2025年9月19日(金)

 浮かび上がった統一教会と尹錫悦前政権とのコネクション 信者11万人が選挙支援のため集団入党?

献金を受けた権性東議員(左)と韓鶴子総裁(権議員HPと韓国統一教会からキャプチャー)

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権と統一教会との癒着を捜査している特別検察官チーム(特検)は韓鶴子(ハン・ハッジャ)世界平和統一家庭連合総裁に逮捕令状を請求した昨日(18日)、尹政権下で与党だった「国民の力」の党員名簿のデータベースを管理する会社を家宅捜査し、同党が差し出すのを拒んでいた党員名簿を入手し、名簿から信者とみられる11万人を確認したようだ。

 教団への家宅捜索で確保した信者120万人の名簿と、約500万人の「国民の力」の党員名簿を照らし合した結果、約11万人が同一人物と推定されたようだ。「特検」は7月18日に京畿道・加平にある統一教会の総本山「天正宮」や「天苑宮」と竜山にある世界本部事務所を含め教団の関連施設を家宅捜査し、会計資料やパソコン内のファイルなどを押収していた。

 ネックレスから端を発した騒動が統一教会との関係まで炙り出されるとは「国民の力」も想定していなかったようだ。それもそのはずで、当初、「特検」の尹前大統領夫妻関連疑惑には「統一教会疑惑」が含まれていなかった。検察が追っていたのは尹前大統領夫妻の「指南役」と称されていた占い師、全聖培(チョン・ソンベ)氏との「ただならぬ関係」だった。

 ところが、占い師を捜査している過程で教団NO.2だった尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長がこの占い師を通じて高価なダイヤモンドネックレスやシャネルのバッグを金建希(キム・ゴンヒ)夫人にプレゼントした疑惑が浮上したことで事態が急変し、「特検」は尹前本部長を出頭させ、本格的な捜査に乗り出すことになった。

 尹前本部長は両親共に信者で、教団所有の「鮮文大学」を卒業後に組織に入り、2016年頃から韓鶴子総裁の目にとまり、秘書室事務総長に任命され、2020年5月には統一教会世界本部長に抜擢され、教会の実力者として頭角を現したことで知られている。

 尹前本部長の自供に基づき「特検」はすでに教団から1億ウォンの政治資金を貰った容疑で「国民の力」の元院内総務(幹事長)、権性東(クォン・ソンドン)議員を逮捕しているが、これを突破口に金銭関係も含め教団と「国民の力」との癒着を追及する構えを見せている。

 これまで「特検」の捜査や韓国メディアの取材で明らかになった教団と尹錫悦前政権との関係は以下のとおりである。

[2022年]

 1月5日 尹前本部長が汝矣島の中華レストランで「尹錫悦大統領候補のために使って欲しい」と「大きいのを1枚(1億ウォン)」を大統領選挙対策総括本部長だった権議員に直接手渡す。

 2月13日 選挙管理委員会に候補登録を終えた尹錫悦大統領候補がロッテホテルで開かれた統一教会の「ワールドサミット2022年」行事に出席する。

 2月X日 権議員が加平の教団の総本山を訪問し、金品の入ったショッピングバッグを韓総裁から貰う。「特検」はバッグには5億ウォン入っていたと推定。

 2月中旬 尹前本部長は占い師に「2024年の総選挙勝利のため約束とおり組織的に最善を尽くしており、個人の入党だけでなく、大統領選挙の時のように組織(教会や社団法人)なども秘密裏に協力している」とのメッセージを送る。

 3月2日 韓総裁が第20代大統領選1週間前にソウルの蚕室ロッテホテルに統一教会の最高幹部120数人を極秘裏に集め、「大統領選は天を前に責任を果たすべき最後の機会だ。愛国歌が奏でる神から我が国を守ってくれるため今回は2番の尹錫悦候補を選択した」と、尹錫悦大統領候補支持を打ち出す。

 3月X日 教団が「国民の力」の市、道(県)党委員長らに現金2億ウォンを支給。

 3月X日 教団の慶尚道支部幹部6人が「国民の力」の中央後援会に3千万ウォンを支援。

 3月9日 尹悦錫候補が約25万票の僅差で第20代大統領に当選。

 3月X日 金建希夫人が尹前本部長に電話し「当選を手助けしてくれてありがとう」と礼を述べる。

 3月22日 尹前本部長が午前中に権議員に会い、午後2時から尹錫悦大統領当選者に約1時間単独で面会。尹前本部長は自身の手帳にこの日のことを「歴史的な日」と記す。

 3月24日 教団が権議員をはじめ「国民の力」の3人の議員と2人の前議員に500万ウォンを献金。(4月4日まで5回に分けて)

 4月X日 尹前本部長が尹大統領の当選祝いとして802万ウォン相当のシャネルバッグを金建希夫人にプレゼント。

 5月31日 尹前本部長が統一教会部長会議で大統領府が竜山に移されたことや竜山に多数の統一教会機関が位置していることについて発言し、「竜山の時代が来た。我々の基盤は竜山にある。世界本部が介入すべきである」と気勢を上げた。

 7月X日 尹前本部長が金建希夫人に贈与するため1271万ウォン相当のシャネルのバッグと高級人参茶を占い師に渡す。

 10月X日 尹前本部長が占い師を通じて金建希夫人にダイヤのネックレスを贈与。

 11月 尹前本部長が「国民の力」の代表選で権議員の支援に乗り出す。

 12月17日 カンボジアから帰国した尹前本部長が占い師に「韓国産業銀行なども不動産開発ローンの議論の対象になるかもしれない」との内容のテキストメッセージをメールで送ると、占い師が「尹漢洪(ユン・ハンホン)議員ならば解決できる」と返事。

[2023年]

 1月X日 尹前本部長は権議員が代表選出馬を取りやめたことで来る総選挙で比例代表の公認が流れるのではと心配したが、占い師が「必ず比例を取れるよう措置を講じる。秘密裏に成就させる」と約束する。

 2月中 党代表選に不出馬を宣言した権議員に代わり出馬した金起R(キム・ギヒョン)議員を支援するため教団信者が大量入党。(金議員は3月に代表に選出される)

 2月X日 尹前本部長が「金建希夫人に伝えてもらいたい」と、占い師に以下のようなメールを送る。「2024年総選挙勝利のため約束した通り、組織的に最善を尽くしている。個人だけでなく、大統領選挙の時のように組織(教会・社団法人)などが秘密裏に協力している」として、新規入党者1万T10T人、既存党員2万T250人と報告。

 7月X日 韓総裁がカンボジアを訪問。「フン・セン首相にアジア―太平洋文明圏について説明し、アジア太平洋連合本部の創設について話し合った」と発言。

[2024年]

 3月9日 尹前本部長が権議員に500万ウォンを寄付。300万ウォンを超える政治献金は寄付者の身元公開が義務化されているが、2004年以後では高額献金は権議員が唯一だった。

 6月22日 権議員が尹前本部長主催の「コリアドリームフェスティバル青春ニューラン2024年」に出席し、祝辞を述べる。

(参考資料:韓鶴子総裁が検察に出頭した日に元NO.2は裁判所に出廷 対立する証言!)