱き込まれた韓国の政界

韓国の統一教会が公開した特別メッセージを発表した日の韓鶴子総裁(出典:韓国統一教会)

 ソウル中央地裁で政治資金法及び請託禁止違反容疑で起訴された統一教会の「教主」でもある韓鶴子(ハン・ハッジャ)「世界平和統一家庭連合」総裁と鄭元周(チョン・ウォンジュ)前総裁室長、それに元教団No.2だった尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長らの裁判が始まっているが、裁判の過程で教団が保守系野党「国民の力」だけでなく、与党「共に民主党」の議員らにも金をバラ撒いていた事実が浮かび上がった。

 統一教会の政界工作を追及している特別検察チーム(特検)はこれまでに教団が▲大統領就任式への招待▲カンボジアのメコン川開発計画事業への支援▲朝鮮半島平和のため国連第5事務局のDMZ(非武装地帯)平和公園への誘致▲教育部長官の統一教会関連行事への出席などを請託するため尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領への選挙資金や金建希(キム・ゴンヒ)夫人への貴金属供与、加えて1億ウォンを献金した権性東(クォン・ソンドン)議員を筆頭に20数人の「国民の力」議員に延べ1億4400万ウォンを献金した事実を掴んでいるが、政界工作を陣頭指揮した尹英鎬前世界本部長が「特検」に対して「文在寅(ムン・ジェイン)前政権の時から「共に民主党」の国会議員にも献金していた」と供述していたことがわかった。

 尹英鎬前世界本部長は当時、文在寅政権とのコネクションを確立するために2018年から2019年にかけて当時現職議員だったA氏に現金4千万ウォンと1千万ウォン相当の時計を渡し、元議員のB氏にも3千万ウォンを手渡したと証言している。

 尹前世界本部長が献金した「共に民主党」にどのような請託を行ったのかは不明だが、2023年4月に教団の幹部、李某「天武院」行政政策室長が党の重責にあったA氏の推薦で「共に民主党」の世界韓人民主会議副議長に起用されていたことが明らかになっている。当時、「共に民主党」の代表は李在明氏で、「天武院」行政政策室長は尹前世界本部長の直属の部下だった。

 また、尹前大統領夫妻と教団の仲介役を担った易者、全聖培(チョン・ソンベ)氏の公判では公開された全氏と尹前世界本部長との通話記録によれば、教団が城南市長時代から李在明大統領の再側近だったチョン・ジンサン前党代表室政務調整室長と接触していた事実も判明している。

 尹前世界本部長は5日に行われた自身の裁判で「共に民主党にも何度もアプローチした。(文在寅政権下の)2017年から2021年の間はむしろ民主党との関係が近かった」と、教団と「共に民主とのとの関係について触れ、「現政権の長官級4人と国会議員のリストをすでに『特検』に提出している」と証言している。尹前世界本部長は求刑が宣告される明日の裁判では「共に民主党」に献金した詳細を暴露すると予告している。

 「特検」が入手した尹前世界本部長のメモ帳には、金銭や物資の提供、韓鶴子総裁との会談に関する詳細な記録が含まれているようだ。また、2022年の大統領選挙直前に韓鶴子総裁の「世界平和統一家庭連合」が作成した「VIP贈り物リスト」を「特検」はすでに入手しているが、そこには文在寅政権の長官級要人らを含む与野党の政治家、7人の名前が書かれているとされている。

 韓国のメディアは取材の矛先を教団と「国民の力」との関係から一転、「共に民主党」との関係に向けているが、教団から金を貰った「共に民主党」の議員は少なくとも4人から15人に上ると推定されている。また、教団から資金援助を受けた議員の中には韓鶴子総裁に礼を述べるため教団総本山を訪れた議員も何人かいるようだ。

 「共に民主党」議員が教団から政治資金を受けていた事実を知ってか知らずか、李在明大統領は今日も大統領府で開かれた閣議で趙元哲(チョ・ウォンチョル)法制処長に「政治に介入し、違法資金で奇妙なことをする宗教団体の解散方法を検討するよう指示したが、検討しているのか」と尋ねていた。

 李大統領は1週間前も国務会議で「政教分離は非常に重要な原則であり、宗教団体がこれを破って体系的に政治に介入する事例がある」として日本で統一教会に対して解散命令が出されたことを例に「我々も制度的な対応を真剣に検討しなければならない」と、法務長官らに直接指示していた。

 因みに李大統領から答弁を求められた趙元哲(チョ・ウォンチョル)法制処長は「これは憲法の問題というよりも民法38条を適用する問題で宗教団体が組織的に深刻な違法行為を持続的に行っている場合は解散が可能である」と答えている。

 統一教会の政治献金絡みでは糾弾される一方だった「国民の力」はここぞとばかり「特検」に対して「共に民主党」を徹底的に調査し、真相を解明すべきと、連日声を上げているが、「共に民主党」の内部でも法制委員会に所属している重鎮議員の朴智元(パク・チウォン)議員らが「党が独自に調査をして、実態を明らかにすべき」と党執行部に申し入れている。

 一昔前に「韓国の政治家は皆、泥棒」という言葉が流行ったが、今も与野党を問わず、韓国の政治家は袖下には弱い。

(参考資料:韓国でもついに統一教会の解散を検討 大統領が直接指示)