2025年2月7日(金)
試掘1回で霧散した「資源大国の夢」 韓国の石油・ガス田は経済性ゼロ!
韓国のガス・石油探査(韓国石油会社配信)
韓国が「シロナガスクジラ」と名付け有望視していた日本海(東海)の深海にあるガス田の候補地でボーリング調査を行った結果、残念ながら経済性がないことがわかった。
所管の産業通商資源部の崔南浩(チェ・ナムホ)第2次官は昨日(6日)「ボーリング調査を行った結果、ガスの兆候が暫定的に一部あったことは確認したもののその規模は経済性を確保できる水準ではなかった」ことを記者会見の場で明らかにした。韓国政府は可能性がある限り、海外の石油メジャーの投資を誘致して今後も数年かけてボーリングを継続する方針だが、外資を誘致できるかどうかが鍵となりそうだ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「慶尚北道浦項市の迎日湾沖に莫大な石油とガスが埋蔵されている可能性が高い」と発表したのは昨年6月3日のことである。
「その規模は最大140億バレルに達する」とか「深海鉱区としては今世紀最大の石油開発事業とされる南米ガイアナの110億バレルより多い資源量である」と大統領が直接、誇らしげに記者会見を開いて発表したわけだから国民が資源のない国から「資源大国」になれると沸き立つのは無理もない。埋蔵規模が140億バレルならば、韓国は世界第15位の産油国となれるからだ。
大統領の記者会見に同席した安徳根(アン・ドックン)産業通商資源部長官は「その資産価値はサムスン電子の時価総額を約440兆ウォン(約50兆円=昨年6月の時点で)の5倍に上り、約2200兆ウォンの価値がある」と試算していたが、それが泡と消えてしまった。
「石油が、ガスが出る」と大統領が華々しく公言しながら出なかったのはこれが2度目だ。
米下院外交委員会で韓国の人権抑圧に関する公聴会が開かれるなど朴正煕(パク・チョンヒ)政権に対する国際社会の風当たりが強くなっていた1976年、朴大統領は年頭の記者会見で「浦項の迎日湾に原油が埋蔵されている」と大々的に発表し、国民は歓喜に浸った。しかし、1年後に経済性がないことがわかり、産油国への夢は一瞬にしてハプニングに終わってしまった。
今回も「徳川埋蔵金」のような「夢」のような話で終わったが、専門家の間では「探査もボーリングもしていない段階での発表はあまりにも性急すぎる」と言われ、さらに「埋蔵されている」とのお墨付きを与えた米国の深海技術評価専門企業(アクトジオ社)は「実体のないペーパーカンパニーなのでもっと調べてから取り組んだ方が良い」と言われていたのに尹大統領はなぜ急いだのか、今に思えば、やはり「お家事情」が背景にあったと言わざるを得ない。
尹大統領が「ガス田発見」を発表した昨年6月は政権与党「国民の力」が総選挙(4月10日)で大敗し、尹大統領の支持率が37%から30.6%と大幅減少し、30%を割る寸前だった。また、国会では金建希夫人の疑惑追及も始まっていた。折しも、尹大統領が非常戒厳令の計画を練り始めたのもこの頃である。
それと、まさかと思うが、占い師の「お告げ」を信じたがゆえのフライングの可能性もなくもない。
尹大統領夫妻が「イ・チョンゴン」という白衣をまとった占い師に嵌まっていることは秘密でも何でもない。
占い師・イ・チョンゴン氏(チョン・ゴンユーチューブチャンネルから)
実は、この占い師は尹大統領の発表の2週間前から「我が国が産油国になれないと思うか?これから産油国になるだろう。この国の下にはガスも石油もあるのだ」と、自身のユーチューブで流していた。こうしたことから当時、野党「共に民主党」の金容民(キム・ヨンミン)議員が国会の場で「『大統領の重大な発表には占い師の影がちらついている』とあちらこちらで囁かれているが、偶然の一致であって欲しい」と危惧していたほどだ。
「重大な発表」の中には大統領府を鐘路区の北岳山の麓から竜山に移したことも含まれているが、約50億円の税金を費やしたこの移転は「方角が悪い」との占い師の忠言によるものだった。皮肉なことに移転は凶となり、尹大統領は現在、弾劾され、収監の身に置かれている。
この占い師は今も「尹大統領は天が授けた大統領である。天は尹大統領に世界の力を結集してくれるだろう。尹大統領は天の助けで状況を反転することができる」と、3月には尹大統領は復帰できると、占っているが、「二度あることは三度ある」か、それとも3度目の正直となるのか、尹大統領にとっては気が気ではないであろう。
(参考資料:韓国人の10人中6人が政府の「原油埋蔵発見」に懐疑的?「徳川埋蔵金」のような「夢」で終わるのか?)
(参考資料:韓国の大統領はなぜ、占い、お告げに嵌まるのか)