2026年4月17日(金)
「韓国経済このままでは5年後に大変なことになる」 IMFが重大警告
日本でも公開された韓国映画「国家が破産する日」ポスター(配給会社「twin」)
政府と市民のメッセンジャーとしての役割を果たしている、120年の歴史を持つ日刊紙「ソウル新聞」の「韓国はこのままでは5年後、大変なことになる」との見出しの記事(16日付)を見て、李在明(イ・ジェミョン)政権はぎょっとしたはずだ。
ソウル新聞がこうした見出しを掲げたのは、国際通貨基金(IMF)が韓国の国家債務の増加速度について警戒水準を一段と引き上げたことによる。IMFは米国を除く先進国の中で、ベルギーと韓国の2か国を名指しし、債務比率の「大幅な増加」が予想されると指摘している。
韓国人はIMFと聞くと、真っ先に約30年前に韓国経済を直撃した「IMF危機」を思い浮かべる。韓国では1997年の経済危機は「朝鮮戦争以来、最大の国難」とされている。
米ドルと連動していたタイのバーツがヘッジファンドの投機対象となったことを契機に起きた経済危機は、アジア諸国の中でも韓国に最も大きな打撃を与えた。過剰な設備投資を行い、借金を抱えていた財閥は急激な経済悪化に耐えきれず、大手企業・起亜自動車の倒産を皮切りに経済状況が一気に悪化した。
韓国の外貨保有高は124億ドルに減少し、年末までに支払う必要のある債務は163億ドルに達していた。もはやIMFの支援がなければ、モラトリアム(対外債務の支払い停止)を宣言せざるを得ない状況だった。
当時の金泳三(キム・ヨンサム)政権はIMFに緊急支援を要請したが、そのため財政が事実上破綻したことを世界に示さざるを得なかった。これは1988年のソウル五輪開催によって先進国入りを自負していた韓国国民にとっては屈辱的な出来事だった。
結局、韓国はIMFの管理下に置かれ、財閥の解体、外資の参入、企業経営の透明化、貿易の自由化、労働市場の規制緩和など、次々と改革を求められた。
金泳三政権の負を引き継いだ金大中(キム・デジュン)政権下では4大財閥の一つであった大宇財閥が解体され、最大財閥の現代財閥も再編された。9つの公的企業が民営化され、外国人投資家に市場が開放されたことで外資による企業買収も進んだが、その一方で証券市場は回復した。韓国がIMFからの借入(195億ドル)を完済し、管理体制から完全に脱却するまでには4年を要した。
金泳三大統領は任期中にIMF体制を脱却できなかったことから「最悪の大統領」と批判されたが、経済再建を成し遂げた金大中大統領は2002年に韓国人として初めてノーベル平和賞を受賞するなど、高い評価を受けることになった。
ソウル新聞によると、IMFが4月14日に発表した「財政モニター」報告書では、米国を除く先進国グループ内の財政動向が示されており、「ベルギーと韓国は債務比率の大幅な増加が予想される」とされている。具体的には「2031年までにベルギーはGDP比122%を超え、韓国は63%水準に達する」と指摘された。なお、スペインと日本は、金利と成長率の好ましい組み合わせにより、2031年までに債務比率が10〜14ポイント低下すると予測されている。
IMFは昨年11月に発表した韓国の年次協議報告書で、中央政府債務が「2025年のGDP比48%から2030年には59%へと徐々に上昇する」と分析していたが、今回は韓国をベルギーとともに名指しし、「大幅な増加」と表現している。また、「IMFが示した韓国の一般政府債務のGDP比は2030年に61.7%、2031年に63.1%となる」と同紙は伝えている。
韓国の経済規模(名目GDP)は1兆8753億ドルで世界13位にランクされており、対外債務は4253億ドルで24位である。しかし、外貨保有高は4182億ドルで、G7のフランス、イタリア、ドイツを上回る世界9位に位置している。
数年前から富裕層、中産層が増えたことで「G7入りも近い」と見られていた韓国経済が、国家債務の急増によって5年後に危機に陥る可能性があるというIMFの指摘は、韓国国民にとってまさに悪夢である。
というのも、IMF危機は一般国民の生活に深刻な影響を与えたからだ。IMF管理下に入って6か月後の国民生活を振り返ると、資産は平均して5世帯のうち3世帯で5分の1に減少し、貯蓄額も全体の4分の1で月平均2万円減少した。さらに、1世帯あたりの月平均利息負担額は6か月前と比べて3万円増加し、所得についても4世帯のうち3世帯で平均20%減少した。当時、国民が最も節約したのは衣類(31.2%)で、次いで食料、文化生活の順となり、外食の回数は大幅に減少した。
IMF危機を題材にした韓国映画「国家が破産する日」が7年前に日本でも上映されたているが、この作品ではノンバンクの営業停止や企業倒産の連鎖により、大企業から中小・零細企業に至るまで打撃を受け、多くの人々が路頭に迷う様子が克明に描かれている。