2025年3月12日(水)

 尹大統領釈放後の世論調査も弾劾「賛成」が「反対」を上回る 浮上する次期大統領候補「李在明暗殺計画」

「共に民主党」の李在明代表(「共に民主党」HPから)

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がソウル中央地裁の拘束取り消しの決定により3月9日に釈放されてからの世論調査の結果が出た。

 韓国の大手世論調査会社「リアルメータ」が「エネルギ経済新聞」の依頼で尹大統領が釈放された翌日(10日)に実施した世論調査によると、憲法裁判所が「弾劾、罷免すべき」が55.6%、「弾劾を棄却し、大統領職務に復帰させるべき」が43.0%だった。

 与党「国民の力」及び大統領支持者らは尹大統領の釈放を勝ち取ったことで勢いづいているが、それが世論に反映され、直ちに「弾劾棄却」の声に結びついてはおらず、むしろ、2月第3週の調査結果よりも2.1ポイント下落し、逆に「弾劾すべき」が3.6ポイントも上がっていた。

 保守層では「棄却すべき」が69.6%、また進歩層では「弾劾すべき」が82.3%と、それぞれのコンクリート支持層では賛否は高い率となって表れているが、カギを握る中間(中道)層は65.8%が弾劾に賛成していた。

 別の世論調査会社「ハンギル・リサーチ」が「国民日報」のインターネットニュース「KUKINEWS」の依頼で8日〜10日にかけて行った調査でも「弾劾賛成」が53.6%、「弾劾反対」が42.9%と、「リアルメータ」と同様に10ポイント以上の開きがあった。

 仮に尹大統領が弾劾、罷免されれば、2カ月以内に大統領選挙が実施されるが、本命視されている野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対して与党から支持率1位の金文洙(キム・ムンス)労働部長官が出馬した場合は、47.0%対34.0%、2位の洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長が候補となった場合は46・8%対24.9%、さらに呉世勲(オ・セフン)ソウル市長との対決となった場合でも47.9%対23.8%と、李代表が大きくリードしていた。但し、政党支持率では「国民の力」が38.5%、「共に民主党」が39.2%と僅差だった。

 こうしたことから「極右」と称されている過激な大統領支持者中には憲法裁判所で弾劾、罷免の判決が出た場合は、承服せず、憲法裁判所の焼き討ちどころか「反乱」「内戦」も辞さないとの声が上がっており、野党は警察に李代表の身辺警護の強化を求めている。

 今朝、共に民主党の?靖雅(ファン・ジョンア)代弁人が野党詰めの記者らに「最近、李代表の身辺を脅かす具体的な情報を得た。かつてHID(北派工作部隊)707に所属したOBらがロシア製の拳銃を密入し、暗殺計画を立ているとの情報が何人かの議員の手元にメールで届いていることがわかった」として、警察に李代表の身辺警護を強化する要請することを明かしていた。

 尹大統領の弾劾の可否を巡る憲法裁判所の宣告は当初、今週14日に下るものと予想されていたが、現状は来週に延びる公算が強い。