2026年4月22日(水)
原油危機で打開策を模索する韓国 電気料金は「昼間は安く、夜は高く?」韓国週刊誌の「注目すべき記事」
石油備蓄量をチェックするソン・ジュソク社長ら韓国石油公社役員(出展:韓国石油公社)
米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は4月2日、「イラン紛争が韓国に与えた影響:数値で見る分析」という報告書で、韓国を名指しし、「今回の戦争の非戦闘国の中で韓国が最大の被害国だ」と指摘した。ホルムズ海峡を通じた産業用原材料の調達比率が世界で最も高いためだ。
確かにエネルギー輸入依存度が94%に達し、原油供給の70%以上を中東に頼る韓国は中東危機の影響をもろに受けている。ガソリン価格の急騰や指定ごみ袋の供給不安が取り沙汰され、オイルショック以来、ほぼ半世紀ぶりの騒ぎとなっている。
韓国政府はすでに3月25日からソウル市を始め全国17の市・道とともにエネルギー節約のための協力会議を開き、公的部門における乗用車の5部制を導入しているが、これだけでは差し迫る危機を乗り切ることはできない。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は4月6日、閣議でエネルギー転換政策の推進について「他国がすべて終えてからではすでに遅れてしまう。半歩でも、3分の1歩でも早く進まなければならない」と述べていたが、官民含めて打開戦略を模索している最中、本日の韓国の時事週刊誌「時事IN」の電子版に興味深い記事が載っていた。
「中東戦争の唯一の教訓 エネルギー自立の道を問う」と題した李ホソン記者の長文の記事は日本にも参考になるので以下、概略を紹介する。
「2024年時点で韓国の石油と天然ガスの輸入額は200兆ウォンを超え、年間政府予算の3分の1近くに達する。こうした海外依存型のエネルギー体質を『自立型』に変えなければならないというのが、最近のエネルギー転換論の核心である」
「これまで一般市民の関心の外にあったエネルギー転換についての社会的議論が表面化してきた。戦争によって最も大きな変化が見られるのは交通(輸送)分野である。石油化学を除けば化石燃料依存度が圧倒的に高く、特に乗用車と貨物車が中心だ。道路輸送による石油消費のうち、乗用車が55.7%、貨物車が28.5%を占める。国内でも、自宅前までつながる交通利便の整備、自家用車を持たない世帯へのインセンティブ制度、自転車インフラの拡充など、多様なアイデアがある」
「政界では、平時であれば難しかった無償交通の議論も始まった。曹国(チョ・グク)祖国革新党代表が提案した『勤時間帯の公共交通無料』政策に対し、李素永(イ・ソヨン)共に民主党議員らが賛同し議論が広がった。6月の地方選で京畿道知事に挑戦する秋美愛(チュ・ミエ)共に民主党候補も、6?18歳の青少年に対する公共交通無償化を公約に掲げた。金姫廷(キム・ヒジョン)国民の力議員も公共交通利用活性化のため「韓国版9ユーロチケット」の導入を検討すべきだと主張した」
「4月3日、エネルギー転換フォーラム主催の『中東発エネルギー危機対応 緊急討論会』では注目すべき提案が出された。道路輸送の石油消費の28.5%を占める貨物車の物流を鉄道へ分散させるべきだとの主張である。鉄道のエネルギー消費は貨物車の約4%と非常に効率的だが、貨物輸送分担率(トンキロ基準)は3.2%に過ぎない」
「電力分野はエネルギー自立の議論が最も活発に行われている分野である。電気自体は国産だが、燃料の多くは輸入に依存している。2025年時点の電源構成は、原子力(約31.6%)、ガス(約28.1%)、石炭(約27.5%)、再生可能エネルギー・その他(12.8%)の順である。中東戦争が長期化する兆しを見せた3月16日、当局は微細粉塵対策として2018年から実施してきた石炭火力発電所の利用率上限を一時的に解除し、さらに4月6日には2040年以降も一部の石炭火力を廃止せず予備電源として残す案を検討することにした。LNG発電を減らすために石炭火力を活用するという選択である」
「市民社会はより実効性のある対策を求めている。その一つが家庭用電気料金の見直しである。核心は『時間帯別料金化』制度で、電力消費が少ない時間帯の料金を安く設定し需要を分散させる仕組みだ。韓国ではすでに産業用電力に時間帯別料金が適用されている。今年3月には産業用電気料金が『昼は安く、夜は高く』へと改編された。従来はガスなど火力発電が主力だったため、昼は高くして消費を抑え、夜は安くして需要を分散させていた。しかし太陽光発電の増加により、昼間の電気料金が安くなるという新たな現象が生まれた。これもLNG発電比率を下げる政策と無関係ではない」
「4月8日、国会で開かれた『ナフサ危機の中で露呈した限界、脱プラスチック総合対策の補完方向』政策討論会で、資源循環社会経済研究所のホン・スヨル所長は「国内政策が使い捨て製品の管理とリサイクル中心にとどまっている」と指摘し、▽使い捨て製品禁止区域の拡大▽多回使用容器の義務割引制度▽プラスチック製品の修理権保障など、強力な需要管理政策を提案した」
李記者は最後に「中東戦争以降、エネルギー転換はもはや選択ではなく必須となった。『エネルギー安全保障』という概念を法制化すべきだという主張も出ている。しかし、その道のりは遠く複雑だ。再生可能エネルギー設備が増えたとしても、送電網の整備が伴わなければならず、市民が電気料金の見直しを含む『不便なエネルギー転換』を受け入れられる必要がある。産業構造の再編による雇用問題など、解決すべき難題も一つや二つではない」と指摘し、文を締めくくっている。
(参考資料:素早い韓国の石油危機対策 「コロナ」の教訓を生かす)