2025年10月8日(水)
北朝鮮の軍事パレードで金総書記の右隣に立つVIPは中国か、ロシアか、ベトナムか、ラオスか?
平壌に一番乗りして金正恩総書記と会談したラオスのシスリット国家主席(朝鮮中央通信)
北朝鮮は10月10日に朝鮮労働党創建80周年を迎える。
国際社会の目は2023年7月の祖国解放戦争勝利(朝鮮戦争休戦)70周年記念軍事パレード以来、2年3か月ぶりに行われる軍事パレードに集まっている。
しかし、それよりも興味をそそられるのは80周年式典の雛壇に整列する各国代表の並び順である。ズバリ言うと、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の両隣に立つVIPが誰になるのかが最大の注目点である。
式典には中国、ロシア、ベトナム、ラオス、イランなどの友好国のほかにブラジル、ニカラグア、赤道ギニア、メキシコ等から代表団が招かれている。中でも中国、ロシア、ベトナム、ラオスの4か国はいずれも首脳級を送り込んでいる。
中国は共産党序列2位の李強総理、ロシアも序列2位のドミートリー・メドベージェフ前大統領、べトナムは最高指導者のトー・ラム共産党書記長、ラオスもまた、最高指導者のトンルン・シスリット国家主席である。
李強総理の訪朝は中国の総理としては2009年10月の温家宝総理以来16年ぶりとなる。10年前の70周年には序列5位の劉雲山政治局常務委員を送っていたことを考えると、格上の李強総理の派遣は中国が北朝鮮との関係を重視していることの表れでもある。
メドベージェフ前大統領は政権与党「統一ロシア」の党首で、プーチン大統領が議長をしている安全保障会議の副議長のポストにある。金正日(キム・ジョンイル)前総書記が2011年8月に訪露した時の大統領であった。
ベトナムは9月の中国の「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」にはNo.2のルオン・クオン国家主席を送っていたが、北朝鮮の式典には最高指導者のトー・ラム共産党書記長が出席する。ベトナムの最高指導者の訪朝は2007年のノン・ドク・マイン共産党書記長以来実に18年ぶりである。両国は修交75周年にあたる今年を「親善の年」に定めている。
ラオスのトンルン・シスリット国家主席は政権党である人民革命党中央委員会書の書記長のポストにある。ラオス最高指導者の訪朝も2011年9月のチュマリー・サヤソン大統領以来14年ぶりとなる。シスリット主席は当時、副首相兼外相として随行していた。
北朝鮮が友好国の序列を重視するならば、当然、中露の来賓が金総書記を挟んで左右に立つことになる。しかし、この場合、どちらを金総書記の右(向かって左)に立たせるかが問題となってくる。
北朝鮮の第1の友好国がロシアならばメドベージェフ前大統領が順当なところだが、中央アジアや東南アジアから数多く国家元首が出席した「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典」では金総書記は習近平主席の左側に立たせてもらった「恩義」を考えると、事はそう簡単なことではない。
北朝鮮の公式報道をチェックすると、李強総理を団長とする中国の党・政府代表団は「朝鮮労働党中央委員会と政府の招待による公式親善訪問」となっており、メドベージェフ委員長を団長とする全ロシア政党「統一ロシア」代表団の訪朝は「労働党中央委員会の招待による祝賀行事参加のための訪問となっている。
李総理は北朝鮮政府からも招かれていることからメドベージェフ前大統領の訪朝よりもグレードアップしている感が否めないが、一方、ベトナムのトー・ラム共産党書記長は「労働党総書記である金正恩同志の招きによる国家訪問(国賓訪問)」となっており、またラオスのシスリット国家主席も「労働党総書記、国務委員長の金正恩同志の招きによる労働党創建80周年への祝賀訪問」となっている。
ベトナム、ラオスのゲストは金総書記の名前で招待しており、また、最高指導者であることから、北朝鮮が肩書を重視するならば、この二人が金総書記の両脇に立つことになるのではないだろうか。金総書記の右に「国賓訪問」のベトナムのトー・ラム共産党書記長、そしてその反対側に「祝賀訪問」に来たラオスのシスリット国家主席が並び立つことになるものと推測する。
そして、李強総理はトー・ラム共産党書記長の隣、メドベージェフ委員長はシスリット国家主席の隣に位置すると予想するが、10日にはその結果がわかる。