2025年5月6日(火)
哀れ!3つの捜査機関から狙われ、外出できない金建希夫人
大統領公邸から引っ越した時の金建希夫人(「JPニュース」から)
最高刑が死刑もしくは無期懲役の内乱容疑の裁判を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領はソウルの自宅マンションに移ってからマンション内を散歩したり、警護員の車で郊外のレストランでランチを取ったり、愛犬を連れて近くの公園を散策したり、一見余裕綽々の日々を送っているようにみえるが、金建希(キム・ゴンヒ)夫人については4月11日に大統領公邸から引っ越しした際にその姿が映像で捕えられただけで動静は全く伝えられていない。
夫が逮捕され、拘置所に収監された時、弁護士だけでなく与党の幹部らが入れ代わり立ち代わり面会に訪れていたが、金夫人は一度も面会することはなかった。金夫人が外出したのは夫が非常戒厳令を宣告した昨年12月3日に整形外科を訪れたのが最後で、かれこれ5カ月以上も外出を控えている。
金夫人は先月、野党が国会に参考人として出席を求めた際には「心身衰弱」を理由に出席を拒んでいたが、マンションから一歩も出ないのはそれなりの理由がある。
金夫人は夫以上に様々な疑惑が掛けられている。経歴詐称から株価操作、収賄にいたるまで疑惑件数は12〜13件に上る。
BMWなど国内販売権を持つドイツモータズの子会社「ドイツファイナンシャル」の転換社債を相場よりも安い価格で購入した「株価操作疑惑」はソウル高検が、2022年の国会議員補欠選挙当時、政界ロビイスト、孟太均(ミョン・テギュン)氏の要請を受け、金映宣(キム・ヨンソン)前議員の公選に介入した疑惑はソウル中央地検が、そして今、最もメディアの関心を集めている旧統一教会元幹部からの6000万ウォン相当のダイヤのネックレス授受疑惑はソウル南部地検が担当しており、いずれも金夫人を引っ張ろうと虎視眈々と狙っている。一歩でも外に出れば、「ご同行を」と言われかねない。
「株価操作疑惑」と昨年急浮上した「公選介入疑惑」については検察はすでに捜査は終えており、後は金夫人を出頭させ、取り調べて供述を取り、起訴するだけと伝えられている。
「ダイヤネックレス授受疑惑」は旧統一教会のNO.2だった尹英鎬(ユン・ヨンホ)世界本部長が尹前大統領夫妻の「指南役」と称されている易占術師の「コンジン法師」(本名:チョン・ソンベ)を通じて6000万ウォン相当のネックレスを渡したとされる疑惑である。
検察はこの件で、4月30日に尹前大統領夫妻のマンションとマンションの地下にある金夫人のオフィス「コバナコンテンツ」の家宅捜索に入ったが、大統領経験者への家宅捜査は2013年の全斗煥(チョン・ドファン)元大統領以来12年ぶりのことである。
また、5月2日には尹英鎬世界本部長と2020年から旧統一教会本部の財政局長だった尹本部長の妻を請託禁止法違反で起訴し、2人に対して出国禁止の措置を取っている。なお、2人は2023年5月には免職され、教団から離れている。
検察はまた、5月3日には易占術師を容疑者として検察に出頭させ、長時間にわたって調査を行っている。
家宅捜索ではネックレスなどの「証拠品」を見つけ出すことはできなかったが、検察は教団が手掛けていたカンボジアのメコン川開発プロジェクトへの対外経済協力基金(ODA)による協力や国連第5事務局の朝鮮半島非武装地帯への誘致を働き掛けるためネックレスだけでなく、シャネルのバックなど数億ウォンの金品を金夫人に「賄賂」として手渡したと睨んでいる。
検察は家宅捜索の令状では金夫人を「参考人」扱いにしていたが、金夫人の容疑が固まり次第「容疑者」に切り替え、検察に出頭させる方針と伝えられている。
検察に狙われている限り、外出したくてもできないのが今の金建希夫人ではないだろうか。