2026年4月20日(月)

 日本に追いつくどころか台湾に追い抜かれた韓国経済 格差は開く一方

韓国「全国経済人連合団体」会館(出展:韓国「JPニュース」)

 韓国経済のスローガンは、一時期「日本に追いつき、追い越せ」だった。

 確かに韓国経済は急成長を遂げた。それでも2024年時点の世界経済(GDP)ランキングでは、日本が5位であるのに対し、韓国は13位である。規模も日本の約4兆ドルに対して、韓国は半分以下の約1兆8000億ドルにとどまる。

 輸出額では、日本の7070億ドルに対して6836億ドルと差を詰めているが、順位は依然として日本が5位、韓国が6位である。

 一方で、一人当たりGDPに限っては韓国が日本を上回っている。日本の3万2443ドルに対し、韓国は3万6239度ルである。

 韓国が1人当たりGDPで日本を逆転した際には、一部メディアが韓国を「昇る太陽」、日本を「沈む太陽」と評した。また、現大統領の李在明(イ・ジェミョン)氏は2022年の大統領選挙に立候補した際、「日本を追い越し、先進国に追いつき、やがて世界を先導する国・大韓民国をつくる」と高らかに宣言していた。

 しかし、底力の差なのか、日本には追いつけそうで追いつけない状況が続いている。それどころか、日本を追う間に、韓国はいつの間にか台湾に抜かれてしまった。

 韓国の人口(約5200万人)は日本(約1億2285万人)の半分以下であるが、台湾(約2340万人)よりは倍以上多い。国土面積も韓国(約10万456平方キロメートル)は日本(約37万7980平方キロメートル)の3分の1以下だが、台湾(約3万6000平方キロメートル)のおよそ3倍もある。台湾は日本の九州とほぼ同じ広さだ。

 世界経済ランキングをみると、台湾は22位、韓国は13位である。しかし、1人当たりGDPではすでに台湾が韓国を上回っており、昨年は韓国の3万5962ドルに対し台湾は3万7827ドルとなった。

 国際通貨基金(IMF)が4月15日に発表した世界経済見通しによると、今年の台湾の1人当たりGDPは前年比6.6%増の4万2103ドル(約618万円)、韓国は3万7412ドル(約549万円)と予測されている。

 IMFの見通しでは、両国の格差は今後さらに拡大する見込みだ。今年の4691ドルから、2027年に5880ドル、2028年に6881ドル、2029年に7916ドル、2030年には9073ドルへと広がるとされる。台湾は今年すでに4万ドルを突破する見込みだが、韓国が4万ドルを超えるのは2028年(4万695ドル)と予想されている。

 所得逆転の背景には成長率の差がある。台湾の成長は目覚ましく、2025年の実質GDP成長率は7%を上回ったと推定されている。これに対し韓国は、半導体輸出の回復にもかかわらず成長率は1%台後半にとどまり、低成長局面から抜け出せていない。IMFは今年の実質GDP成長率を韓国1.9%、台湾5.2%と見込んでいる。

 経済紙「韓国経済」の李シムギ首席論説委員は、論説で台湾に逆転された「原因は経済構造にある」と指摘する。

 同氏によると、IMFは2020年から2024年にかけて韓国の民間消費が年平均1.3%の増加にとどまり、同期間の実質GDP成長率(2%)を下回ったと分析しの成長にている。投資も不動産プロジェクトファイナンス(PF)の制約や建設不振の影響を受け、2020?2024年対する投資寄与度は18%にすぎない。輸出が好調でも、消費と投資が伴わなければ所得は経済全体に波及しない。韓国の一人当たりGDPが台湾に初めて劣った最大の理由は、内需の不振にあるという。

 さらに、韓国が台湾に後れを取る要因として、「半導体など主力産業に比べ、内需やサービス産業、中小企業の生産性が低迷している点」を挙げているが、同氏は「IMF報告書も韓国が台湾に一時的に逆転されたのではなく、持続的成長のためには産業構造全体の再設計が必要だと指摘している。半導体好況に安住している場合ではないとの警告として受け止めるべきだ」と経済界に警鐘を鳴らしている。