2025年2月28日(金)

 トランプ大統領は3月に米韓合同軍事演習に踏み切るのか 北朝鮮が巡航ミサイル発射で牽制

北朝鮮の戦略巡航ミサイルの発射実験(MBCTVからキャプチャー)

 北朝鮮が一昨日(26日)、北朝鮮版「トマホーク」と称されている巡航ミサイルを発射していたことを「労働新聞」を通じて今朝、公表していた。

 「戦略巡航ミサイルの発射訓練を実施した」と言っているところをみると、核を搭載する巡航ミサイルを、それも1発でなく、2発発射したようだ。

 核搭載用ミサイルであることは北朝鮮自らも「発射訓練の目的は任意の空間での朝鮮人民軍の反撃能力と様々な核運用手段の準備態勢を見せ付け、国家核抑止力の信頼性を示すことにある」と、公然と誇示していることからも明らかだ。

 国連安保理の制裁対象となっている弾道ミサイルではないことから韓国軍は即座に反応せず、北朝鮮の発表を待って今日になって「北朝鮮が26日午前8時に発射していたのを注視していた」と国防省詰めの記者らにブリーフイングしていた。

 北朝鮮のミサイル発射は1月6日、14日、25日に続き、今年になって4度目である。巡航ミサイルに限っては1月25日以来である。

 楕円軌道に沿った前回の飛行時間は7507〜7511秒(約2時間5分)、飛行区間は1500kmだったが、今回「7961秒間、7973秒間1587kmの楕円軌道に沿って飛行していた」(北朝鮮の発表)とするならば、飛行時間は1分近く、距離も87km伸びたことになる。

北朝鮮の戦略巡航ミサイル(朝鮮中央通信から)

 前回の巡航ミサイルについては「海上(水中)対地上戦略巡航誘導武器」と、北朝鮮が呼称していたことから潜水艦発射弾道ミサイル「火矢3―31」の改良型とみられていた。「31」は全長70〜80cm、直径40〜45cm、推定重量は200〜300kgの核弾頭「火山31」を指している。

 北朝鮮は潜水艦から「北極星」と呼ばれている潜水艦弾道ミサイル(SLBM)だけでなく、巡航ミサイル(SLCM)も発射できる能力を備えることに重点を置いている。航空母艦だけでなく、グアムなどを攻撃目標としている。

 トランプ政権は3月に予定されている米韓合同軍事演習「2025フリーダムバンガード(自由の盾)」の実施についてまだ正式に発表していないが、韓国軍は今年の演習では国防生成型人工知能(GeDAI)をを試験的に導入し、戦時任務に活用する計画である。

 昨年の米韓連合軍は2月28日に「3月4日から11日間の日程で合同軍事演習を実施する」と正式発表されていた。