2025年10月30日(木)
韓国の独立メディアが統一教会の韓鶴子総裁の「海外遠征賭博」の物証を公開
韓国の独立メディアが29日に放映した韓鶴子総裁のラスベガス賭博疑惑(出所:ニュース打破)
偶然とは重なるものだ。
安倍晋三元首相を殺害した罪で問われている山上徹也被告の初公判が行われた前日(10月27日)に奇しくも韓国では政治資金法違反容疑等で起訴された統一教会の教祖、韓鶴子(ハン・ハッジャ)世界平和統一家庭連合総裁の公判準備手続きが行われていた。この二つの裁判がリンクしていることはあえて触れるまでもない。
韓鶴子総裁の裁判は12月1日から本格的に始まるが、韓総裁には政治資金法違反を含め4つの容疑がかけられている。そのうちの一つに日本の信者からの寄付金を使い、ラスベガスで賭博を行ったことの証拠隠滅容疑がある。
折しも一昨日(29日)教団のラスベガス賭博疑惑を扱ったユーチューブ番組が韓国で放映されていた。取り上げたのは韓国探査ジャーナリズムセンターが運営する「ニュース打破」という独立メディア媒体である。企業や団体からの協賛金や広告を受けず、読者、視聴者の会費で運営しているニュースサイトで、2012年からユーチューブ放送を開始している。
この日は「尹錫悦政権が伏せていた『韓鶴子海外遠征賭博』物証を公開」という見出しでチョン・ヒョスク記者とチェ・ヘジョン女性記者の取材を基にこの疑惑を正面から取り上げていた。放送時間は9分程度だが、要約すると、以下のような内容になっていた。
「2018月2日2日、ラスベガスのカジノホテルチェーンであるMGMリゾートインターナショナルの『Mライフプレイヤーズクラブ』が世界平和統一家庭連合の韓鶴子総裁に送った文書がある。ここには韓鶴子総裁がラスベガスのあるカジノで使ったギャンブル資金の内容が整理されている。スロットマシンで使った金額から始まり遠征ギャンブルで使用した総額まで示されている。この文書によると、韓総裁は2011年だけで69万ドル以上、当時為替レートで約7億4千万ウォンをスロットマシンに入れ、4万5千ドル(約4800万ウォン)を失っている。この文書は韓総裁の遠征ギャンブルの事実の明白な物証となっている」
「海外遠征賭博した統一教会関係者は韓総裁一人ではない。『ニュース打破』が入手した文書には韓総裁を含む統一教会関係者12人の名前と、2008年から2011年までの4年間、米国ラスベガスのカジノで使ったギャンブルの詳細が盛り込まれている。韓総裁の最側近として知られる鄭元周(チョン・ウォンジュ)総裁秘書室長は海外遠征賭博に2008年から4年間、スロットマシンに約380万ドル(約41億ウォン)をかけ、約15万ドル(約1億6千万ウォン)を磨った。現在、北米統一教会を担当しているキム某北米会長は同じ期間に240万ドル(約26億ウォン)を賭けて28万ドル(約3億ウォン)を磨った。このように2008年から2011年まで統一教会関係者12人が海外遠征賭博で使った約4300万ドル(約500億ウォン)に肉薄する。このうち650万ドル(約70億ウォン)を超える金が失われた」
「韓総裁をはじめとする統一教会幹部らの海外遠征ギャンブル資金はどこから来ているのか?当時、米国の税務当局は統一教を相手にギャンブル資金の出所を探っていた。『ニュース打破』は統一教内部関係者を通じて当時、統一教が米国税務当局に提出した資料を入手した。信者らの寄付金だった。この資料には統一教会信者の名前と性別、ラスベガスに向け出発した日付、それにラスベガスの統一教会に献金した金額が記載されていた。結局、韓総裁ら統一教会関係者らは信者たちが寄付金で海外遠征に賭けたことを事実上認めたことになる」
「資料によると、2009年から2011年までの約3年間、日本統一教会信者1256人がラスベガス統一教会に951万ドル以上、100億ウォン以上を献金したことが書かれている。驚くべきことは、ラスベガスを訪れ、供物を捧げた日本統一教会の信者らは持ち出し限度額の1万ドル未満の額を持って出国していたことだ。出国時に現金100万円以上を持参していた日本人は一人もいなかった。この資料により統一教幹部の海外賭博資金の出所が現金であったこと、また調達方式も明らかにされた」
「(韓国の)警察は韓総裁の海外遠征賭博、横領、外国為替管理法違反などの疑惑を少なくとも2022年から認知していた。(中略)警察は2022年5月、特定経済加重処罰法による横領、外国為替管理法違反など韓総裁の遠征賭博関連情報報告を受けていたことも確認された。しかし、警察は確かな証拠があるにもかかわらずどういう訳か捜査を進めなかった。代わりに奇妙なことが起こった。韓総裁の遠征ギャンブル関連警察捜査情報が統一教首脳部に流出していたのだ」
「統一教会に警察情報を流出した人物は尹錫悦前大統領の最側近だった『国民の力』の権性東(クォン・ソンドン)議員だった。権議員は現在、尹錫悦政府と統一教との政教癒着の核心的な役割担った容疑で逮捕され、裁判に引き渡されている。権議員の拘束令状には『権議員が2022年10月3日に統一教会のナンバー2と呼ばれた尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長に警察が韓総裁の遠征賭博事件を捜査しているという事実を知らせた』と書かれてある」
「統一教会は権議員から捜査情報を受けると直ちに韓総裁を含めた統一教幹部らの海外遠征賭博関連証拠を隠滅した。以後、警察は統一教会の海外遠征賭博疑惑を本格的に調査することはなかった。権性東議員が警察の捜査情報を流出した疑惑だけでなく、尹前政権レベルでもみ消しを図ったのか特別検察チームが究明すべき部分である」
統一教会側は番組に対して韓総裁をはじめとする統一教関係者の遠征賭博関連疑惑について「提起された事実と異なる疑惑が多い。裁判が進行中であり、法廷で明らかにする必要がある事実については言及することは難しいことを理解もらいたい」とのコメントを出していたが、拘置所に収監されている韓総裁はすでに特別検察チームの取り調べに休息を取る次元でカジノをやったことは認めている。
韓総裁は「米国の永住権」を持ち出し、違法性がないことを訴えているようだが、国籍が韓国籍である限り処罰の対象となる。
韓国の法律では一時的な娯楽の範疇を超えるギャンブル、特に高額の常習賭博については強力な処罰条項を設けており、賭博金の出所によって外管理法違反や横領容疑などが適用される。