2025年9月15日(月)
韓国統一教会「正念場の週」 贈賄容疑で韓鶴子総裁は出頭、収賄容疑で権性東議員は逮捕へ
韓国の統一教会が公開した特別メッセージを発表した日の韓鶴子総裁(韓国統一教会配信)
尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権への統一教会の請託疑惑を追及している特別検察官チーム(特検)は「教主」でもある韓鶴子(ハン・ハッジャ)「世界平和統一家庭連合」総裁に対して再三にわたって出頭し、取り調べに応じるよう求めている。
しかし、韓総裁は1回目の9月8日は4日前に入院し、心臓の施術を受けたことを理由に、2回目の9月11日には酸素飽和度が正常範囲を下回っていることを理由に、そして3回目の今日(15日)は不整脈など健康問題を理由にいずれも直前になって出頭要請に「ノー」の回答を寄せている。
このため「韓総裁は捜査から逃れようとしている」とみなした「特検」が裁判所に逮捕状の請求を検討したところ、韓総裁の弁護団は急遽、「健康が回復すれば、17日もしくは18日に出頭する」との意向を明らかにしてきた。
出頭すれば、「特検」は2022年4月〜7月にかけての金建希(キム・ゴンヒ)夫人へのネックレス贈与疑惑や最大野党「国民の力」の前院内総務、権性東(クォン・ソンドン)議員への不正献金などの疑惑を参考人ではなく、容疑者として調べることにするが、いずれの容疑にも関与している元教団No.2の尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長と妻の元教団財政担当局長、それに仲介役を担った「乾真法師」として知られる易者、全聖培(チョン・ソンベ)氏らがすでに起訴されていることから容疑が固まれば、韓総裁にも逮捕状を請求するとも伝えられている。尹英鎬前世界本部長の起訴状には韓総裁は「共謀」と記述されているからだ。
これに対して韓総裁側は▲一連の不正疑惑には関与していないこと▲自ら進んで捜査に応じていること▲4日に心臓の施術を受けたばかりで体調が思わしくないこと▲病院から再施術を勧められていること▲82歳と高齢であること▲宗教者であることなどを勘案すれば逮捕されることはないと踏んでいるようだが、韓総裁にとって気がかりなのは、明日(16日)午後に行われる収賄容疑者、権性東議員の逮捕請求を巡る裁判所の審査結果である。裁判所が権議員の逮捕を認めるようなことになれば、韓総裁の贈賄容疑に連動するかもしれないからだ。
権議員は2022年1月5日に尹前世界本部長から1億ウォン(約1000万円)を、2022年2月と3月に加平の教団の総本山で金品の入ったショッピングバッグを韓総裁から直接受け取った収賄容疑を全面否認している。
韓総裁側は金建希夫人と権議員への贈賄は韓総裁も、教団も全く関与しておらず、尹前世界本部長が自身の私利私欲のため教団の金を不正に横領し、勝手に行ったことと主張し、韓総裁の「首謀」もしくは「共謀」容疑を晴らそうとしている。そのために尹前世界本部長と妻の元財政局長を横領と詐欺の容疑で検察に告訴している。教団の告訴状には以下のようなことが記されている。
▲2021年7月〜2023年4月の間、計225回にわたり私的なカード、商品券の支出を公務用と偽装した。総額で11億955万277ウォン(例:ネックレス6220万ウォン、バッグ1437万ウォンなど)
▲2021年9月〜2023年4月の間、29回にわたり自費領収書を二重請求した。計1億7406万5150ウォンを送金させて着服した。
▲法人カードで決済したにもかかわらず自費支出と偽り、領収書を提出し、補填を受領した。
▲2022年1月、行事費2億5000万ウォンを「5億ウォン」として伝票を作成させた。差額の2億5000万ウォンを横領した。また、2022年5月にも同様の手口で自費伝票を二重作成し、計3億8218万4480ウォンを横領した。
要は尹前世界本部長夫婦が教団の金を横領し、私的に流用したという構図になっているが、尹前世界本部長は「特検」に「高価な金品を購入する時に現金や妻の個人カードを使ったのは背任などを憂慮した韓総裁の指示によるもので後から教団から清算してもらった」と供述している。こうしたことから「特検」は韓総裁に対して請託禁止法違反だけでなく横領容疑でも調査するものとみられる。
教団は危機感を深め、国内外から教団幹部や信者らを緊急招集し、今月10日から加平にある教団の総本山で韓総裁の安危を祈願する千人単位規模の集会を開いているが、集会は22日まで継続して行われる。
その一方で教団と親しい関係にある米国の有力者らに対して李在明(イ・ジェミョン)政権に対して統一教会への宗教弾圧を止めるよう働きかけているが、すでにペンス元副大統領やポンペオ元国務長官らが抗議の声を上げている。
(参考資料:検察に出頭しても、拒んでも逮捕の危機 絶体絶命の統一教会の韓鶴子総裁)