2025年7月28日(月)
早くも破綻した李在明政権の対北「微笑外交」 「金正日の妹」に肘鉄を食らう
李在明大統領(右)と金正恩総書記(「共に民主党」と「労働新聞」からキャプチャー)
李在明(イ・ジェミョン)政権が発足した6月に掲載した「共通点の少ない李大統領と金総書記は馬が合うのか?」(29日付)の見出しの記事で「李大統領が統一を断念し、二つの国家の存在を認め、『南北関係』を『韓朝関係』に改めて(北朝鮮に対して)アプローチするならば、在任中の関係改善は可能かもしれないが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の時のあの良き『南北関係』の復元を追求するならば、いつまで経っても朝鮮半島の平和構築は容易ではないであろう」と書いたが、北朝鮮の李政権への対応は予想した通りだった。
(参考資料:共通点の少ない李大統領と金総書記は馬が合うのか?)
金正恩(キム・ジョンウン)総書記の右腕でもある妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は李政権に向けて「我々はソウルでどんな政策が樹立され、どんな提案がされようと興味がなく、韓国と対座することも、議論する問題もないという公式立場を再度明白にする」と、突き放すメッセージを今朝、発信していた。
確かに北朝鮮は敵対的だった尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が弾劾、罷免され、大統領選挙で融和的な李在明氏が当選しても大騒ぎしなかった。
大統領が6月4日未明に決まってから1日経って国営放送が「韓国で昨年の『非常戒厳事態』で大統領が弾劾されてから2か月後に大統領選挙が行われた。選挙では共に民主党の候補、李在明が21代大統領に当選した」とごく簡単に触れただけだった。
その理由について金与正副部長は今朝の談話の中で「韓国で誰が大統領に当選されようと、どんな政策が樹立されようと意に介さなかったからだ」と述べていたが、無関心の理由については何よりも韓国を同族でも同胞でもなく、外国扱いにしていることに尽きる。
金正恩総書記は2023年12月末に開かれた労働党中央委員総会での報告で「韓国を和解と統一の相手に見なすのはこれ以上、我々が犯してはならない錯誤と思う」と総括し、翌年の2024年1月15日に開催された最高人民会議での施政演説では「南北関係がこれ以上同族関係、同質関係ではない敵対的な二国家関係、戦争中にある完全な二つの交戦国関係である」ことを強調した上で「我が共和国の民族史で『統一』『和解』『同族』という概念自体を完全に除去する」と宣言していた。
李在明政権内には「敵対的な尹錫悦政権だから断絶を宣言しただけで進歩政権になればまた以前の関係に戻る」との待望論があるが、保守から進歩への政権交代があっても北朝鮮の「韓国相手にせず」の政策が変わらないことをどうやら「金与正談話」がダメ押ししたようだ。
金総書記は前出の労働党中央委員総会での報告で「我々を『主敵』と宣布して、外部勢力(米国)と結託して『政権崩壊』と『吸収統一』だけをうかがう一味(尹錫悦政権)を和解と統一の相手に見なすのはこれ以上我々が犯してはならない錯誤である」と、南北対話や統一政策を放棄する理由を語っていたが、金与正副部長は吸収統一を追及しないと明言している李在明政権についても「解体されるべき統一部の正常化を時代的課題に示したことを見ても吸収統一という亡霊に精神的に囚われた韓国政客の本性は絶対に変らないということを改めて確認することができた」と不信を露わにしていた。
李政権は南北関係を正常化させるため廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一部長官を務め、南北首脳会談を実現させた鄭東泳(チョン・ドンヨン)「共に民主党」議員を統一部長官にカムバックさせる一方で、脱北団体の北朝鮮へのビラ散布や韓国軍の対北拡声器放送を中止し、尹錫悦前政権下で白紙化された南北軍事合意の復元などを公言し、実施しているが、金与正副部長はこうした李政権の誠意のある措置ですら「いくら同族の真似をしてあらゆる正義のことをやり尽くすかのように騒ぎ立てても、韓国に対するわが国家の対敵認識には変化があり得ず、朝韓関係の性格を抜本的に変えた歴史の時計の秒針は逆戻りさせられない」と素っ気なく対応しているので李政権としてはこれでは手の打ちようがない。
李政権の北朝鮮政策は早くも試練に直面していると言っても過言ではない。
(参考資料:北朝鮮から冷水を浴びせられた李在明大統領の「就任演説」)