2025年9月30日(火)

 韓国は「外国人不動産ショッピング」をどのように規制しようとしているのか

保守団体による済州島での「中国人観光客ノービザ入国」反対デモ(出典:「チョンジ日報」)

 自民党総裁選は先の参院選で新興政党・参政党が「日本人ファースト」を掲げ、大躍進した背景もあって外国人問題、中でも外国人の不法滞在や投機目的の不動産取得が焦点の一つになっているが、韓国もまた似たような問題を抱えている。

 実際に韓国では文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2020年11月頃から大統領府に「中国人の投機を何とかすべき」との請願が寄せられ、国会で外国人の国内不動産購入を制限することが可能な法案を推進する動きが加速化していた。

 国土交通部と統計庁が当時(2020年11月6日)発表したデーターによると、外国人土地所有件数は2011年の7万1575件(公示時価24兆9957億ウオン)から2020年には15万7489件(公示時価31兆4962億ウォン)に増大したが、中でも中国人の韓国国内の土地所有量は2011年から2019年までの8年の間に14倍も増え、その広さは国会議事堂がある汝矣島(2.9平方キロメートル)の6倍以上になっている。

 外国人住宅取引量も年々増加し、国土交通部が発表した外国住宅取引は2022年の4568件、2023年6363件、2024年7296件と増加の一途を辿っており、今年も7月現在すでに4431件を超えている。

 国籍別では中国人が73%を占め、2番目に多いのが米国人(14%)である。問題は投資が目的で居住していない住宅購入が増えていることだ。

 海外からの購入資金流入による外国人の投機目的の取引が韓国の土地、不動産価格の上昇に繋がっていることから国土交通部は2023年8月から一定の規制を設けているが、現在検討中の規制を含めると、韓国の規制措置は以下の通りである。

 その1.外国人がマンションなど集合住宅を取引する際には事前許可を得なければならない。

 その2.非居住外国人は住宅を購入する場合、「委託管理人」(住宅取得後、実際の取引調査に基づいて資料の要求に対応する管理人)を選任して申告しなければならない。

 その3.マンションなどの購入資金を海外から調達する場合、30日以内に事前契約許可を取得した上で資金調達計画書と添付書類を提出しなければならない。海外から借り入れ、海外預金の送金を受ける場合は、海外金融機関の名前と借りた金額、送金金額を記載しなければならず、現金を持ち込む場合は外貨の輸入を申告しなければならない。

 その4.外国人土地取引許可区域をソウル市全域と京畿道の水原、城南、仁川など23の市と郡に限定し、指定区域で住宅を購入する場合、市、郡、区の長の許可を受けなければならない。これらの地域に住んでいない外国人は許可区域では住宅を購入できない。

 その5.取得許可後4か月以内に入居しなければならず、2年間その地域に居住する義務が課せられる。使用義務違反の場合、土地取得価格の10%内の強制課徴金が課せられる。必要に応じて許可が取り消せられる。この規定はオフィステルを除く、住宅、マンション、タウンハウス、集合住宅に適用され、許可区域に外国人が実際に居住しているかを調査する専任統合機関を立ち上げる。

 その6.外国人が市場利益のために高級マンションなどを購入した場合、譲渡税を最大10%ポイント引き上げ、また6ヶ月間住宅に居住していない場合、取得税20%を課税する。※最大野党の「国民の力」は1年以上の居住期間の義務付けを求めている。

 国土交通部では一連の規制措置について「外国人の市場混乱を根本的に遮断し、住宅価格を安定させ、国民の住宅福祉に寄与する」と、その理由を説明している。

 韓国での反中感情の高まりは尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が「中国産の太陽管パネルが韓国全域の山林を傷つけている」と煽り、大統領支持派のユーチュバーらがそれに供応し、「中国共産党が韓国の不正選挙に関与した」とか「大統領の弾劾集会に中国人が大挙参加している」とのフェイク情報を流していることも大きな要因だが、中国人の韓国での土地買い占め、住戸の買い漁りも韓国人の対中感情悪化の一因となっていることも紛れもない事実である。

 中国との関係修復を目指す李在明政権は不動産を規制することで国民の反中感情をトーンダウンさせる一方で、明洞の繁華街やチャイナタウンで反中集会を開き、「中国人追放」を叫び、中国人観光客に罵詈雑言を浴びせている保守右翼らの行為を取り締まるだけでなく、今後は、中国を非難する内容などが書かれたいわゆる「ヘイト横断幕」なども表現の自由とはみなさず、法で厳しく規制する方針と伝えられている。