2026年4月15日(水)

 韓国人の65%が「米国のイラン攻撃に協力すべきではない」

韓国・慶州で2025年10月に行われた米韓首脳会談(出典:青瓦台)

 韓国で「MBC」と並び視聴率の高い「JTBC」放送は、4月12日、世論調査会社「メタボイス」と「グローバルリサーチ」に委託して実施した世論調査の結果を発表した。

 調査では、「イランと戦争を行っている米国を韓国は助けるべきか」という質問に対し、65%が「同意しない」と回答した。

 韓国はアジア屈指の親米国家である。米韓は同盟関係にあり、両国は相互防衛条約を締結している。米国は朝鮮戦争で韓国側として参戦し、韓国を救った存在でもある。また韓国も、ベトナム戦争からイラク戦争に至るまで米国に協力してきた。

 トランプ大統領は、韓国が協力しないことについて再三不満を表明し、「韓国は中東から石油の45%を輸入しているにもかかわらず、我々を助けようとしない。我々は韓国に4万5千人の兵力(実際は約2万8千人)を駐留させているのにだ」と批判している。また、北朝鮮がロシアによるウクライナ侵攻を支援している状況にも触れ、韓国の対応に苛立ちを示しているようだ。

 いわゆる「仏様、神様、米国様」と言われる韓国だが、今回の米国の要請に対する国内世論は冷ややかである。「ある程度共感する」は19%、「非常に共感する」は12%にとどまり、国民の3人に2人がトランプ大統領の要請に否定的な反応を示した。

 韓国では約1か月前の3月20日にも、世論調査会社「韓国ギャラップ」が同様の調査(3月17〜19日実施)を行っている。この時点でも、回答者の55%が「ホルムズ海峡に軍艦を派遣すべきではない」と答え、「派遣すべき」は約30%にとどまっていた。

 当時は、トランプ大統領によるホルムズ海峡への派兵圧力を受け、政界では与野党問わず「同盟と国益のためには拒否は難しい」とする、いわゆる現実論が浮上していた。

 与党「国民の力」の重鎮である朴智元(パク・チウォン)議員はKBCの番組で、「国際情勢や米国の為替・関税交渉を見れば分かるように、米国の圧力には耐えられない。米国が正しいかどうかが問題ではない。米国にはそれだけの力がある。だからこそ軽々しく『やる、やらない』と言うのではなく、慎重なアプローチが必要だ。私の見方では、米国が最後まで派兵を要求するのであれば、十分に検討すべきだ」と語った。

 また、野党の有力政治家である安哲秀(アン・チョルス)議員は、「ホルムズ派兵を経済・安全保障上の資産確保の手段として活用すべきだ」として、積極的な参加を主張している。

 しかし、韓国に限らず、NATO(北大西洋条約機構)を含め、米国の要請に前向きな同盟国は現時点で多くない。CNNがSSRSに委託して3月2日に実施した調査では、米国内でも59%がイラン攻撃を支持していなかった。また、その前日にロイターとイプソスが行った調査でも、イラン空爆への支持は27%で反対は43%(「分からない」は29%)となっていた。

 国際社会で孤立し、米国内でも支持されてない状況下で同盟関係が大事にせよ、韓国が率先して米国の戦争に加担する訳にはいかないのが実状である。まして反米、民族色の強い進歩勢力の支持によって当選した李大統領にはできないことである。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は先月、「米韓同盟への過度な依存は禁物だ」と述べ、急変する安全保障環境に対応するため、自主国防の強化が必要だと強調していたが、今後、国防費負担など米国からの要求が高まるほど、「脱米国化」の動きが進む可能性もある。